在庫確認・見積は今すぐ フォームで依頼する 写真の添付もOK / 24時間受付

チノーKP1000シリーズ調節計の型番はどう読むのか|「KP1010」と「KP1080」を分ける末尾2桁は、パネルサイズではなく制御出力の方式だった

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

制御盤の温度調節器を交換するとき、見積書に並んだKP1010・KP1020・KP1050・KP1030・KP1060・KP1080という6つの型式を見て、まず思うことがある。末尾の数字が違うのだから、取付枠のサイズも違うのだろう、と。パネル計器の世界では、型番の桁数がそのままDINサイズに対応しているシリーズが少なくない。だから、この直感自体は決して不自然ではない。

だが、チノーの公式カタログ「デジタルプログラム調節計・設定器KPシリーズ」(Cat.No. CC-46-09)と仕様書「KP1000 デジタルプログラム調節計」(資料No.PC-117-7)を並べて開くと、その予想は外れる。KP1000シリーズは、入力信号や出力方式が何であっても外形寸法H96×W96×D127mm、パネルカット92×92mmで統一されている。末尾の2桁が動かしているのは、盤に空ける穴の大きさではない。もっと中身に近い部分——入力信号の種類と、制御出力の方式そのものだった。

型番の骨格——KP1□□□C□□□−□□□という9つの位置

仕様書PC-117-7の「■形 式」は、KP1000シリーズの型式をKP1□□□C□□□−□□□という並びで示している。固定文字は「KP1」と「C」とハイフンの3か所だけで、残る9つの□にそれぞれ意味が割り当てられている。

KP1の直後の3桁は、入力信号(1桁目)、調節モード=第1出力の方式(2桁目)、調節モード=第2出力の方式(3桁目)。Cを挟んだ次の3桁は、通信インターフェイス(第1ゾーン)、伝送信号出力(第2ゾーン)、外部駆動入力(第3ゾーン)。ハイフンの後の3桁は、ケース色、防水仕様と端子カバー、電源電圧——ここまでで型式の全9文字が埋まる。カタログCC-46-09も同じ凡例表をp.03-04に掲載しており、二つの一次資料の記載は完全に一致する。

「末尾2桁」の正体——入力信号ではなく、出力方式の記号だった

ここで、冒頭のKP1010・KP1020・KP1050・KP1030・KP1060・KP1080に戻る。これらはすべてKP1の直後の3桁のうち、1桁目(入力信号)が「0」=マルチレンジで揃っており、2桁目(調節モード・第1出力)だけが異なる組み合わせだ。

仕様書の凡例表によれば、この2桁目は次の6種類から選ぶ。

  • 1:オンオフパルス形PID式
  • 2:オンオフサーボ形PID式(標準負荷仕様)
  • 3:電流出力形PID式
  • 5:SSR駆動パルス形PID式
  • 6:電圧出力形PID式
  • 8:オンオフサーボ形PID式(微少負荷仕様)

KP1010の「10」は入力信号0+出力モード1、KP1020の「20」は0+2、KP1030は0+3、KP1050は0+5、KP1060は0+6、KP1080は0+8——という組み合わせだったわけだ。3桁目(第2出力)はいずれも「0」=なしで揃っている。つまり6機種の違いは、どれも第1出力の制御方式一点に集約される。オンオフの接点で駆動するのか、電流や電圧のアナログ信号で駆動するのか、SSR(半導体リレー)を直接叩くのか——盤の設計段階でヒータや弁の駆動方式を決めるとき、真っ先に確認すべきなのはこの1桁だということになる。

KP1010C000-G0Aを実機に当てはめる

src/data/manufacturers/chino-corp.yamlに載る型式例、KP1010C000-G0Aを実際に分解してみる。

KP1・0(マルチレンジ入力)・1(オンオフパルス形PID式)・0(第2出力なし)・C・0(通信インターフェイスなし)・0(伝送信号出力なし)・0(外部駆動入力なし)・G(ケース色グレー)・0(防水仕様と端子カバーなし)・A(電源電圧100〜240VAC)。

