在庫確認・見積は今すぐ フォームで依頼する 写真の添付もOK / 24時間受付

OBOベッターマンMKSケーブルトレイの型番はどう読むのか|「MKS 110 FS」は高さを表しているようで、実はそうではない

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

MKS 110 FS。この型番を見て、110という数字がそのままケーブルトレイの高さ110mmを表していると読んだとしても、責められる話ではない。実際、その読み方は正しい。OBOベッターマンの公式データシートで確認しても、この製品の高さはたしかに110mmだった。

厄介なのは、同じ系列の別サイズを並べたときに起きる。幅200mmの品は「MKS 120 FS」、幅300mmの品は「MKS 130 FS」。高さはどちらも110mmのままなのに、型番の見た目からは110という数字が消えてしまう。110は高さを表していたはずなのに、なぜ隣の品番からは姿を消すのか。

OBOベッターマン公式サイト(obo.de)の技術データシートPDFを実際に取得し、MKS 35・60・110の3系列とFS・FT表記を分解しながら、この型番がどういう規則で組み立てられているかを確かめる。

型番の骨格——「高さ系列を表す1桁」と「幅÷10の2桁」を並べただけ

結論から書く。MKSケーブルトレイの正式な型式(Typ)は、「MKS」+高さ系列コード(1桁)+幅コード(2桁、幅mmを10で割った値)+空白+表面処理記号(FS/FT)という組み立てになっている。

高さ系列コードは、公式データシートで確認できた3系列で次のように割り当てられている。

高さ系列コード実際の側面高さ公式の系列説明(データシート記載)
335mmMittelschweres-Kabelrinnen-System in 35 mm Seitenhöhe
660mmMittelschweres-Kabelrinnen-System in 60 mm Seitenhöhe
1110mmMittelschweres-Kabelrinnen-System in 110 mm Seitenhöhe

見てのとおり、この1桁は「高さ(mm)を10で割った値」ではない。35mm系列は3、60mm系列は6——ここまでは10で割った値と偶然一致する。ところが110mm系列のコードは「1」であって「11」ではない。3桁の高さの、先頭の1桁だけを取り出しているとみるほうが、3系列すべてに矛盾なく当てはまる。

幅コードのほうは規則的だ。データシートに載っていた組み合わせを並べる。

型式(Typ)品番高さ幅÷10
MKS 310 FS605354835mm100mm10
MKS 610 FT605553260mm100mm10
MKS 615 FS605514160mm150mm15
MKS 630 FS605530360mm300mm30
MKS 660 FT605571060mm600mm60
MKS 120 FS6060196110mm200mm20
MKS 110 FS6060102110mm100mm10

幅コードは、どの系列でも「幅(mm)÷10」で一貫している。ここは思い込みで読んでも裏切られない。

裏切られるのは、表の最後の行だ。110mm系列で幅100mmの品は、高さ系列コード「1」と幅コード「10」を並べると「110」になる。高さの数値110と、型式コードの数字110が、たまたま完全に一致してしまっている。

実機への当てはめ——マニュファクチャラーデータの4型式を分解する

電材サーチのメーカーデータに載っている4つの型式を、この規則に当てはめる。

  • MKS 35 FS(データ上の注記:幅100mm×高さ35mm)→ 高さ系列コード3+幅コード10=正式型式は「MKS 310 FS」。データシート(品番6053548)で寸法35×100×3000mmを確認した。
  • MKS 60 FS(同:幅150mm×高さ60mm)→ 高さ系列コード6+幅コード15=正式型式は「MKS 615 FS」。製品ページ(品番6055141)で寸法60×150×3000mmを確認した。
  • MKS 60 FT(同:幅600mm×高さ60mm)→ 高さ系列コード6+幅コード60=正式型式は「MKS 660 FT」。品番6055710として実在することを製品ページで確認した。
  • MKS 110 FS(同:幅100mm×高さ110mm)→ 高さ系列コード1+幅コード10=正式型式は「MKS 110 FS」。製品ページ(品番6060102)で寸法110×100×3000mmを確認した。

