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電気工学等 ・ 1 / 8

電気の基礎理論 — オームの法則と交流のしくみを、現場で判断に使えるレベルで押さえる

読み終えると、こうなる

現場の機器銘板や仕様書に書かれた電圧・電流・周波数・力率の数字が何を意味するかを、電気工事士の説明を鵜呑みにせず自分の言葉で確認できるようになる

  • 電圧・電流・抵抗のうち2つの値から、オームの法則で残り1つを計算できる
  • 交流回路のテスタ表示や銘板の電圧・電流が『実効値』であり、瞬間の最大値(波高値)とは異なることを説明できる
  • コイルやコンデンサを含む交流回路で電圧と電流の位相がずれる現象と、それを含めた『交流の抵抗』であるインピーダンスの考え方を説明できる
  • 電圧・電流・力率の3つの値から、負荷が実際に消費する有効電力を計算できる
考えてみよう

現場に搬入された機器の銘板を見ると、「AC200V 50/60Hz」と書かれている。テスタで実際に測ってみると、201Vだったり199Vだったりして、常にぴったり200Vというわけではない。この「200V」とは、そもそも何の値を指しているのか。

そして、周波数の欄になぜ「50Hz」と「60Hz」の2つが並んで書いてあるのか。同じ製品なのに、日本のどこで使うかによって挙動が変わるということなのか。

このトピックを読み終えるころには、現場の銘板や仕様書に書かれた電圧・電流・周波数・力率の数字が何を意味するかを、電気工事士の説明を鵜呑みにせず自分の言葉で確認できるようになっている。

種明かしの前に、まず押さえておきたいのは、電気工事士が「工事する」資格であるのに対し、施工管理技士は「現場を管理する」資格だという点だ。配線の細かい計算そのものは電気工事士や設計者の仕事でも、「この配線・このブレーカーで本当に足りているのか」を現場でその場で見当づけられるかどうかは、施工管理者としての判断力に直結する。そのための最低限の土台が、オームの法則と交流回路の基礎理論になる。

オームの法則 — 電圧・電流・抵抗の関係

電気回路のもっとも基本の式が、オームの法則だ。

V=IRV = IR

VVは電圧〔V〕、IIは電流〔A〕、RRは抵抗〔Ω〕を表す。電圧・電流・抵抗のうち2つが分かれば、残り1つはこの式を変形するだけで求まる。

I=VR,R=VII = \frac{V}{R}, \qquad R = \frac{V}{I}

例題

抵抗20Ωに電圧100Vを加えたとき、流れる電流はいくらか。

I=VR=10020=5AI = \frac{V}{R} = \frac{100}{20} = 5\text{A}
V=IRの形だけを覚えていると、IやRを求める場面でどちらを掛けてどちらを割るか迷いやすい。迷ったら単位で検算するとよい。電圧V(ボルト)は電流A(アンペア)×抵抗Ω(オーム)の積になる関係(V=A×Ω)を思い出せば、I=V/R、R=V/Iという形は自然に出てくる。

静電気とクーロンの法則

電気の基礎理論には、電流が流れる回路の話とは別に、動かない電荷どうしが及ぼし合う力(静電気力)の話がある。同種の電荷(プラスどうし、マイナスどうし)は反発し合い、異種の電荷(プラスとマイナス)は引き合う。この力の大きさを表すのがクーロンの法則だ。

F=Q1Q24πε0r2 [N]F = \frac{Q_1 Q_2}{4\pi\varepsilon_0 r^2}\ [\text{N}]

Q1Q_1Q2Q_2は2つの点電荷〔C〕、rrは電荷間の距離〔m〕、ε0\varepsilon_0は真空の誘電率を表す。力の大きさは電荷の積に比例し、距離の2乗に反比例する。距離を2倍にすると力は1/4に、3倍にすると1/9になる。

例題

真空中に点電荷Q1=+10μQ_1=+10\muC、Q2=+20μQ_2=+20\muCが0.3mの距離にあるとき、両者の間に働く静電力Fを求める。4πε0=1/(9×109)4\pi\varepsilon_0=1/(9\times10^9)〔F/m〕とする。

F=9×109×(10×106)×(20×106)0.32=9×109×2×10100.09=20 NF = 9\times10^9 \times \frac{(10\times10^{-6})\times(20\times10^{-6})}{0.3^2} = 9\times10^9\times\frac{2\times10^{-10}}{0.09} = 20\ \text{N}
クーロンの法則は「距離の2乗に反比例」という点でつまずきやすい。距離rを2乗し忘れると、それらしい数値が出てしまい計算ミスに気づきにくい。単位を書きながら、r²に必ず2乗を付けて計算する癖をつけておく。

コンデンサの合成静電容量 — 抵抗とは逆の関係

2枚の電極板の間に絶縁体(誘電体)を挟んだ部品がコンデンサで、電圧を加えると電極板に電荷を蓄える。電線の抵抗と同じように、複数のコンデンサを接続したときの合成静電容量にも公式があるが、この公式は抵抗の合成公式とちょうど逆の形になる。

並列接続:C=C1+C2+直列接続:1C=1C1+1C2+\text{並列接続:} C = C_1 + C_2 + \cdots \qquad \text{直列接続:} \frac{1}{C} = \frac{1}{C_1} + \frac{1}{C_2} + \cdots

抵抗は並列接続で合成値が小さくなり直列接続で大きくなるが、コンデンサは並列接続で合成値が大きくなり直列接続で小さくなる。並列接続は電極板の面積が実質的に増えると考えれば、容量が大きくなる方向は感覚的にも理解しやすい。

例題

静電容量が等しい2個のコンデンサC(=4μF)を並列接続したときの合成静電容量と、直列接続したときの合成静電容量を比べる。

並列: C+C=8 μF,直列: C×CC+C=C2=2 μF\text{並列:}\ C+C = 8\ \mu\text{F}, \qquad \text{直列:}\ \frac{C\times C}{C+C} = \frac{C}{2} = 2\ \mu\text{F}

並列合成は直列合成の8/2=4倍になる。

「コンデンサは抵抗と逆」と一言で覚えておく。並列は容量が大きくなる方向(単純な和)、直列は容量が小さくなる方向(逆数の和の逆数)になる。直列接続では、各コンデンサに蓄えられる電気量(電荷)が等しくなる点も、抵抗の直列接続(各素子を流れる電流が等しい)との対比で押さえておくとよい。