同じ手順を残る5機種にも当てはめると、違いは太字にした1文字だけだと分かる。

型式入力第1出力(調節モード)
KP1010C000-G0A0:マルチレンジ1:オンオフパルス形PID式
KP1020C000-G0A0:マルチレンジ2:オンオフサーボ形PID式(標準負荷)
KP1030C000-G0A0:マルチレンジ3:電流出力形PID式
KP1050C000-G0A0:マルチレンジ5:SSR駆動パルス形PID式
KP1060C000-G0A0:マルチレンジ6:電圧出力形PID式
KP1080C000-G0A0:マルチレンジ8:オンオフサーボ形PID式(微少負荷)

「C000-G0A」の並びが全機種で共通なのも、これで説明がつく。通信・伝送出力・外部駆動入力を持たず、ケースはグレー、防水仕様なし、電源は100〜240VAC——オプションを何も足していない、いわば素の構成のまま6種類の出力方式だけを並べたラインナップだった、ということになる。

パネルサイズは全機種共通、96×96mm

カタログCC-46-09のp.07には、外形寸法と並んでパネルカットの寸法図がある。開口部は92×92mm(許容差+0.8/0)、パネル面から機器背面までの奥行きは120mm、本体の外形寸法はH96×W96×D127mm。この数値は、入力信号がマルチレンジであろうと測温抵抗体4線式であろうと、第1出力がオンオフパルス形であろうと電圧出力形であろうと変わらない。

複数台を横に並べて取り付ける場合の開口幅も、カタログには「96×N−4」という計算式付きで載っている(Nは計器の取付台数)。これも型式の出力記号とは無関係に、KP1000シリーズという枠組みだけで決まる寸法だ。型式の末尾を見て「この型番は小さいパネルカット用」と読み替えてしまうと、実際の盤加工とは違う話をしていることになる。

現場で間違えやすい点——オンオフサーボ形は第2出力を持てない

仕様書の凡例表には、もう一つ見落としやすい注記がある。調節モード(第2出力)で選べる1・3・5・6という4つの記号には、「調節モード(第1出力)が1、3、5、6に限り選択可」という※1が付いている。

つまり、第1出力がオンオフサーボ形(2または8)のときは、第2出力に何も選べない。加熱・冷却の2出力構成を組みたい場合、まず第1出力をオンオフパルス形・電流出力形・SSR駆動パルス形・電圧出力形のいずれかにしなければ、そもそも第2出力の選択肢が開かない。オンオフサーボ形は接点にフィードバック抵抗を接続してモータ弁などを駆動する方式で、もともと1系統の駆動に特化した仕様なのだろうとは思う。だが型式の並びだけを見ていると、この制約には気づきにくい。

もう一点、通信インターフェイス(第1ゾーン)・伝送信号出力(第2ゾーン)・外部駆動入力(第3ゾーン)の3か所に共通して現れる「T」「N」「D」「P」「M」というオプション記号にも注意がいる。仕様書は「第1、第2、第3ゾーン共通のオプションは『T』『N』『D』『P』『M』の順に第3ゾーンから優先して指定します」と注記しており、これらは3つのゾーンのどこか1か所にしか割り当てられない。タイムシグナルと外部駆動入力を両方欲しいと考えて型式を組んでも、優先順位の外側に置いた指定は反映されない。

実務上の注意点——「KP1000」には新旧があり、通信初期値も変わっている

型式の読み方が分かっても、もう一段確認しておきたいことがある。チノー公式サイトのFAQ「現行モデルのKP1000と旧モデルのKP1000を簡単に見分ける方法がありますか」は、現行モデルの前面下部表示が「KP1000C」(末尾にCが付く)、旧モデルは「KP1000」だけであること、PV・SV表示は現行が5桁、旧モデルが4桁であることを明言している。型式ラベルが摩耗して読み取れない現場でも、この2点を見れば世代は判別できる。