4つとも、電材サーチのデータに書かれている寸法と公式データシートの寸法は一致した。ただし「MKS 60」「MKS 35」「MKS 110」という表記そのものは、いずれも系列名であって、そのまま発注できる型式ではない。発注に使う型式には、必ず幅コードの2桁が挟み込まれる。

FS・FTの違いも、データシートの「Stammdaten(基本データ)」欄に明記されていた。

記号表面処理(原語)適合規格
FSbandverzinkt(帯状亜鉛めっき)DIN EN 10346
FTtauchfeuerverzinkt(溶融亜鉛めっき)DIN EN ISO 1461

bandverzinktは、鋼板をコイルの状態でめっきしてから成形する方式で、DIN EN 10346は連続式溶融めっき鋼板・鋼帯のための規格である。一方のtauchfeuerverzinktは、部材に成形したあとでめっき槽に浸ける方式で、DIN EN ISO 1461は加工後の鋼製品を対象にした溶融亜鉛めっきの規格になる。切断面や溶接部まで含めてめっき皮膜で覆われるかどうかが、この2つの規格の分かれ目だ。

耐荷重のほうは、FS・FTのどちらでも差が出なかった。品番6055303(MKS 630 FS)と品番6055532(MKS 610 FT)のデータシートを並べると、支持間隔1.5mで1.5kN/m、1.75mで1.25kN/m、2.0mで1kN/m、2.5mで0.5kN/mと、数値がすべて一致している。表面処理の違いは、腐食に対する耐久性の差であって、構造計算上の許容荷重には反映されていなかった。

なお高さ系列が変われば耐荷重は変わる。35mm系列(品番6053548)は支持間隔1.0mで1.2kN/m、2.5mで0.3kN/mと、60mm系列よりひとまわり小さい。110mm系列(品番6060196)は支持間隔1.5mで1.85kN/mと、60mm系列の1.5kN/mを上回る。高さが増すほど断面の曲げ剛性が上がるという、素直な結果だった。

現場で間違えやすい点——「110」という並びに引きずられる

MKS 110 FSという型番を見た人が、「型番の数字=高さ」という規則を頭の中で作ってしまうのは、ごく自然な流れだ。実際その品番については正しい。だが、その規則のまま隣の品番を読むと、足をすくわれる。

MKS 120 FSを「高さ120mm」と読んでしまう誤りが、ここから生まれる。実際には高さ110mm・幅200mmの品で、120という数字のどこにも「高さ」は含まれていない。1(高さ系列)と20(幅コード)を並べた結果として120という3桁になっているだけであり、120という数字のまとまりに意味があるわけではない。

同じことはMKS 130 FS(高さ110mm・幅300mm)にも言える。「130」を見て高さ130mmの製品を探しても、そのような型式は存在しない。

もう一つ、見積書やカタログの表記で「MKS 60」とだけ書かれているのを見たときの注意点がある。これは幅を特定しない系列名であって、実在する製品の型式ではない。図面や仕様書に「MKS 60 FS」とだけ書かれていたら、幅の情報がどこかで欠落している可能性を疑ったほうがいい。

実務上の注意点

型式コードから幅までは正確に読み取れるが、コードだけでは判断できない項目もある。データシートに明記されていた範囲では、耐荷重は高さ系列(35・60・110mm)だけで決まり、幅やFS/FTでは変わらない。つまり見積時に必要なのは、高さ・幅・表面処理・長さ(標準3000mm)の4点をセットで伝えることであり、型式の数字だけを口頭で伝えると、系列名なのか具体的な1品番なのかが相手に伝わらないおそれがある。

また、今回確認した品番のデータシートはいずれも2026年8月に生成された最新版であり、寸法・耐荷重・適合規格はその時点の公式情報に基づく。型式の命名規則自体は長期間変わっていないとみられるが、個別の品番の耐荷重値や規格番号は、発注前に最新のデータシートで再確認することを勧める。

電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、OBOベッターマンMKSシリーズの品番選定から見積までを承っている。系列名までしか分からない場合でも、幅・高さ・設置環境(屋内外)を伝えていただければ、正式な型式への絞り込みから対応する。

見積もり依頼をする →

あわせて読みたい

関連するOBOベッターマン・MKS・ケーブルトレイ・型番・見方・FS・FTの品種・型番をお探しですか?
電材サーチでは、メーカー横断で目的の型番を素早く見つけ、そのまま見積もりを依頼できます。

よくある質問

MKS 110 FSの「110」は高さ110mmを表しているのですか?

