見積書に並ぶ「MGS600-262」という型番を見て、600番台の製品ラインの中で262番目に登録された品番なのだろうと思ったことはないだろうか。似たような感覚は「CPCSSX2-0CF007」にもある。パンドウイットやウィードミュラーの端子台でよく見る「WH」や「GY」のような二文字の色記号に慣れていると、この「CF」もその一種——たとえば灰色を表す固有の記号だと読みたくなる。
どちらの読み方も、半分は当たっていて半分は外れている。コムスコープの北米向け公式オーダーガイド(文書番号CO-107549.20-EN、2023年発行)の型式一覧表と型番構成図を開くと、262は確かに色を表す記号なのだが、それは「600番台の中の262番目」ではなく、GigaSPEED X10Dより前の世代のジャックとも共有された数字の色コードだった。CFに至っては二文字ひと組の記号ですらなく、Cという色記号とFという単位記号が、たまたま隣り合っているだけだった。
「262」は通し番号ではない――色コード表を確認する
コムスコープの公式オーダーガイド47ページには「GIGASPEED X10D MGS600 SERIES INFORMATION OUTLET」という表が載っている。材料ID・製品番号・色の3列で構成されたこの表を見ると、760092429という材料IDに対応する製品番号がMGS600-262、色欄はWhiteと明記されている。yamlに記載された「MGS600-262=白」という注記は、この公式表と一致する。
ここで気になるのは、262という数字そのものの由来だ。同じ表を最後まで追うと、003=Black、112=Orange、123=Yellow、226=Green、246=Ivory、270=Gray、317=Red、318=Blue、361=Violet、148=Almondと続く。数字の並びに規則性は見当たらない。3桁の数字が、262のWhiteを含めた11色それぞれに個別に割り当てられているだけの表だ。
もう一つ確認しておきたいことがある。この262という数字は、MGS600だけのものなのだろうか。2004年発行のMGS400(GigaSPEED XLシリーズ、GigaSPEED X10Dより一世代前の製品)の製品ブリーフを開くと、そこにもMGS400-262=Whiteという行がある。003=Black、246=Ivory、318=Blueといった他の数字色コードも、MGS600の表とすべて一致する。つまり262は「MGS600という製品ラインの262番目」ではなく、コムスコープのモジュラージャック全体で世代を超えて引き継がれてきた色コードだったということになる。600という型番の頭についた数字を見て、600番台特有の連番だと思い込むと、この共通性を見落とす。
CPCSSX2-0CF007を4つに割る
パッチコードの型番は、もう少し込み入っている。公式オーダーガイド48ページに掲載された「GIGASPEED X10D 360GS10E MODULAR PATCH CORD CONFIGURATOR」の構成図は、型番を空欄の箱で分解して示している。箱の並びは、製品ファミリーを表すMaterial ID(CPCSSX2など)、ハイフンに続く固定の「0」、1文字のCord color、1文字のUnit of Measure、3桁のLengthという順だ。
この型に当てはめると、CPCSSX2-0CF007は次のように割れる。CPCSSX2は「360GS10E Solid Cordage」——GigaSPEED X10D用のソリッド心線パッチコードという製品ファミリー名。続く0はこの位置に固定で入る桁。Cは色記号で、Cord color表を引くとGray(灰色)に対応する。Fは単位記号でFoot(フィート)。最後の007が長さの値で7を表す。並べ直すと「7フィート、灰色のソリッド心線パッチコード」になり、yamlに記載された注記「7フィート、灰色」とぴたり一致する。
CFという並びは、白(WH)や灰(GY)のような二文字ひと組の色記号ではなかった。Cという1文字の色記号と、Fという1文字の単位記号が、型番の中でたまたま隣同士になっていただけである。この配置を知らずに見ると、CFという2文字を一体のものとして読み違えてしまう。
同じ構成が別の型番にも現れる
この「材料ID+固定の0+色+単位+長さ」という並びは、CPCSSX2だけの特殊ルールではない。同じ製品ラインのSYSTIMAX 360-CAT6構内配線システムに含まれるCPC3312(GS8Eシリーズのパッチコード)にも、公式オーダーガイド54ページに同一構成の型番図が掲載されている。ここに載っているyamlの型番CPC3312-02F007を同じ手順で割ると、0+2(Cord color表でLight Blue)+F(Foot)+007(7)となり、「7フィート、水色」という注記と一致する。GigaSPEED X10Dの世代交代をまたいでも、パッチコードの型番構成そのものは維持されているとわかる。
現場で間違えやすい点
一つは、色記号と単位記号がどちらも1文字の英数字で、しかも記号が重複していることだ。Cord color表には「M」という色記号(Green)が存在する一方、単位記号にも「M」(Meter)がある。CPCSSX2-0MF010という型番があったとすれば、Mは1文字目の位置にあるので緑色を表し、単位はFのフィートだと読む。逆に0で始まり2文字目にMが来れば、それは長さの単位のメートルだ。位置を無視して「M」という文字だけを拾うと、色なのか単位なのか判断できない。
もう一つは、色記号の選べる範囲が製品ファミリーごとに違うことだ。公式オーダーガイドには、CPCSSX2で選べる色記号は「1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9, B, C, K, L, Z」の13種類、CPC3312では「1,2,3,4,6,7,8,9,B,L,M,Z」の12種類と、それぞれ限定リストが注記されている。見比べるとCPC3312のリストにはC(Gray)が含まれていない。CPCSSX2で灰色が選べるからといって、同じ0C始まりの型番がCPC3312でも成立するとは限らない。
最後に、GigaSPEED X10D関連の型番すべてが同じ規則に従うわけではない点も押さえておきたい。パッチパネル(材料ID760152587、製品番号360-IPR-1100-E-GS6-1U-24)は、盤の世代・パネル形式・サイズ・ポート数を並べた別系統の命名で、ジャックやパッチコードの色コード・長さコードとは無関係だ。GigaSPEED X10Dという同じブランド名の下にあっても、ジャック・パッチコード・パネルでは型番の設計思想そのものが違う。
型番確認・見積りについて
電設資材専門商社・松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、GigaSPEED X10D関連のモジュラージャック・パッチコード・パッチパネルの型番確認からお見積りまでのご依頼を見積フォームで受け付けている。手元の型番の色・長さの読み取りに迷う場合や、廃番・代替品の確認が必要な場合も、現物の写真や旧型番を添えてもらえれば照合が早い。
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