さらに実務で効いてくるのが、同じFAQページに並ぶ別項目「旧KPから新KPに更新したら、通信ができなくなりました」への回答だ。旧KPの通信プロトコルはPRIVATEのみだったのに対し、新KPはMODBUS RTU・MODBUS ASCIIが追加され、初期設定がMODBUS RTUになっている。既設の上位システムがPRIVATEプロトコルで通信している盤に新型のKP1000Cを更新品として入れると、通信プロトコルを手動でPRIVATEへ設定し直し、通信速度も相手機器に合わせない限り通信が確立しない。型式のC□□□の部分(通信インターフェイスのゾーン)が「あり/なし」を選ぶ記号であるのに対し、この初期値の違いは型式には現れない、いわば型番の外側にあるトラップだった。

KP1000シリーズの型番確認・見積りについて

電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、制御盤に残ったKP1000シリーズの型式ラベルから、入力信号・出力方式・オプション構成の確認、旧型からの更新時に必要な通信設定の申し送りまでのご相談を見積フォームで受け付けている。型式ラベルの一部が読み取れない場合は、前面表示(「KP1000」か「KP1000C」か)と現物の写真を添えてもらえると照合が早い。

見積もり依頼をする →

あわせて読みたい

関連するチノー・KP1000・調節計・型番・見方の品種・型番をお探しですか?
電材サーチでは、メーカー横断で目的の型番を素早く見つけ、そのまま見積もりを依頼できます。

よくある質問

KP1010C000-G0AとKP1020C000-G0Aは、パネルの取付サイズが違うのですか。

いいえ。公式カタログ・仕様書の形式凡例表によれば、KP1000シリーズは入力仕様に関わらず外形寸法H96×W96×D127mm、パネルカット92×92mmで統一されています。KP1010とKP1020を分けているのは型式KP1□□□C□□□−□□□の4桁目「調節モード(第1出力)」で、1がオンオフパルス形PID式、2がオンオフサーボ形PID式(標準負荷仕様)を指す記号です。パネルサイズではなく、出力の方式が違います。

「C000-G0A」の部分は何を表していますか。

仕様書の形式凡例表によれば、Cは固定の区切り文字で、続く3桁は「通信インターフェイス(第1ゾーン)」「伝送信号出力(第2ゾーン)」「外部駆動入力(第3ゾーン)」を表し、いずれも「0」はオプションなしを意味します。ハイフンの後の3桁は「ケース色」(G=グレー、B=ブラック)「防水仕様と端子カバー」(0=なし)「電源電圧」(A=100〜240VAC、D=24VAC/24VDC)です。C000-G0Aは、通信・伝送出力・外部駆動入力をすべて省略し、グレーのケースで防水仕様なし、100〜240VAC電源という構成を意味します。

加熱・冷却の2出力仕様にしたいのですが、KP1020(オンオフサーボ形)で組めますか。

組めません。仕様書の形式凡例表には、「調節モード(第2出力)」で選べる1・3・5・6は「調節モード(第1出力)が1、3、5、6に限り選択可」という注記が付いています。第1出力がオンオフサーボ形(2または8)の場合、第2出力は0(なし)しか選べません。2出力構成にしたい場合は、第1出力をオンオフパルス形・電流出力形・SSR駆動パルス形・電圧出力形のいずれかにする必要があります。

手元のKP1000が現行品か旧型か、型式ラベル以外で見分ける方法はありますか。

あります。チノー公式サイトのFAQによれば、現行モデルは機器前面下部の表示が「KP1000C」と末尾にCが付き、PV・SVの表示が5桁です。旧モデルは表示が「KP1000」のみで、PV・SVは4桁表示です。型式ラベルが読み取れない場合でも、前面の表示桁数とモデル名表記で世代を判別できます。

参考文献・出典

型番不明でもOK

この記事の内容で、製品選定から相談できます

「チノーKP1000シリーズ調節計の型番はどう読むのか|「KP1010」と「KP1080」を分ける末尾2桁は、パネルサイズではなく制御出力の方式だった」に関連する製品を、用途・仕様・写真からお探しします。リンク先には相談内容を入れた状態で用意するため、型番が分からなくてもそのまま進められます。 手書きメモや型番リストの写真・PDFでも依頼できます。

AIと状況を整理してから相談する

普段お使いのChatGPT・Gemini・Perplexity等に貼り付けられる質問文をコピーできます。 自分の状況を伝えて相談すると、最後に電材サーチへの見積依頼文もまとめてもらえます。