電磁力とフレミングの左手の法則

磁界の中に置かれた導体に電流を流すと、導体には磁界の向きと電流の向きの両方に直交する方向の力(電磁力)が働く。この力の大きさはF=BIL〔N〕(Bは磁束密度、Iは電流、Lは磁界中にある導体の長さ)で求まり、モーター(電動機)が回転する仕組みの土台になっている現象だ。

この力の向きを求めるために使うのがフレミングの左手の法則だ。左手の親指・人差し指・中指を、それぞれ直交するように立てる。

  • 中指:電流の向き
  • 人差し指:磁界の向き
  • 親指:力の向き
フレミングの法則には、モーターの力の向きを求める「左手の法則」と、発電機の起電力の向きを求める「右手の法則」の2種類があり、指の意味も入れ替わる(右手は親指=運動、人差し指=磁界、中指=起電力)。「左手=モーター(電気を力に変える)」「右手=発電機(力を電気に変える)」と、モーター・発電機の役割とセットで左右を覚えておくと取り違えにくい。

抵抗の温度による変化

金属の電気抵抗は、温度が上がると大きくなる。銅やアルミといった導体でできた電線・巻線の抵抗値は、周囲温度や通電による発熱で変化するため、ある基準温度での抵抗値が分かれば、別の温度での抵抗値を計算で求められる。

R2=R1[1+α(T2T1)]R_2 = R_1\left[1+\alpha(T_2-T_1)\right]

R1R_1は温度T1T_1での抵抗値、R2R_2は温度T2T_2での抵抗値、α\alphaは抵抗温度係数を表す。

例題

ある金属体の温度が20℃のとき抵抗値は10Ωだった。抵抗温度係数を0.004℃⁻¹とすると、抵抗値が12Ωになるときの温度を求める。

12=10[1+0.004(T220)]  T2=70 C12 = 10\left[1+0.004(T_2-20)\right] \ \Rightarrow\ T_2 = 70\ ^\circ\text{C}
「金属は温度が上がると抵抗が増える」という向きを先に押さえておく。計算結果が基準温度の抵抗値より小さくなったのに設問が温度上昇を扱っていたら、式の中のT2とT1を取り違えていないか見直す。現場でも、通電中のケーブル・巻線の抵抗が常温時より高めに出るのは、この温度依存性が理由になっている。

交流回路の基礎 — 正弦波・周波数・実効値

直流回路では、電圧・電流は時間が経っても向きも大きさも変わらない。ところが、コンセントや動力盤から得られる電気は交流で、電圧・電流の大きさと向きが周期的に変化する波(正弦波)になっている。

1秒間にこの波を何回繰り返すかを表す数値が周波数〔Hz〕だ。国内では、静岡県の富士川・新潟県の糸魚川付近をおおむねの境に、東日本が50Hz、西日本が60Hzに分かれている(明治期に関東はドイツ製50Hz機、関西はアメリカ製60Hz機を導入したことに由来する)。この境界線付近には両方の周波数が混在する地域もあり、都道府県単位できれいに分かれているわけではない。銘板に「50/60Hz」と両方書かれている機器は、日本国内のどちらの地域に持ち込んでも使えるように設計されているということになる。

交流電圧・電流は刻一刻と大きさが変わるため、「交流の100V」と言うとき、それがどの瞬間の値を指しているのかが問題になる。ここで使われるのが実効値という考え方だ。実効値とは、同じ抵抗に同じ時間流したときに、直流に置き換えても同じ発熱量(仕事量)になるように定義した値のこと。テスタの表示や機器銘板の電圧・電流は、断りがない限りこの実効値を指している。

正弦波の場合、瞬間的な最大値(波高値)は実効値の2\sqrt{2}倍になる。

Vm=2VrmsV_m = \sqrt{2}\,V_{rms}

冒頭のテスタの測定値が199V〜201Vとふらついていたのは、実際の電源電圧に多少の変動があるためで、これは実効値どうしの比較で見ている。仮に瞬間の波形をオシロスコープで見れば、実効値200Vの波は約283V(200×2200\times\sqrt2)まで振れていることになる。

「交流の100V」は実効値であり、瞬間の最大値(波高値)は実効値の√2倍(約1.41倍)になる。実効値100V→波高値約141V、実効値200V→波高値約283V、という関係は覚えておくと、波形や絶縁の話が出たときに役立つ。

インピーダンス — 交流での「抵抗」に相当する量

直流回路では、抵抗Rさえ分かればV=IRで電圧・電流の関係が決まった。ところが交流回路にコイル(インダクタンス)やコンデンサ(キャパシタンス)が混ざると、電圧と電流のタイミング(位相)がずれる現象が起きる。抵抗だけの回路では電圧と電流は同じタイミングで変化する(同位相)が、コイルを含む回路では電流が電圧より90°遅れ、コンデンサを含む回路では逆に電流が電圧より90°進む。

この位相のずれを含めて、交流回路における「電圧と電流の比」を表した量がインピーダンス〔Ω〕だ。抵抗Rによる成分と、コイル・コンデンサによる成分(リアクタンスX)を合わせたもので、直列回路では次の関係になる。

Z=R2+X2Z = \sqrt{R^2+X^2}

2級電気工事施工管理技士の第一次検定で求められるのは、主に「なぜ交流回路では位相がずれるのか」「インピーダンスが抵抗とは違う、位相を含めた量であること」を理解しておくレベルで、ベクトル図を使った複雑な計算まで踏み込む必要は薄い。より詳しい計算(RLC直列回路のベクトル図や、力率改善用コンデンサの容量計算など)は、電験三種(第三種電気主任技術者)の範囲になる。

「抵抗」と「インピーダンス」は混同しやすいが別物。抵抗Rは直流でも交流でも変わらない値だが、インピーダンスZは周波数やコイル・コンデンサの有無によって値が変わる、交流特有の量だと区別しておく。

例題 — RL直列回路で各素子の電圧を求める

抵抗RとコイルXLの直列回路で、電源電圧E(実効値)=200V、R=16Ω、XL=12Ωのとき、抵抗Rの両端の電圧VRを求める。手順は「①インピーダンスZを求める→②回路全体の電流Iを求める→③各素子の電圧を求める」の3段階になる。

Z=R2+XL2=162+122=400=20 ΩZ = \sqrt{R^2+X_L^2} = \sqrt{16^2+12^2} = \sqrt{400} = 20\ \Omega I=EZ=20020=10 AI = \frac{E}{Z} = \frac{200}{20} = 10\ \text{A} VR=I×R=10×16=160 VV_R = I\times R = 10\times16 = 160\ \text{V}
RL直列回路の電圧を求めるとき、いきなり「E×R/(R+XL)」のような直流の分圧の感覚で計算してしまうと誤る。交流のR・XLは単純な比で分圧できるわけではなく、必ずZ=√(R²+XL²)を経由してから電流→各素子の電圧、という順番で計算する。

