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電材基礎計量機器電力量計

大崎電気工業の電力量計はどう型番を読むのか|単相2線式を指す数字が、E-FMは5、コンパクトEMは1という食い違い

読了目安: 10分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

A6EA-Rという型番を見て、単相3線式の電力量計だと判断したとする。仕様表の相線式欄を確認すればその通りだ。では、隣にあるA2GA-TLN2rも同じ単相3線式だと知って、数字が6ではなく2になっていることに引っかかりを覚えないだろうか。同じメーカーの、同じ「電力量計」というカテゴリの中で、相線式を表すはずの数字が違う。

大崎電気工業の電力量計には、A5EA-R、A6EA-RN2、A1GA-TLN2rといった具合に、アルファベットと数字が入り組んだ型番が並ぶ。数字を追えば相線式(単相2線式・単相3線式・三相3線式・三相4線式)が読み取れるらしいことは、いくつかの製品ページを見ればすぐに分かる。ただし、その数字がどの相線式を指すかは、どうやら製品シリーズによって変わる。公式製品ページと最新のコンパクトEMカタログの仕様表を突き合わせ、どこまでが確認できる規則で、どこからがシリーズごとの個別ルールなのかを整理したい。

電力量計とは何か——型番が検定と紐づく理由

電力量計は、需要家が実際に使った電力量(kWh)を計測し、電気料金の根拠となる指針値を示す機器だ。取引・証明に使う計量器である以上、計量法に基づく検定を通す必要があり、型式ごとに日本電気計器検定所の型式承認を取得している。大崎電気工業の公式製品ページでも、各型番のページに「計量法およびJIS規格に準拠しています」「日本電気計器検定所の型式承認を取得しています」という文言が繰り返し出てくる。型番を正確に読み取ることは、単に部材を発注するための作業ではなく、検定という制度に紐づいた型式を取り違えないための作業でもある。

E-FMシリーズでは、数字の5・6・7・8が相線式に対応する

大崎電気工業の電力量計のうち、電子式のE-FMシリーズには次の型番が並ぶ。A5EA-R(単相2線式)、A6EA-R(単相3線式)、A7EA-R(三相3線式)、A8JA-RL(三相4線式)。公式製品ページの仕様表で相線式欄を確認すると、5・6・7・8という数字が、2線式から4線式へ増えていく配線数とちょうど対応している。

数字の並びだけを見れば、次はA9で何かの5線式が来るのだろうかと思いたくなる。だが公式カテゴリページに掲載されている電力量計の型番一覧を見る限り、E-FMシリーズにA9EAやA9JAという型番は存在しない。9番台には直流電力量計のA9AA-RN11・A9AA-RN1が割り当てられており、これは相線式ではなく直流という別の分類軸に切り替わった型番だ。数字の増加が配線数の増加と綺麗に対応しているのは、あくまで5から8までの範囲に限られる。

末尾の記号は、発信装置と通信方式を示す

相線式を示す数字の後ろには、機能を示す記号が続く。A5EA-Rのように「R」だけの型番はパルス出力も通信機能も持たない基本形で、公式製品ページの発信装置欄には「無」と記載されている。これに対してA5EA-RS31は発信装置欄が「有」になっており、仕様表の「発信装置の仕様」という項目に「発信装置記号:S31」と明記されている。S31は無電圧a接点(フォトモスリレー)によるパルス出力方式で、集中検針装置やデマンドコントローラーへの接続に使う。

もう一系統がA5EA-RN2に代表されるRN2型番だ。仕様表の通信機能欄には「有(カレントループ通信)」とあり、特長欄には「30分値を44日分記録します」という記載もある。A6EA-RN2、A7EA-RN2、そして三相4線式のA8JA-RLN2まで、RN2という末尾記号は一貫してカレントループ通信を意味している。ここまでは、数字が相線式、末尾記号が付加機能という骨格が、E-FMシリーズの中では例外なく成立している。

もう一点、見落としやすい数字がある。A6EA-RとA7EA-Rが並ぶ製品ページの仕様表には、型式承認番号が第4204号から第4214号まで6つ並んでいる。単相3線式のA6EA-Rと三相3線式のA7EA-Rという2機種、それぞれ定格電流(60A・120A・/5A)3区分の組み合わせごとに、日本電気計器検定所の型式承認番号が個別に割り振られているためだ。型番の見た目は1つでも、検定という制度の上では、電流の区分ごとに別の型式として扱われている。これは相線式を読み解く規則とは別の話だが、検定満了年月の管理などで型式承認番号の照合が必要になった際に、型番だけで1対1に対応すると思い込まないための備えとして押さえておきたい。

