スイスの重電メーカーというと最近日本に進出してきたようなイメージがあるかもしれません。ですがABBが日本で事業を始めたのは、実は明治時代までさかのぼります。なぜこれほど早くから日本市場に根を張っていたのでしょうか。 ABBはスイスに本社を置く世界最大級の電気・自動化機器メーカーであり、日本法人であるABB株式会社は産業用電気機器の幅広いラインナップを展開しています。 低圧配線用遮断器、ACドライブ(インバーター)、産業用ロボットなど多岐にわたる製品群を日本市場に提供しています。 製造業・建設業・インフラ分野での実績が豊富で、省エネ・自動化・安全性の向上を支援するソリューションを提供しています。 グローバルな技術力と国内サポート体制を兼ね備え、幅広い産業分野でご利用いただけます。 なお変圧器・送配電機器(パワーグリッド事業)は2020年に日立製作所へ譲渡され、現在は日立エナジー株式会社が引き継いでいます。
ABBの主力製品は低圧配線用遮断器(Tmaxシリーズ・System pro M compactシリーズ)、ACドライブ(ACSシリーズ)、産業用ロボット(IRBシリーズ)です。
ABBの強みと主要製品の特長
ABBという社名は、対等合併した2社の頭文字
現在のABBは1988年1月5日、スウェーデンのASEA社とスイス・バーデンのBBC Brown Boveri社が対等合併して発足した。社名の「ABB」は「Asea Brown Boveri」の略で、本社はスイス・チューリッヒに置かれた。発足時点の売上高は170億米ドル、従業員数は約16万人だった。(出典:ABB公式サイト「ABBの沿革」)
低圧遮断器の技術系譜はBBC社の1943年に遡る
合併前のBBC社は1943年に世界初とされる110kVエアブラスト式高速回路遮断器を製造し、1965年には初のガス絶縁開閉装置(GIS)も手がけていた。現在のTmaxシリーズなど低圧遮断器事業は、この遮断器技術の系譜の延長線上にある。
産業用ロボット事業はASEA社が1978年に開始し、日本には1982年に初導入
合併前のASEA社は1978年に世界初期の産業用ロボットを発売し、日本へは1982年に初めて導入された。その後1998年にピッキング・パッキング向けデルタ型ロボットFlexPickerを、2015年には双腕型協働ロボットYuMi(ABB公式が「世界初の真の協働ロボット」と位置づける)を発売しており、IRBシリーズの協働ロボット群はこの系譜に連なる。
ABB日本ベーレーは、IHIと極東貿易の合弁会社が前身
ABBジャパングループを構成する法人のひとつ、ABB日本ベーレーは、1999年にABBグループへ加わった「日本ベーレー」(IHIと極東貿易の合弁会社)が前身。生え抜きのABB子会社ではなく、M&Aで後からグループ入りした経緯を持つ。(出典:ABB公式サイト「ABBの沿革」)
選定ポイント
- 日本での創業は1907年(明治40年)11月、法人設立は1960年(昭和35年)で、100年以上の実績を持つ。
- グローバル本体も140年以上の歴史を持ち、世界約110,000人の従業員を擁し、スイス証券取引所およびナスダック・ストックホルムに上場している。
- 国内はABB株式会社を中心にABB日本ベーレー・ABB Robotics Japan・B&Rの4社体制(ABBジャパングループ約600名・13拠点)で、事業分野によって窓口となる法人が異なる。
- 遮断器・インバーター・ロボット・PLCなど幅広い製品ポートフォリオを持つ総合電機メーカーであり、特定分野に特化した専業メーカーとは性格が異なる。ただし変圧器・送配電機器(パワーグリッド事業)は2020年に日立製作所へ譲渡済みで、現在は日立エナジー株式会社の扱いとなる点に注意。
- IRBシリーズの協働ロボット(YuMi・GoFa等)は、ABB自身が「世界初の真の協働ロボット」と位置づけるYuMi(2015年発売)を起点とする系譜であり、安全柵なしでの人との協働作業を前提に設計されている点が、汎用産業用ロボット(IRB 1200・2600・6700等)とは選定の考え方が異なる。
- IRBシリーズには汎用垂直多関節ロボットに加え、1998年発売のFlexPicker(デルタ型ロボット)を起点とするピッキング・パッキング特化型の系譜もある。可搬重量や動作範囲だけでなく、高速ピッキング用途かどうかで機種選定の観点が変わる点に留意したい。
- ABBと日立製作所の関係は2019年のPower Grids事業売却だけではない。2015年には送電分野で日立ABB HVDCテクノロジーズという合弁会社も設立しており、電力インフラ領域では日立グループとの協業の歴史がある。ただし低圧遮断器(Tmax等)・ACドライブ(ACSシリーズ)・産業用ロボット(IRBシリーズ)はこの提携・売却の対象外で、現在もABB株式会社が直接取り扱う。
取扱品種一覧
| 品種名 | 代表型番 | 用途 | カテゴリ | 詳細 |
|---|---|---|---|---|
| Tmax MCCB | T1B160・T2N160 他 | 工場・ビル・商業施設の分電盤・制御盤における過電流保護、幹線保護、モーター保護など | 遮断器 | 詳細を見る → |
