この科目で身につけること
第一種電気工事士の技能試験は、第二種の技能試験と同じ「欠陥ゼロで合格」というルールの上に立っている。判断基準は第一種・第二種共通の1つの文書で規定され、部分点も減点の積み上げもない。ここまでは第二種の経験がそのまま生きる。
だが、第一種にしかない土台が3つある。試験時間が60分(第二種は40分)になること。候補問題の図に、電線の種類も寸法も特記もまったく書かれていないこと。そして変圧器・高圧受電設備を模した課題が10問全部に入ることだ。
第二種の候補問題は「記載のない電線の種類は,VVF1.6とする」というデフォルト規定があり、図を見れば使う電線の見当がつく。第一種の公表資料にはこの規定自体が存在しない。電線種・寸法・接続方法・色別は、すべて当日の試験問題(配線図+施工条件)で初めて確定する。第二種の経験がある人ほど、この構造の違いに最初戸惑う。
この科目では、候補問題10問の練習に入る前に、①試験の形(時間・材料・工具・判定)と第二種との違い、②図面の読み方(何が書いてあって、何が書いていないか)、③変圧器の端子台結線、④KIPの処理、⑤第一種固有の欠陥、⑥制御回路の結線、の6本を扱う。ここを飛ばして10問の練習に入ると、「この問題はこの色」という丸暗記のまま本番を迎えることになる。
なお、判断基準の数値[mm]の許容についても、試験センターは重要な但し書きを添えている。「試験環境や代用品の使用からくる制約等を勘案して設定したもの」であり、「実際の工事では限りなく0mmに近い施工が求められている」。この前提は第一種でも変わらない。