交流の電力と力率

電圧・電流が分かれば直流の電力はP=VIで求まるが、交流ではここに力率という要素が加わる。

  • 有効電力 PP〔W〕:モーターを回す、ヒーターを発熱させるといった、実際に仕事に使われる電力
  • 皮相電力 SS〔VA〕:電源設備が実際に供給しなければならない電力の見かけ上の大きさ(S=VIS=VI)
  • 力率 cosφ\cos\varphi:皮相電力のうち、どれだけが有効電力として実際に仕事に使われているかを表す比率
P=VIcosφ [W],S=VI [VA],cosφ=PSP = VI\cos\varphi \ \text{[W]}, \qquad S = VI \ \text{[VA]}, \qquad \cos\varphi = \frac{P}{S}

力率は必ず0以上1以下の値になる。モーターなど誘導性の負荷が多い現場では、力率が0.6〜0.8程度まで下がることがあり、この場合、同じ有効電力(仕事量)を得るために、電源からより多くの電流を引き込まなければならなくなる。電流が増えれば配線の発熱や電圧降下も大きくなるため、電線の太さやブレーカー容量を検討するときに、力率は無視できない要素になる。

例題

電圧200V、電流10A、力率0.8の単相負荷が実際に消費する有効電力はいくらか。

P=VIcosφ=200×10×0.8=1600WP = VI\cos\varphi = 200\times10\times0.8 = 1600\text{W}
「力率が低い」は「電気を無駄に多く消費している」という意味ではない。負荷(モーターなど)が行う仕事の量(有効電力P)自体は変わらず、その仕事を得るために電源から引き込む電流の使われ方が非効率になっている、という状態を指す。力率改善用コンデンサの仕組みや計算まで踏み込んで知りたい人は、後述の関連トピックを参照してほしい。

力率改善の効果 — 短絡電流は減らせない

力率が低いままだと、同じ有効電力を得るのにより多くの電流が電源から流れ込むため、送配電設備側にはいくつかの悪影響が生じる。進相コンデンサの設置などで力率を改善すると、次のような効果が得られる。

  • 配電設備容量に余裕ができる:同じ変圧器・電線でも、無駄な電流(無効電力分)が減る分、実際に供給できる有効電力の余裕が生まれる
  • 系統の電圧変動を抑制できる:電流が減ることで、電線・変圧器のインピーダンスによる電圧降下が小さくなる
  • 送電損失を軽減できる:送電損失は電流の2乗に比例するため、電流が減ると損失は大きく減る
  • 電気料金の基本料金が割引される:多くの電力会社では、力率が一定水準を超えると基本料金が割引される制度がある

一方で、短絡電流を軽減する効果はない。短絡電流の大きさは、電源側の変圧器・電線のインピーダンスや事故が起きた地点までの回路条件によって決まるものであり、力率改善(進相コンデンサの設置)がこの値に影響することはない。短絡電流を軽減したい場合は、限流リアクトルの挿入など別の対策が必要になる。

力率改善は「電源から引き込む電流を減らす対策」という理解から、平常時の負荷電流だけでなく短絡事故時の短絡電流まで軽減できると誤って一般化しやすい。力率改善の効果は「配電設備容量に余裕ができる・電圧変動を抑制できる・送電損失を軽減できる・基本料金が割引される」の4点で押さえ、短絡電流の軽減はこれに含まれないと区別しておく。

電線の抵抗 — 長さ・太さでどう変わるか

現場で電線のサイズを見比べるとき、「太い電線ほど抵抗が小さい」という感覚はあっても、それが具体的にどれくらいの差になるかまで意識することは少ない。電線の抵抗は、抵抗率ρ\rho・長さLL・断面積AAから次の式で求まる。

R=ρLA [Ω]R = \rho\frac{L}{A}\ [\Omega]

同じ材質の電線であれば、抵抗は長さに比例し、断面積に反比例する。ここで注意したいのは、断面積AAが電線の直径ddの2乗に比例する(A=π(d/2)2A=\pi(d/2)^2)という点だ。つまり、直径を2倍にすると断面積は4倍になり、抵抗は1/4に下がる。「太さ2倍→抵抗半分」ではなく、「太さ2倍→抵抗1/4」になる。

例題

直径1.0mm・長さ20mの電線Aと、直径2.0mm・長さ40mの電線Bを比べる(抵抗率・温度は同一)。

長さの比は40/20=2倍、断面積の比は直径が2倍なので2²=4倍。R=ρL/Aに代入すると、電線Bの抵抗は電線Aの24=12\dfrac{2}{4}=\dfrac{1}{2}倍になる。

電線の太さ比べで一番間違えやすいのは、断面積を「直径そのものの比」で計算してしまうこと。直径が2倍なら断面積は2倍ではなく2²=4倍。電線サイズを1段階太くしただけで、抵抗はイメージより大きく下がる、という感覚を持っておくと、電圧降下計算の桁を見誤りにくい。

電磁誘導 — 磁束の変化がつくる起電力

コイルの近くで磁石を動かしたり、コイルを貫く磁束が変化したりすると、コイルの両端に電圧(起電力)が生じる。これを電磁誘導といい、変圧器・発電機・モーターなど、現場で扱うほぼすべての電気機器の動作原理の土台になっている現象だ。

この誘導起電力の大きさは、ファラデーの法則で求まる。

e=NΔΦΔt [V]e = N\frac{\Delta\Phi}{\Delta t}\ [\text{V}]

NNはコイルの巻数、ΔΦ\Delta\Phiは磁束の変化量〔Wb〕、Δt\Delta tはその変化にかかった時間〔s〕を表す。巻数が多いほど、また磁束が短い時間で大きく変化するほど、発生する起電力は大きくなる。

例題

巻数200回のコイルを貫く磁束が、0.1秒間に0.03Wbの割合で増加するときの誘導起電力を求める。

e=200×0.030.1=200×0.3=60 Ve = 200\times\frac{0.03}{0.1} = 200\times0.3 = 60\ \text{V}
誘導起電力の式でつまずきやすいのは、巻数Nを掛け忘れることと、ΔΦ(磁束の変化量)とΔt(かかった時間)を取り違えることの2点。「巻数が多いコイルほど、同じ磁束変化でも起電力が大きくなる」という比例関係を先にイメージしてから式に当てはめると、Nの掛け忘れに気づきやすい。

