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現場のやらかし安全対策測定器具

【現場のやらかし】地絡してもブレーカーが落ちない!アース棒(接地極)の「埋設不足・抵抗値オーバー」による感電・機器破損リスクと正しい接地工事のポイント

読了目安: 8分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

本記事の事例は、安全啓発を目的として典型的な事象を再構成したものです。特定の現場・企業を指すものではありません。

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1. 【現場のやらかし事例】「土が硬いからこれでいいや」とアース棒を半分だけ埋めて引き渡したら、漏電時にブレーカーが落ちず装置が全損した話

ある小規模な化学工場で、屋外に新しい排水ポンプ(三相200V・モーター出力3.7kW)を設置する工事を行った際のことです。

現場の土壌は砂利と粘土が混ざり合った非常に硬い地層で、アース棒(接地極)をハンマーで打ち込もうとしても、30cmほど入ったところでそれ以上ビクともしなくなってしまいました。 工期が迫っていた工事担当者は、「まあ、アース棒が土に少しでも触れていれば、万が一の時に電気は逃げるだろう。アースなんて気休めだ」と安易に判断。アース棒をグラインダーで半分に切断し、地表近くの浅い部分に埋めて砂を被せ、アース線を接続して作業を終えてしまいました。当然、アーステスター(接地抵抗計)による測定も行わず、報告書には「D種接地完了(100Ω以下)」と虚偽の数値を記載しました。

それから約半年後の梅雨の時期、ポンプのモーター内部で絶縁劣化が発生し、外箱へ電気が漏れ出す「地絡(漏電)」が発生しました。 本来であれば、アースを通じて電流が大地に逃げ、外箱の対地電圧が安全な範囲まで下がるはずでした。しかし、アース棒が浅く埋められていたため接地抵抗値が「約850Ω」と異常に高く、外箱の対地電圧がほとんど下がらなくなってしまったのです。

しかもこの回路を守っていたのは配線用遮断器(過電流遮断器)だけで、漏電遮断器は入っていませんでした。850Ωを通って流れる地絡電流はせいぜい0.2A程度で、20Aの配線用遮断器がこれで動作することはありません。排水ポンプのフレームはAC200Vの電圧を帯びたまま稼働し続け、最終的には漏電による異常発熱でポンプの制御基板とモーターが火を噴いて全損。 たまたま作業員が触れなかったため人身災害(感電死)には至りませんでしたが、一歩間違えれば重大な人命事故につながる恐れがあった危険極まりないやらかしでした。


2. なぜ接地抵抗値が高すぎると危険なのか?

電気は「抵抗の低い(流れやすい)ルート」を通って流れる性質があります。アース(接地)は、人間が機器の金属外箱に触れた際に、電気を人間(皮膚の電気抵抗は約1,000Ω〜数万Ω)ではなく、抵抗の低い大地(アース線および接地極)に逃がすためのバイパス水路です。

漏電遮断器(ELCB)は、電路に入っていく電流と戻ってくる電流の「差(漏れ出た電流)」を監視しています。

  • 接地抵抗が規定値(D種:100Ω以下)の場合: 漏電が発生しても、抵抗の低いアース線を通って電流が大地に流れるため、外箱の対地電圧は低く抑えられます。漏電遮断器があれば、その地絡電流を検知して0.1秒以内などの超高速でトリップします。
  • 接地抵抗値が高すぎる(数百〜数千Ω)の場合: 地絡電流の逃げ道がふさがれ、外箱の対地電圧が下がりません。触れた人間そのものが電流の通り道になります。しかも漏電遮断器が入っていない回路では、この程度の地絡電流で過電流遮断器が動作することはなく、「電気は漏れ続けているのにブレーカーが落ちない」という状態が続きます。なお、D種接地を500Ωまで緩和できる規定(電技解釈第17条第4項第一号)が成り立つのは、0.5秒以内に動作する漏電遮断器がある前提だからです——漏電遮断器があるかどうかで話がまったく変わります。この状態の機器に人間が触れると、人間を伝って電気が流れるため、激しい感電を引き起こします。

3. 接地工事の正しい基準とやらかし防止チェックリスト

現場で確実に安全な接地抵抗値を確保し、法規違反や事故を防ぐための鉄則です。

① 接地工事の区分と基準値を頭に叩き込む

低圧回路で用いられる主要な接地工事の基準です。

  • D種接地工事: 使用電圧が300V以下の低圧機器(単相100V/200V、三相200Vなど)。抵抗値は100Ω以下
  • C種接地工事: 使用電圧が300Vを超える低圧機器(三相400V回路など)。抵抗値は10Ω以下(感電時の危険性が極めて高いため厳格です)。

② 抵抗値が出ない場合の「3大対策」

土壌が乾燥している砂地や岩盤地帯では、アース棒を1本打っただけでは100Ω以下になりません。以下の対策を適切に行います。

  1. 連結型アース棒の使用: 1本でダメなら、アース棒をネジや金具で連結し、さらに深く(2m〜3m)打ち込んで水分の多い深い地層に到達させます。
  2. 並列接続(多極接地): アース棒を1m〜2m以上の間隔を空けて複数本打ち込み、それらをアース線で並列に接続します。
  3. 接地抵抗低減剤の塗布: アース棒の周囲の土に水分を保持し導電性を高める低減剤(ベントナイト系・導電性セメント系等)を注入・埋設します。

③ 接地抵抗計(アーステスター)による実測の徹底

施工後は必ず専用の接地抵抗計を使用して抵抗値を実測し、記録します。

接地抵抗計の測定には、補助接地極を適切に配置して測定する「3極法」が基本です。周囲に補助極を打つスペースがないコンクリート敷きなどの現場では、既設の接地線や構造体金属を利用する「2極法(簡易測定)」が用いられます。 デジタル接地抵抗計・アーステスター(Amazon) — 正確な接地抵抗の測定に必要な必須測定器を確認できます。


4. 接地資材・高信頼測定器の一括調達は「電材サーチ」へ

「硬い地盤でも確実に打ち込める信頼性の高い銅被覆鋼製のアース棒をまとめて手配したい」「現場での測定効率を高める日置電機(HIOKI)や共立電気計器(KYORITSU)の最新デジタル接地抵抗計が今すぐ必要」「D種接地がどうしても落ちないため、接地抵抗低減剤を急ぎ現場に配送してほしい」といったご要望は、ぜひ「電材サーチ」にお任せください。

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参考文献・出典

  • 電気設備の技術基準の解釈 第17条(D種接地工事の抵抗値基準・漏電遮断器設置時の緩和条件)

この内容は、第二種電気工事士ではこう問われる

接地抵抗が下がりきらない——という現場の悩みは、試験では「D種は100Ω以下、ただし漏電遮断器0.5秒以内なら500Ω以下」という緩和条件の形で出題されます。数字の出どころを条文から確認できます。

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