ところが、埋込形EMとコンパクトEMでは数字が1・2・3に変わる

骨格が分かった気になったところで、同じ電力量計カテゴリの別シリーズを見てみる。埋込形EMという製品群には、A1D-RLS27V(単相2線式)、A2D-RLS27V(単相3線式)、A3D-RLS27V(三相3線式)という型番が並ぶ。相線式を表す数字は、E-FMシリーズの5・6・7ではなく、1・2・3だ。

たまたま埋込形EMだけの特殊事情かとも思ったが、そうではなかった。令和8年5月作成の最新カタログに掲載されているコンパクトEMシリーズも、A1GA-TLN2r(単相2線式)、A2GA-TLN2r(単相3線式)、A3GA-TLN2r(三相3線式)という、まったく同じ1・2・3の数字を使っている。埋込形EMとコンパクトEMという、端子台の形状も用途も異なる二つのシリーズが、同じ1・2・3の対応関係を共有している。つまり「大崎電気工業の電力量計は、数字を見れば相線式が分かる」という前提そのものは正しいのだが、「どの数字がどの相線式か」という対応表は、E-FMシリーズと、埋込形EM・コンパクトEMのグループとで、まるごと入れ替わっている。

なぜこの二系統が併存しているのか、公式ページや入手できたカタログに明確な理由の記載は見当たらない。E-FMシリーズが電力量計の中でも古くからの表面取付タイプであるのに対し、埋込形EM・コンパクトEMは埋込形状や端子台接続といった、より新しい施工方式向けの製品群であることはカタログの構成から読み取れる。設計時期や設計チームが異なれば、採番ルールが独立して決められたとしても不思議はない。ただし、それが数字の違いを生んだ直接の理由だと断定できる記載はどこにもなく、ここから先は確認できていない。

通信方式の記号も、似た数字ほど紛らわしい

コンパクトEMのカタログをさらに読むと、通信機能付の型番がもう一系統ある。A1GA-TLN2r・A2GA-TLN2r・A3GA-TLN2rが「カレントループ通信機能付」なのに対し、A1GA-TLN12r・A2GA-TLN12r・A3GA-TLN12rは「RS-485/Modbus電文通信機能付」だとカタログに明記されている。N2とN12は、末尾に付く数字が1桁増えただけの見た目だが、中身はカレントループとRS-485/Modbusというまったく別の通信方式を指す。既設の集中自動検針システムがカレントループ入力(RS485入力端末器RNU-069など)を前提にしている現場に、うっかりN12型番のRS-485/Modbus機を発注すると、そもそも接続方式が噛み合わない。型番の桁数の違いを見落とさず、通信仕様書の記載と突き合わせて発注したい。

現場での実務的な注意点

型番の数字だけを手がかりに相線式を判断するのは避けたい。A2GA-TLN2rを見て、E-FMシリーズの感覚で「2ならA1と対をなす何かの上位機種だろうか」と考えるのではなく、まずGAという2文字がどのシリーズを指すかを確認し、そのシリーズの中での数字の意味を仕様書で確認する必要がある。

もう一つ見落としやすいのが、末尾の「r」だ。コンパクトEMのカタログには「双方向(順逆方向)の場合は、形名記号の末尾にある”r”が取れます」と明記されている。A2GA-TLN2rのようにrが付いた型番は順方向のみの計量器で、太陽光発電のように売電方向(逆潮流)も計量したい設備には、rの付かない双方向対応の型番を選ぶ必要がある。片方向用と双方向用の違いが、型番の中のたった一文字にしか現れないため、太陽光関連の見積もりでこの一文字を読み落とすと、逆潮流を計量できない計器を発注してしまう。

さらに、発信装置の記号もシリーズごとに違う。E-FMシリーズはS31、埋込形EMはS27と、パルス出力という同じ機能に対して異なる発信装置の型式が使われている。既設の集中検針システムに新しい電力量計をつなぐ更新工事では、末尾のRS31やS27Vという記号だけで安心せず、発信装置の型式が既設システム側の受け側と合っているかまで確認したい。

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