磁石と磁力線 — 目に見えない磁界を線で表す

電磁誘導や誘導電動機、変圧器といった機器の動作原理をたどっていくと、必ず「磁界」の話に行き着く。磁界そのものは目に見えないが、その向きと強さを視覚的に表すために使われるのが磁力線という仮想の線だ。

磁力線には、次のような基本的な性質がある。

  • 磁力線はN極から出てS極に入る(向きを持つ)
  • 磁力線は途中で折れ曲がったり、分岐したり、他の磁力線と交わったりすることはない
  • 磁力線が密な場所ほど磁界が強く、疎な場所ほど磁界は弱い(磁力線の密度=磁界の強さ)
  • 磁力線上の任意の点における接線の方向が、その点における磁界の向きを表す

磁石そのものの力については、同種の磁極(N極どうし、S極どうし)は反発し合い、異種の磁極(N極とS極)は引き合うという、静電気のクーロンの法則と対になる基本性質がある。

磁力線の性質を問う設問では、「分岐したり交わったりすることがある」という記述が不適当な選択肢として登場しやすい。磁力線は1本の連続した線としてN極からS極まで途切れずにつながり、他の磁力線と交わることはない、という点を先に押さえておく。

電気量と電流 — Q=Itが表す「電流の正体」

ここまで扱ってきたオームの法則V=IRは、電圧・電流・抵抗の関係を表す式だが、そもそも「電流」自体が何を表す量なのかを押さえておくと理解が一段深くなる。電流とは、導体の断面を単位時間あたりに通過する電気量(電荷)の大きさのことだ。

Q=ItI=QtQ = It \quad \Rightarrow \quad I = \frac{Q}{t}

QQは電気量〔C〕、IIは電流〔A〕、ttは時間〔s〕を表す。電流の単位A(アンペア)は「1秒間に1C(クーロン)の電気量が流れる状態」と定義されており、電気量を時間で割ることで電流が求まる。

例題

電線の断面を5秒間に10C(クーロン)の電荷が一定の割合で通過したときの電流を求める。

I=Qt=105=2 AI = \frac{Q}{t} = \frac{10}{5} = 2\ \text{A}
Q=Itを掛け算だけで覚えてしまうと、電流を求める場面でも誤ってQ×tを計算してしまいやすい。単位で考えれば、A(アンペア)=C(クーロン)/s(秒)という関係になっており、電流を求めるときは電気量を時間で割る、と検算できる。

計器の測定範囲の拡大 — 倍率器で電圧計のレンジを広げる

現場でテスタや電圧計を使うとき、測定したい電圧が計器本来の最大目盛を超えている場合がある。このとき、計器そのものを買い替えなくても、倍率器と呼ばれる抵抗器を電圧計と直列に接続することで、測定範囲を拡大できる。

内部抵抗RvR_vの電圧計で、測定範囲をnn倍に拡大したいとき、倍率器の抵抗値RmR_mは次の式で求まる。

Rm=Rv×(n1)R_m = R_v \times (n-1)

なぜnn倍ではなく(n1)(n-1)倍なのかというと、電圧計自身がすでに元の測定範囲(1倍分)の電圧降下を受け持っており、倍率器はその残り((n-1)倍分)の電圧降下だけを追加で受け持てばよいためだ。電流計の測定範囲を拡大する場合は、電圧計とは逆に、電流計と並列に分流器と呼ばれる抵抗器を接続する。倍率器は直列、分流器は並列——接続の向きが逆になる点に注意が必要だ。

例題

内部抵抗5kΩ、最大目盛10Vの永久磁石可動コイル形電圧計を使い、最大電圧50Vまで測定するための倍率器の抵抗値を求める。

n=5010=5,Rm=5×(51)=20 kΩn = \frac{50}{10} = 5, \qquad R_m = 5\times(5-1) = 20\ \text{k}\Omega
倍率器の抵抗値を求める設問でよくある誤りは、(n-1)の「-1」を忘れてRv×nと計算してしまうこと。電圧計自身がすでに1倍分の電圧降下を受け持っている、という点を思い出せば、倍率器が追加で受け持つのは残りの(n-1)倍分だけだと確認できる。

分流器 — 電流計のレンジを広げるもう1つの方法

倍率器が電圧計のレンジを広げる部品だったのに対し、電流計の測定範囲を広げるときに使うのが分流器だ。電流計に測定範囲を超える電流を直接流すとコイルが焼損する恐れがあるため、電流計と並列に抵抗器(分流器)を接続し、測定したい電流の大部分を分流器側に迂回させ、電流計本体には定格内の一部だけを流す。

内部抵抗RaR_aの電流計で、測定範囲をnn倍に拡大したいとき、分流器の抵抗値RsR_sは次の式で求まる。

Rs=Ran1R_s = \frac{R_a}{n-1}

倍率器(Rv×(n-1)、掛け算)とは逆に、分流器は割り算になる。これは、電圧計が直列接続で電圧を分担するのに対し、電流計は並列接続で電流を分担する、という接続のしかたの違いから来ている。

例題

内部抵抗0.04Ω・定格電流10Aの電流計を使って、最大50Aまで測定できるようにする分流器の抵抗値を求める。

n=5010=5,Rs=0.0451=0.044=0.01 Ωn = \frac{50}{10} = 5, \qquad R_s = \frac{0.04}{5-1} = \frac{0.04}{4} = 0.01\ \Omega
「倍率器は直列だから掛け算(×(n-1))、分流器は並列だから割り算(÷(n-1))」と、接続のしかたと計算の形をセットで覚えておく。電圧計の測定範囲拡大の問題か、電流計の測定範囲拡大の問題かを見誤ると、掛け算と割り算を逆にしてしまいやすい。

アナログ計器とデジタル計器 — 何が違うのか

現場で使うテスタやクランプメータには、指針が振れて目盛を読み取るアナログ計器と、数値がそのまま表示されるデジタル計器の2種類がある。デジタル計器がアナログ計器より優れているとされる点は、主に次の4つに整理できる。

  • 入力インピーダンス(内部抵抗)が高い:測定回路に流れ込む電流が少なく、測定対象への影響(誤差)を抑えられる。逆に、アナログ計器は内部抵抗が比較的低いため、この点で誤差が出やすい
  • 個人差による読み取り誤差がない:指針の位置を目分量で読むアナログ計器と違い、数値がそのまま表示されるため、読み取る人によって値がぶれない
  • 内部でA-D変換を行っている:計器内部で、測定したアナログ量(連続的に変化する量)をデジタル量(離散的な数値)に変換する回路(A-D変換部)を持つ
  • コンピュータに接続してデータ処理ができる:測定値がデジタル信号のため、他の電子機器やコンピュータへそのままデータを取り込み、記録・処理できる
「デジタル計器の特徴として不適当なものはどれか」という設問では、『電圧の測定で内部抵抗が低い』のような、実際にはアナログ計器側の弱点が紛れ込むパターンに注意する。デジタル計器は入力インピーダンスを高くできる設計になっており、内部抵抗が低いことはデジタル計器の特徴ではない。

