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カルロガバッツィEM24DINの型番はどう読むのか|AV9とAV5が分ける直結64AとCT接続5(10)A、末尾「P」の正体

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

制御盤の中に取り付けられたカルロガバッツィのデジタルエネルギーメーター。銘板には「EM24-DIN.AV9.3X.IS.P」とある。ハイフンとピリオドが交互に並ぶこの文字列を前に、どこからどこまでが一つの意味の塊なのか、しばらく手が止まる。同じメーカーの別の個体には「EM24-DIN.AV5.3.D.IS.P」とあり、よく見ると区切り方まで違う。三相4線式という説明は共通のはずなのに、なぜ型番の骨格までずれて見えるのか。

Carlo Gavazziの公式データシートには「Order code」という名前で、型式を構成する各ブロックの対応表がそのまま載っている。以下、この公式表に基づいて分解し、実機の3型式に当てはめながら、途中で見つかった食い違いも含めて整理する。

型番の骨格——5つのブロックに分かれる

公式データシート(2025年5月27日発行)の「Order code」表を読むと、EM24DINの型式は次の順で組み立てられている。

  1. シリーズ名:EM24DIN
  2. 電圧入力タイプ:AV2/AV5/AV6/AV9
  3. 相数+給電区分:3D/3L/3X/1X
  4. I/O・通信方式:XX/R2/O2/DP/IS/E1/M1/M2/W1 I/W1 E
  5. 認証区分(末尾):X(非MID品)、またはPFA・PFB(MID認証品)

この5ブロックに当てはめると、「EM24-DIN.AV9.3X.IS.P」はEM24DIN+AV9+3X+IS+(末尾P)という並びだとわかる。公式表の表記はスペース区切り(EM24DIN AV9 3X IS X)だが、ここではピリオド区切りで書かれている点が違うだけで、ブロックの数と順序自体は一致する。

AV2・AV5・AV6・AV9が分けているのは「直結かCT接続か」

電圧入力タイプのAV2・AV5・AV6・AV9は、単なる型式のバリエーション記号ではなく、電流の受け方そのものを分けている。公式データシートの電気仕様表(Current)を見ると、AV2とAV9は「Direct」(直結)接続で、Base電流10A・Max電流65A。対してAV5とAV6は「Via CT」(CT=変流器を介する)接続で、定格電流5A・Max電流10A、表記は「5(10) A via CT」となる。

給電方式にも違いがある。AV2とAV9は測定対象の電圧線から自らの動作電力を取り込む自己給電(Self power supply)方式で、外部電源が要らない。一方AV5とAV6は外部から別途電源を供給する必要があり、115/230Vac(記号D)か24〜48Vac/dc(記号L)のどちらかを選ぶ。この「外部給電が要るかどうか」が、次に説明する3文字目のブロックの書き方の違いに直結している。

「3X」と「3.D」の違いは表記揺れではない

型式の3ブロック目、AV9側の「3X」とAV5側の「3D」(YAMLの記載では「3.D」)は、一見どちらも三相を示す「3」に何かが1文字続いているだけに見える。だが公式データシートの「Power supply」表に照らすと、この後ろの1文字は独立した情報を運んでいる。

AV9は自己給電のため、給電電圧を選ぶ余地がなく、この位置の記号は常に「X」で固定される。AV5は外部給電が必要なため、115/230Vacを使うなら「D」、24〜48Vac/dcを使うなら「L」を選ぶ必要があり、その選択結果がここに現れる。つまり「3X」と「3D」は、三相という点では同じでも、「自己給電で選択の余地がない」か「外部給電でどの電圧系を選んだか」かという、まったく別の情報を表している。表記のゆらぎではなく、ハードウェア構成そのものの違いだ。