結果としては合っていますが、型式コードの成り立ちとしては偶然です。公式データシート(品番6060102)によると、MKS 110 FSの正式な型式(Typ)は「MKS 110 FS」で、高さ110mm・幅100mmの製品です。この型式コードは「高さ系列を表す1桁(110mm系列は『1』)」と「幅を10で割った2桁(幅100mmは『10』)」を並べたもので、1と10を並べると『110』になり、たまたま高さの数値と一致しています。同じ110mm系列でも幅200mmの品は『MKS 120 FS』、幅300mmの品は『MKS 130 FS』となり、どちらも見た目の数字は高さの110とは無関係になります。

MKS 60 FSとMKS 60 FTは何が違うのですか。耐荷重にも差がありますか?

違うのは表面処理だけで、耐荷重は同一です。公式データシートによると、FSは「bandverzinkt(帯状亜鉛めっき、DIN EN 10346準拠)」、FTは「tauchfeuerverzinkt(溶融亜鉛めっき、DIN EN ISO 1461準拠)」という異なる規格の亜鉛めっき鋼板を使っています。一方、耐荷重表(支持間隔1.5m〜2.5mでの許容荷重)は、品番6055303(MKS 630 FS)と品番6055532(MKS 610 FT)とで数値がすべて一致しており、材質・板厚・断面形状が同じであるため、表面処理の違いは強度計算上のスペックには影響していません。

型式コードの数字だけで幅は分かりますか?

分かります。公式データシートで確認できた範囲では、型式コードの下2桁は幅(mm)を10で割った値と一致しています。幅100mmなら『10』、幅150mmなら『15』、幅200mmなら『20』、幅300mmなら『30』、幅600mmなら『60』です。ただし、この2桁だけを見て高さ系列を判断することはできません。同じ『10』でも、MKS 310 FS(高さ35mm)、MKS 610 FT(高さ60mm)、MKS 110 FS(高さ110mm)のように、先頭の桁が異なれば全く別の製品になります。

「MKS 60」という表記だけの製品を発注できますか?

発注はできません。「MKS 60」はメーカーの技術データシートに『Mittelschweres-Kabelrinnen-System in 60 mm Seitenhöhe(側面高さ60mmの中荷重用ケーブルトレイシステム)』と説明されている、60mm系列全体を指す呼び名です。実際の発注に使う型式(Typ)には必ず幅を示す2桁が続き、幅100mmならMKS 610、幅150mmならMKS 615、幅600mmならMKS 660というように、系列内の具体的な1品番まで絞り込む必要があります。松本電業株式会社の見積フォームでご依頼いただく際も、高さ・幅・表面処理(FS/FT)・長さをセットでお伝えいただくと回答が早くなります。

参考文献・出典

型番不明でもOK

この記事の内容で、製品選定から相談できます

「OBOベッターマンMKSケーブルトレイの型番はどう読むのか|「MKS 110 FS」は高さを表しているようで、実はそうではない」に関連する製品を、用途・仕様・写真からお探しします。リンク先には相談内容を入れた状態で用意するため、型番が分からなくてもそのまま進められます。 手書きメモや型番リストの写真・PDFでも依頼できます。

AIと状況を整理してから相談する

普段お使いのChatGPT・Gemini・Perplexity等に貼り付けられる質問文をコピーできます。 自分の状況を伝えて相談すると、最後に電材サーチへの見積依頼文もまとめてもらえます。