ブリッジ回路 — 平衡すると検流計に電流が流れなくなる

4つの抵抗をひし形(ブリッジ状)に並べ、対角線の位置に検流計(電流の有無を検出する計器)を接続した回路をブリッジ回路(ホイートストンブリッジ)という。未知の抵抗値を精密に測定する方法の1つとして使われる。

4辺の抵抗値をうまく調整すると、対角線上の検流計にまったく電流が流れなくなる状態が生じる。この状態を「ブリッジが平衡している」といい、このとき対辺(検流計を挟んで向かい合う2辺)どうしの抵抗の積が等しくなるという関係(平衡条件)が成り立つ。

P×X=Q×RP \times X = Q \times R

PPQQRRは既知の抵抗、XXは未知の抵抗を表す(PとX、QとRがそれぞれ対辺の関係にあるとする)。この式を使えば、既知の3辺の抵抗値から、残り1辺の未知抵抗を計算で求められる。

例題

抵抗P=5Ω、Q=10Ω、R=8Ωをブリッジ状に接続し(PとX、QとRが対辺)、検流計に電流が流れない(平衡した)ときの未知抵抗Xを求める。

5×X=10×8=80,X=805=16 Ω5\times X = 10\times8 = 80, \qquad X = \frac{80}{5} = 16\ \Omega
ブリッジ回路でつまずきやすいのは、どの2辺とどの2辺が「対辺」の関係にあるかを取り違えることだ。検流計を挟む対角線を軸に4辺を2組に分け、「一方の対辺の積=もう一方の対辺の積」という形を先に確認してから数値を当てはめる。ここで見落としやすいのは、この平衡条件の式には電源の起電力が登場しない点で、電源電圧の大きさに関係なく、抵抗の比だけで未知抵抗を決められるのがブリッジ回路の実用上の利点になっている。

磁性体の分類 — 磁石に強く引き寄せられる物質、弱い物質、逆に反発する物質

金属はすべて磁石に引き寄せられるように思われがちだが、実際には物質ごとに磁界への反応のしかたが大きく異なり、3種類に分類される。

  • 強磁性体:外部磁界に強く磁化され、磁界を取り除いても磁気が残る物質。鉄・コバルト・ニッケルが代表例で、日常的な磁石にはっきり引き寄せられる。
  • 常磁性体:外部磁界の方向に弱く磁化される物質。アルミニウムなどが該当し、磁化の力は非常に弱く、磁界を除けば磁気は残らない。
  • 反磁性体:外部磁界と逆方向にごくわずかに磁化される物質。銀・銅などが該当し、磁石にはほとんど反応しない。
「磁界に反応する=磁石にくっつく」というイメージでひとくくりにすると、常磁性体(アルミニウムなど)も強磁性体と同じように引き寄せられると誤解しやすい。強磁性体(鉄・コバルト・ニッケル)は磁石にはっきり引き寄せられ磁気も残る、常磁性体は磁界の方向にごく弱く磁化されるだけ、反磁性体(銀・銅)は逆に磁界と反対方向にわずかに磁化される、と磁化の強さと向きの2軸で区別しておく。

電力量計の計器定数 — 円板の回転数から消費電力量を読む

家庭や工場の電力量を計る誘導形電力量計(積算電力計)は、内部の円板が回転する速さで電力量を計測している。この円板の「回転しやすさ」を表す値が計器定数KK〔rev/kWh〕で、「1kWhの電力量を計測する間に円板が何回転するか」を表す。

負荷を時間tt〔h〕流したときの消費電力量WW〔kWh〕が分かれば、その間の円板の回転数nnは次の式で求まる。

W=VIcosφ×t1000 [kWh],n=K×W [回転]W = \frac{VI\cos\varphi\times t}{1000}\ [\text{kWh}], \qquad n = K\times W\ [\text{回転}]

例題

計器定数1500rev/kWhの単相2線式の電力量計を、電圧100V、電流10A、力率0.9の回路に20分間接続した場合の円板の回転数を求める。

W=100×10×0.9×(20/60)1000=0.3 kWh,n=1500×0.3=450 回転W = \frac{100\times10\times0.9\times(20/60)}{1000} = 0.3\ \text{kWh}, \qquad n = 1500\times0.3 = 450\ \text{回転}
計器定数の単位rev/kWhは「1kWhにつき何回転」とそのまま読む。回転数を求める設問では、①有効電力P=VIcosφを求める→②時間t(必ず時間〔h〕に統一する)を掛けて消費電力量Wを求める→③計器定数Kを掛けて回転数nを求める、という3段階の順番を崩さないこと。分単位のまま計算したり、力率を掛け忘れたりすると、桁や値の違う誤答になりやすい。

施工管理者として、この基礎理論が現場でどう役に立つか

ここまでの内容は、電気工事士が結線作業をするための知識というより、施工管理者が現場の設備・配線の妥当性を自分の頭で確認するための土台になる。たとえば、次のような場面だ。

  • 機器銘板の定格電流とブレーカーの定格を見比べて、「このブレーカー容量で足りているか」を大まかに見当づける(オームの法則・力率の考え方)
  • 「50/60Hz両対応」と書かれた機器を見て、それが東西で周波数が異なる日本特有の事情に対応した設計だと分かる(周波数の基礎)
  • テスタの測定値がわずかに揺れていても、それが実効値としての正常な範囲内の変動なのか、異常な電圧変動なのかを区別する足がかりを持てる(実効値の考え方)
  • 「力率が悪いので改善してほしい」という電力会社や設計者からの指摘の意味を、有効電力・皮相電力の関係から理解できる(力率の考え方)

これらはいずれも、深い計算力よりも「数字が何を表しているか」を正しく読み解く力が問われる場面だ。第一次検定の「電気工学等」科目でも、この読み解く力の土台としてオームの法則・交流回路の基礎が問われる。

この資格を取ったあと、現場で何が変わるか

この資格を取ったあと、現場に搬入された機器の前で、電気工事士が「この容量で問題ないですよ」と説明するのを、そのまま鵜呑みにせず自分の頭で検算できるようになる。銘板に書かれた定格電流とブレーカーの定格を見比べて、V=IRやP=VIcosφをその場で当てはめ、「この力率なら電流はもっと大きくなるのでは」と、疑問点を具体的な数字で指摘できる立場に変わる。