I/O・通信方式——IS・O2・DPが指すもの

4ブロック目は搭載するI/O・通信方式を示す。公式データシートの「Order code」表から拾うと、XXは追加I/Oなしの基本仕様、R2は2リレー出力、O2は2つの静止形出力(パルス出力またはアラーム出力として現場で設定変更可能)、DPは3デジタル入力+Dupline通信、ISは3デジタル入力+RS-485 Modbus RTU通信、E1はEthernet Modbus TCP/IP、M1・M2はM-Bus(EN 13757-3の2005年版・2013年版)、W1 I/W1 Eは無線M-Bus(内蔵アンテナ/外付けアンテナ)を意味する。

「EM24-DIN.AV9.3X.02.P」の「02」は、公式表記の「O2」(アルファベットのオー+数字の2)と同一のブロックを指していると見られる。数字のゼロとアルファベットのオーを取り違えた表記だが、意味する内容(2静止形出力)自体は変わらない。

末尾——公式には「X」「PFA」「PFB」しかない

5ブロック目、末尾の記号について公式データシートは、非MID品なら「X」、MID認証品なら「PFA」(総合計量値kWh+がMID認証対象)または「PFB」(正方向の合計計量値のみMID認証対象、負方向の計量値自体は使えるが認証対象外)と説明している。2021年4月28日発行の別ファミリー「EM24 SFA/SFB」のデータシートでは、同じ役割を「SFA」「SFB」という記号が担っており、こちらもMID認証品向けの2文字組だ。

この記事の主題である3つの実機型式は、いずれも末尾が単独の「P」で終わっている。だが2020年11月18日版・2021年4月28日版・2025年5月27日版のいずれの公式データシートを確認しても、「Order code」表の終端記号は「X」「PFA」「PFB」「SFA」「SFB」のいずれかであり、単独の「P」という表記は見当たらなかった。一方でFarnellの商品リスティングには「EM24-DIN.AV9.3X.02.P」が「METER, EM24, 2 OUTPUT, 64A DIRECT」という商品名で実在の販売品として掲載されており、実物として流通していること自体は確からしい。ただし正確な定義を裏付ける一次資料には行き着けなかったため、この記事では「P」の意味を断定しない。

3つの実機型式を分解する

以上を踏まえて、松本電業が扱うEM24DINシリーズの3型式を分解する。

EM24-DIN.AV9.3X.IS.P:AV9(直結・自己給電・電流10(65)A)+3X(三相・自己給電のため給電選択なし)+IS(3デジタル入力+RS-485 Modbus RTU)+末尾P(前述のとおり公式には未確認)。三相4線式・RS-485/Modbus付きという説明自体は正しい。ただし電流入力は「CT接続」ではなく直結65A対応であり、CTを介する結線を前提に準備すると実際の仕様と食い違う。

EM24-DIN.AV5.3.D.IS.P:AV5(CT接続・外部給電・電流5(10)A)+3(三相)+D(外部給電115/230Vac)+IS(3デジタル入力+RS-485 Modbus RTU)+末尾P。単相/三相対応・電源電圧115/230VAC・CT接続5(10)Aという説明は、公式仕様と整合している。ただしこの「AV5×3D×IS」という組み合わせ自体は、2020年11月18日発行の旧版データシートには掲載されているものの、2025年5月27日発行の最新版データシートの「Order code」表には見当たらない。最新版でRS-485通信を選べるのはAV6(3D・3L)とAV9(3X)のみで、AV5×ISは現行の掲載ラインアップから外れているように見える。

EM24-DIN.AV9.3X.02.P:AV9(直結・自己給電・電流10(65)A)+3X+O2(2静止形出力、パルス/アラーム設定可)+末尾P。三相4線式・パルス出力タイプという説明は方向性として合っているが、ここでも電流入力は「CT接続5(6)A」ではなく直結65A対応であり、Farnellの商品名「64A DIRECT」とも整合する。

現場で間違えやすい点

一番の注意点は、AV9系の型式に対して「CT接続」「5(6)A」という説明を当てはめてしまうことだ。松本電業のメーカーデータ上でも、AV9系の2型式(IS付き、O2付き)にこの表現が使われているが、公式データシートの仕様と照らすとAV9は直結・自己給電・最大65Aの系列であり、CTを介する接続方式ではない。CTの手配や結線図の準備をこの説明のまま進めると、実際に必要な部材や配線方式と食い違う。CT接続・5(10)Aという仕様が正しく当てはまるのはAV5・AV6の系列である。