| System pro M compact MCB | S200シリーズ・S800シリーズ 他 | 住宅分電盤、小型制御盤、商業施設の小型配電設備における過電流・短絡保護 | 遮断器 | 詳細を見る → |
| ACS580 | ACS580-01・ACS580-04 他 | ポンプ・ファン・コンプレッサー・コンベヤ・ミキサーなど汎用産業機械の速度制御・省エネ運転 | インバーター | 詳細を見る → |
| IRB ロボット | IRB 1200・IRB 2600 他 | 自動車・電機・食品・医薬品製造ラインにおける溶接・搬送・組立・塗装・ピッキング自動化 | ロボット | 詳細を見る → |
会社概要
| メーカー名 | ABB株式会社(ABB Japan) |
|---|---|
| 略称 | ABB |
| 主力品種カテゴリ | 遮断器、インバーター、ロボット |
参考資料・出典
- ABB公式サイト ABBについて
- ABB公式サイト ABB in Japan
- ABB News center 日立へのHitachi Energy残余株式売却について
- ABB Tmax T1 MCCB データシート
- ABB System pro M compact S200/S800 製品情報
- ABB公式サイト ABBの沿革
- ABB ACS580 general purpose drives catalog(3AUA0000145061、ACS580-01/-04 の出力範囲・保護等級・オプションコード)
- ABB ACS580-01 hardware manual, frames R1 to R9(3AXD50000044794、定格表・フレームサイズ)
- ABB ACS580-01 quick installation and start-up guide, frames R0 to R3(025A-4 のフレームR2・11kW)
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よくある質問
ABBはなぜ日本でこれほど長い実績を持っているのですか?
ABBの日本での創業は1907年(明治40年)11月、法人設立は1960年(昭和35年)で、100年以上の実績があります。グローバル本体も140年以上の歴史を持ち、世界約110,000人の従業員を擁し、スイス証券取引所およびナスダック・ストックホルムに上場しています。国内はABB株式会社を中心にABB日本ベーレー・ABB Robotics Japan・B&Rの4社体制(ABBジャパングループ約600名・13拠点)で事業を展開しており、遮断器・インバーター・ロボット・PLCなど幅広い製品ポートフォリオを持つ総合電機メーカーです。なお変圧器・送配電機器(パワーグリッド事業)は2020年に日立製作所へ譲渡され、現在は日立エナジー株式会社が引き継いでいます。
見積フォームへ進む →ABBという社名の由来は何ですか?
ABBは「Asea Brown Boveri」の略称です。1988年1月5日、スウェーデンのASEA社とスイス・バーデンのBBC Brown Boveri社が対等合併して発足した際の社名に由来し、本社はスイス・チューリッヒに置かれました。発足時点の売上高は170億米ドル、従業員数は約16万人でした。(出典:ABB公式サイト「ABBの沿革」)
見積フォームへ進む →ABBの低圧遮断器やACドライブ、産業用ロボット事業は、日立製作所への売却対象に含まれていますか?
含まれていません。日立製作所へ譲渡されたのは変圧器・送配電機器を扱うPower Grids事業(2019年)のみで、低圧遮断器(Tmax等)・ACドライブ(ACSシリーズ)・産業用ロボット(IRBシリーズ)は現在もABB株式会社が直接取り扱っています。
見積フォームへ進む →Tmaxシリーズの技術的なルーツはどこにありますか?
ABBが発足した1988年より前、スイスのBBC(Brown Boveri)社が1943年に世界初とされる110kVエアブラスト式高速回路遮断器を製造し、1965年には初のガス絶縁開閉装置(GIS)も手がけていました。低圧遮断器事業は、この遮断器技術の系譜の延長線上にあります。(出典:ABB公式サイト「ABBの沿革」)
見積フォームへ進む →System pro M compactシリーズの単相2線式対応品はありますか?
はい。単相・三相両対応のラインナップがあり、1極のS201-C16(230VAC)や3極のS203-C16(400VAC)などの品番があります。
見積フォームへ進む →IRBシリーズのルーツはいつからありますか?
ABBが発足した1988年より前、スウェーデンのASEA社が1978年に世界初期の産業用ロボットを発売し、日本へは1982年に初めて導入されました。IRBシリーズの協働ロボット(YuMi等)は、2015年発売のYuMi(ABB公式が「世界初の真の協働ロボット」と位置づける)を起点とする系譜です。(出典:ABB公式サイト「ABBの沿革」)
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