テスタで測った電圧が199Vや201Vとふらついているのを見て、「異常かもしれない」と慌てる新人に対して、それが実効値としての正常な変動範囲なのか、本当に調べるべき異常なのかを、実効値と波高値の関係から冷静に切り分けて説明できるのも、この資格を取った後の変化だ。感覚ではなく数字の意味から判断する側に回る。

電力会社や設計者から「力率が悪いので改善してほしい」という指摘を受けたとき、それを単なる指示として右から左に流すのではなく、有効電力・皮相電力の関係から「なぜ改善が必要なのか」を自分の言葉で施主や現場の作業員に説明できるようになる。この基礎理論を土台に持っているかどうかが、現場で交わされる電気工学的なやり取りに、対等な立場で加われるかどうかを分ける。

冒頭の「なぜテスタの値がぴったり200Vにならないのか」「なぜ周波数欄に50Hzと60Hzの両方が書いてあるのか」という2つの謎の答え合わせは、理解度チェックの問題でしてみよう。

もっと深く学びたい人へ

この記事は、2級電気工事施工管理技士の第一次検定に必要な「施工管理者として最低限おさえる基礎」に絞って解説した。インピーダンスのベクトル計算や、力率改善用コンデンサの容量計算まで踏み込んで理解したい場合は、電験三種(第三種電気主任技術者)向けに書いた次のトピックがより深い内容を扱っている。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. オームの法則の式を変形するとき、V=IRからI=V/Rを導けず、掛け算・割り算を取り違える

    なぜ引っかかるV=IRという形だけを丸暗記していると、IやRを求める場面でどちらを掛けてどちらを割ればよいか迷い、I=V×Rのように誤って計算してしまうことがある

    見破り方単位で検算する。電圧V(ボルト)は電流A(アンペア)×抵抗Ω(オーム)の積になる関係(V=A×Ω)を思い出せば、I=V/R、R=V/Iという形が自然に出てくる

  2. 交流の『100V』を、瞬間の最大値(波高値)だと思い込む

    なぜ引っかかる直流の感覚で『100Vなら常に100V』と考えてしまうと、交流の電圧が刻々と変化していることや、テスタ・銘板の表示が実効値であることを見落とす

    見破り方実効値と波高値の関係(波高値=実効値×√2)を知っていれば、100Vという表示は実効値であり、瞬間的にはその√2倍(約141V)まで達していることに気づける

  3. 力率が低い=有効電力(仕事量)が少ない、あるいは電気を無駄に消費していると誤解する

    なぜ引っかかる『力率が悪い』という言葉の響きから、機器が余分に電力を消費していると連想しやすいが、力率は電源から見た電流の使われ方の効率を表す指標であり、負荷が行う仕事の量(有効電力)そのものとは別の概念

    見破り方有効電力P=VIcosφの式を思い出す。『力率が低い』とは、同じPを得るために電流Iがより多く必要になる状態を指す。仕事の量が変わるのではなく、その仕事を得るための電流の使われ方が非効率になっている、と切り分ける

  4. 周波数(Hz)と周期(秒)の意味を取り違える

    なぜ引っかかる『周波数50Hz』という数字を、波が1つ完了するのにかかる時間(周期)だと思い込んでしまうことがある

    見破り方周波数は『1秒間に繰り返す波の数』、周期はその逆数(1/周波数)で『波1つ分にかかる時間』。50Hzなら周期は1/50=0.02秒(20ミリ秒)、とペアで確認する癖をつける

  5. 抵抗の温度係数の式で、温度が『上がった』のか『下がった』のかを取り違え、R2を求めるべきところでR1を答えてしまう

    なぜ引っかかるR2=R1[1+α(T2-T1)]という式のT2-T1の部分で、どちらが基準温度(R1を測った温度)でどちらが求めたい温度かを逆にしてしまうと、抵抗が増えるべき場面で減る計算をしてしまう

    見破り方『金属は温度が上がると抵抗が増える』という基本性質を先に思い出す。計算結果が基準温度の抵抗値R1より小さくなったのに、設問が温度上昇を聞いていたら、符号を取り違えていないか式を見直す

  6. クーロンの法則の距離rを2乗し忘れ、単純に反比例(1/r)で計算してしまう

    なぜ引っかかる『距離が離れるほど力が弱くなる』というイメージ自体は正しいため、2乗であることを見落としても『それらしい』値が出てしまい、計算ミスに気づきにくい

    見破り方公式F=Q1Q2/(4πε0r²)のrに必ず2乗が付いていることを、単位を書きながら確認する。距離を2倍にすると力は1/2ではなく1/4になる、という具体例で検算するとよい

  7. 電線の抵抗を求めるとき、断面積Aを『直径×直径』で計算してしまい、半径の2乗であることを見落とす

    なぜ引っかかる円の面積の公式A=π(d/2)²=πr²を、単純にA=πd²と覚え違えてしまうと、断面積を4倍に見積もり、抵抗を実際の1/4に誤って計算してしまう

    見破り方円の面積は半径の2乗に比例する(直径ではない)ことを先に確認する。直径1.6mmの電線と直径3.2mm(直径2倍)の電線を比べるとき、断面積は2倍ではなく2²=4倍になる、と検算する

  8. 電線の長さと太さ(断面積)の両方が変わる問題で、どちらか一方だけを計算に入れ、もう一方を見落とす

    なぜ引っかかるR=ρL/Aという式のうち、長さLの影響(比例)だけに気を取られ、断面積Aの影響(反比例、しかも直径の2乗に効く)を計算に反映し忘れる、あるいはその逆が起こりやすい

    見破り方『長さが何倍になったか』と『断面積(直径の2乗)が何倍になったか』を別々に書き出してから、R∝L/Aの式にまとめて代入する。長さと太さの変化を一度に頭の中だけで処理しようとしない

  9. 誘導起電力の式e=N×(ΔΦ/Δt)で、巻数Nを掛け忘れる、あるいは磁束の変化量ΔΦと変化にかかった時間Δtを取り違える

    なぜ引っかかる『磁束が変化すると電圧が生じる』という現象のイメージだけで式を思い出そうとすると、コイル1巻きあたりの起電力と、N回巻いたコイル全体の起電力(N倍になる)を混同したり、ΔΦ/Δtの分子分母を逆にしてしまったりしやすい