もう一点、AV5×3D×ISという組み合わせは2020年版データシートには存在したが、2025年版の掲載ラインアップからは外れているように見える。掲載から外れたことが即座に廃番を意味するわけではないが、旧世代の構成である可能性は考えておいたほうがよい。新規に選定・発注する際は、現行の入手可否をメーカーまたは販売店に確認するのが安全だ。

EM24DINシリーズの型番確認・見積りについて

電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、盤に残った銘板の型式から、実際の電流入力方式(直結かCT接続か)・給電方式・通信オプションの確認、そして現行品での入手可否確認までのご相談を見積フォームで受け付けている。型番の一部が判読できない場合は、現物の写真を添えてもらえると照合が早い。

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よくある質問

EM24-DIN.AV9.3X.IS.Pの電流入力は「5(6)A CT接続」ですか?

いいえ、公式データシートの仕様と食い違います。Carlo Gavazzi公式データシート(2025年5月27日発行「EM24 E1 DS ENG」)の電気仕様表によれば、AV9は電流入力がDirect(直結)接続で、Base電流10A・Max電流65Aです。CT(変流器)を介する接続はAV5・AV6の系列で、こちらは5(10)A via CTという仕様になります。AV9系の型式に対して『CT接続』『5(6)A』という説明を当てはめると、実際に必要なCT一式や結線方式を誤って準備してしまう恐れがあります。

EM24-DIN.AV5.3.D.IS.PとEM24-DIN.AV9.3X.IS.Pで、なぜ3文字目のブロックが「3.D」と「3X」で違う書き方になるのですか?

表記の揺れではなく、給電方式の違いを反映した結果です。公式データシートの『Power supply』表によれば、AV9は測定対象の電圧線から自らの動作電力を取り込む自己給電(Self power supply)方式のため、この位置の記号は給電電圧を選ぶ必要がなく常に「X」で固定されます。一方AV5は外部から別途電源を供給する必要があり、115/230Vacを使うか(D)、24〜48Vac/dcを使うか(L)を選択する必要があるため、その選択結果がD(またはL)としてここに現れます。3が三相であることを示す点は共通ですが、その後ろに続く記号は『自己給電か外部給電か、外部給電なら何ボルト系か』という別の情報を運んでいます。

型番末尾の「P」は何を意味していますか?

Carlo Gavazzi公式データシートを確認した範囲では、明確な定義が見当たりません。2020年11月18日版・2021年4月28日版・2025年5月27日版のいずれの『Order code』表でも、型式末尾に来る記号は非MID品を示す「X」、またはMID認証品を示す「PFA」「PFB」(もしくは別ファミリーの「SFA」「SFB」)のみで、単独の「P」という終端表記は確認できませんでした。一方でFarnellなど流通側のリスティングには「EM24-DIN.AV9.3X.02.P」のような末尾Pの型式が実在の販売品として掲載されており、実物が流通していること自体は確からしいと考えられます。ただし正確な意味を裏付ける一次資料が見当たらないため、発注時は末尾Pを含む正式な型式表記を、販売店またはメーカーに直接確認することを推奨します。

EM24-DIN.AV5.3.D.IS.Pのような『AV5×IS』の組み合わせは、今も現行品として選べますか?

2025年5月27日発行の最新データシートの『Order code』表を見る限り、非MID品でRS-485 Modbus RTU通信(IS)を選べる組み合わせはAV6(3D・3L)とAV9(3X)のみで、AV5×3D×ISという組み合わせは掲載されていません。この組み合わせが載っていたのは2020年11月18日発行の旧版データシートで、最新版では見当たらなくなっています。掲載から外れたことが即座に廃番を意味するとは限りませんが、旧世代のラインアップである可能性は考えられるため、新規に選定・発注する際は現行の入手可否をメーカーまたは販売店に確認したほうが安全です。

参考文献・出典

型番不明でもOK

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