    見破り方『巻数が多いほど、同じ磁束変化でも起電力は大きくなる』という比例関係を先に思い出し、式の外側に必ずNを掛ける。ΔΦ/Δtは『磁束の変化量÷かかった時間』という単位(Wb/s)で検算する

  10. 電気量Q・電流I・時間tの関係式Q=Itを、I=Q×tのように掛け算だけで覚えてしまい、電流を求める場面でtを掛けてしまう

    なぜ引っかかる『電流は電気量に比例する』という感覚だけで式を覚えると、I=Q/tという割り算の形を忘れ、単純にQとtを掛け合わせてしまいやすい

    見破り方電流の単位A(アンペア)は『1秒間に1C(クーロン)の電気量が流れる状態』と定義されている。単位で考えれば、A=C/s(電気量÷時間)であり、電流を求めるときは電気量を時間で割る、と検算できる

  11. 倍率器の抵抗値を求めるとき、拡大したい倍率nをそのままRv×nで計算してしまい、『(n-1)』の-1を忘れる

    なぜ引っかかる『測定範囲をn倍にする』という言葉から、単純に内部抵抗をn倍すればよいと考えてしまいやすいが、実際には元の電圧計自体がすでに1倍分の電圧降下を受け持っているため、倍率器が追加で受け持つのは残りの(n-1)倍分だけになる

    見破り方倍率器と電圧計の直列回路全体でn倍の電圧を受け持つ、と考える。電圧計自身がRvぶん(1倍分)を受け持つので、倍率器はRv×(n-1)を受け持てばよい、と全体から電圧計の分を引く形で確認する

  12. 分流器の抵抗値を、倍率器と同じ『Ra×(n-1)』の形で計算してしまう

    なぜ引っかかる倍率器(電圧計・直列接続)の公式Rv×(n-1)を覚えていると、分流器(電流計・並列接続)も同じ掛け算の形だろうと思い込みやすいが、並列接続では電流が抵抗の逆比で分かれるため、分流器の抵抗値は掛け算ではなく割り算(Ra÷(n-1))で求まる

    見破り方『倍率器は直列だから掛け算(×(n-1))、分流器は並列だから割り算(÷(n-1))』と、接続のしかたと計算の形をセットで覚える。電流計の測定範囲拡大の設問が出たら、まず『これは直列(倍率器・電圧計)の話か、並列(分流器・電流計)の話か』を先に確認する

  13. ブリッジ回路の平衡条件を、対辺(向かい合う2辺)の積ではなく、隣り合う辺どうしの比で計算してしまう

    なぜ引っかかる4つの抵抗が輪のように並んでいるため、どの2辺とどの2辺が『対辺(向かい合う関係)』にあるのかを図から正しく読み取れないと、平衡条件の式(対辺どうしの積が等しい)に誤った抵抗の組み合わせを当てはめてしまう

    見破り方検流計を挟む対角線を軸に、ブリッジの4辺を2組の対辺に分ける。平衡条件は『一方の対辺の積=もう一方の対辺の積』という形になることを先に確認してから、分かっている3つの抵抗値を当てはめる

  14. 直線状導体まわりの磁界の式H=I/(2πr)を、クーロンの法則と同じ『距離の2乗に反比例』の形で覚えてしまう

    なぜ引っかかる同じ『距離が離れるほど弱くなる』という現象のため、静電気力(クーロンの法則、距離の2乗に反比例)と直線導体まわりの磁界(距離の1乗に反比例)を同じ式の形だと混同しやすい

    見破り方アンペアの周回積分の法則は、導体を中心とした円周(2πr)上で磁界の強さが一定になるという考え方から導かれ、rの1乗だけが分母に現れる。距離を2倍にすると磁界は1/2になる(1/4ではない)、と具体例で検算する

  15. 可動鉄片形や誘導形など、それぞれの指示電気計器がどの電源(直流・交流)に対応するかを取り違える

    なぜ引っかかる『計器』という共通の見た目から、動作原理による対応範囲の違い(直流専用・交流専用・交直両用)を意識せずに覚えてしまいやすい

    見破り方可動コイル形は磁石と巻線の吸引・反発を使うため向き(極性)が結果に影響し直流専用、誘導形はうず電流の誘導を使うため交流専用(電力量計に多用)、可動鉄片形・電流力計形は向きに依存しない構造のため交流・直流どちらにも使える、と原理から対応範囲を導く

  16. ペルチェ効果を、温度差を与えると起電力が生じる現象(ゼーベック効果)だと逆に覚えてしまう

    なぜ引っかかる同じ熱電対の接合点に関わる現象のため、『温度差→電流』(ゼーベック効果)と『電流→温度差』(ペルチェ効果)という、原因と結果が逆の2つの現象を混同しやすい

    見破り方ゼーベック効果は温度計・熱電対の原理(温度差を電気信号に変える)、ペルチェ効果は電子冷却素子の原理(電流を流して一方を冷却・他方を加熱する)と、身近な応用例とセットにして原因と結果の向きを覚える

  17. Δ結線の平衡三相負荷で線電流を求めるとき、線電流と相電流を同じ値だと思い込み、√3倍する操作を忘れる

    なぜ引っかかるY結線では線電流=相電流になるため、結線方式を確認せずに『三相回路の線電流=相電流』と一般化して覚えてしまうと、Δ結線の設問でも√3倍の操作を忘れてしまう

    見破り方まず結線方式がYかΔかを確認する。Δ結線は『相電圧=線間電圧、線電流=√3×相電流』、Y結線は『相電圧=線間電圧/√3、線電流=相電流』と、電圧側・電流側のどちらに√3が掛かるかが逆になる関係だと整理してから計算する

  18. 磁力線の密度と磁界の強さの関係を逆に覚え、『磁力線が疎な場所ほど磁界が強い』のように取り違える

    なぜ引っかかる『密度』という言葉から、量が多いこと自体をイメージするのは合っているが、それが磁界の『強さ』と同じ向きの関係(密なほど強い)なのか逆の関係なのかを、直感だけでは判断しにくい

    見破り方棒磁石の磁極付近で磁力線が密集して描かれる図をイメージする。磁極に近いほど磁界は強く、同時に磁力線も密になっている、という具体例から『密=強い』の対応を確認する

  19. デジタル計器とアナログ計器の特徴を取り違え、『内部抵抗が低い』『個人差がない』をどちらの計器の特徴か逆にしてしまう

    なぜ引っかかる『デジタル=高性能』という漠然としたイメージから、デジタル計器の特徴を並べた選択肢の中に、実際にはアナログ計器側の弱点(内部抵抗が低いことによる誤差)が紛れ込んでいても気づきにくい

    見破り方デジタル計器は『高い入力インピーダンス・数値表示による個人差なし・A-D変換・コンピュータ接続』の4点を押さえ、『電圧測定で内部抵抗が低い』はこれに含まれない(むしろアナログ計器の弱点)と区別する

  20. コンデンサの合成公式を、抵抗の合成公式とそのまま同じだと思い込み、並列で逆数の和、直列で単純な和を使ってしまう

    なぜ引っかかる抵抗の合成は並列が逆数の和、直列が単純な和になるため、同じ『合成』という操作をコンデンサにもそのまま当てはめてしまいやすいが、コンデンサはこの関係がちょうど逆になる

    見破り方『コンデンサは抵抗と逆』と一言で覚えておく。並列は容量が大きくなる方向(単純な和)、直列は容量が小さくなる方向(逆数の和の逆数)になると、並列接続で電極板の面積が実質増えるイメージと結び付けて確認する

  21. フレミングの左手の法則と右手の法則を取り違え、電動機(モーター)の力の向きを求める場面で右手を使ってしまう

    なぜ引っかかるどちらも同じ3本の指(親指・人差し指・中指)を直交させて使う似た法則のため、『力を発生させる側(モーター)』と『起電力を発生させる側(発電機)』のどちらに使う法則かを取り違えやすい

    見破り方『左手=モーター(電気を力に変える)』『右手=発電機(力を電気に変える)』と、モーター・発電機の役割とセットで指の左右を覚えておく

  22. 力率改善の効果に、短絡電流の軽減を含めてしまう

    なぜ引っかかる力率改善は『電流を減らす対策』という漠然とした理解から、平常時の負荷電流だけでなく、短絡事故時に流れる短絡電流まで軽減できると誤って一般化してしまいやすい

    見破り方力率改善による電流の低減は、負荷が消費する有効電力に対して無駄になっている電流(無効電力分)を減らす効果であり、短絡電流は電源側のインピーダンスや事故点までの回路条件で決まる別の量だと区別する。力率改善の効果は『配電設備容量に余裕ができる・電圧変動を抑制できる・送電損失を軽減できる』の3点で覚え、短絡電流の軽減は含まれない

  23. 磁石にくっつくかどうかだけで磁性体を判断し、常磁性体(アルミニウムなど)も強磁性体と同じように磁石に強く引き寄せられると誤解する

    なぜ引っかかる『磁界に反応する』という共通点から、常磁性体も強磁性体と同程度に磁石へ引き寄せられると考えてしまいやすいが、常磁性体が磁界の方向に磁化される力は非常に弱く、日常的な磁石では『くっつく』と感じられるほどの強さにはならない

    見破り方強磁性体(鉄・コバルト・ニッケル)は磁石にはっきり引き寄せられ、磁界を除いても磁気が残る。常磁性体(アルミニウムなど)は磁界の方向にごく弱く磁化されるだけで、磁界を除けば磁気は残らない。反磁性体(銀・銅など)は逆に磁界と反対方向にわずかに磁化される、と磁化の強さと向きの2軸で区別する

  24. 電力量計の計器定数K〔rev/kWh〕を、単位の意味を確認せず『大きいほど電力量が大きい』のように直感で捉えてしまう

    なぜ引っかかる『定数』という言葉の響きから、値が大きいほど計測できる電力量そのものが大きくなる指標だと誤解しやすいが、実際には『1kWhあたり何回転するか』という円板の回転しやすさを表す値であり、電力量の大小を直接表す値ではない

    見破り方計器定数の単位rev/kWhを『1kWhにつき何回転』とそのまま読む。回転数n・計器定数K・電力量W〔kWh〕の関係はn=K×W(電力量が同じでも計器定数が大きいほど回転数は多くなる)と、まず単位から関係式の形を確認する

参考文献・出典

理解度チェック(27問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、27問で確認しよう。 内訳は基本12問・応用12問・ひっかけ3問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 27 問正解

覚えておきたいポイント

  1. オームの法則 V = IR。電圧・電流・抵抗のうち2つが分かれば、残り1つが計算できる電気回路の基本式
  2. 交流の電圧・電流は向きと大きさが周期的に変化する正弦波。1秒間に繰り返す波の数が周波数(Hz)で、国内は静岡県の富士川・新潟県の糸魚川付近を境に、おおむね東日本50Hz・西日本60Hzに分かれる
  3. テスタや銘板に表示される交流の電圧・電流は『実効値』。瞬間の最大値(波高値)は実効値の√2倍になる(例: 実効値100V→波高値は約141V)
  4. コイルやコンデンサを含む交流回路では、電圧と電流の位相(タイミング)がずれる。この位相のずれも含めて表した『交流での抵抗』に相当する量がインピーダンス
  5. 交流の電力には、実際に仕事に使われる有効電力P(W)と、電源が実際に供給しなければならない皮相電力S(VA)があり、その比率が力率cosφ=P/S。力率が低いほど、同じ仕事をするのに電源からより多くの電流を引き込む
  6. 静電気には、同種の電荷どうしは反発し、異種の電荷どうしは引き合うという基本性質がある。この力(静電力)の大きさはクーロンの法則F=Q1Q2/(4πε0r²)〔N〕で求まり、2つの電荷の積に比例し、距離の2乗に反比例する
  7. 金属の電気抵抗は温度が上がると大きくなる。20℃を基準にした抵抗値R1と温度係数αが分かれば、任意の温度T2での抵抗値R2はR2=R1[1+α(T2-T1)]で求まる
  8. RとXLを含む交流の直列回路では、まずインピーダンスZ=√(R²+XL²)を求め、回路全体の電流I=E/Zを出してから、各素子の電圧(例: VR=I×R)を求める、という順番で計算する
  9. 電線の抵抗は、抵抗率ρ・長さL・断面積AからR=ρL/A〔Ω〕で求まる。同じ材質・同じ電流条件なら、長さに比例し、断面積(直径の2乗)に反比例する。直径を2倍にすると断面積は4倍になり、抵抗は1/4になる
  10. コイルを貫く磁束が時間とともに変化すると、コイルに誘導起電力が生じる(電磁誘導)。この起電力の大きさはファラデーの法則e=N×(ΔΦ/Δt)〔V〕で求まり、巻数Nと磁束の変化する速さ(単位時間あたりの変化量)に比例する
  11. 電流は、導体の断面を単位時間あたりに通過する電気量(電荷)の大きさを表す。電気量Q〔C〕・電流I〔A〕・時間t〔s〕の関係はQ=Itで表され、I=Q/tと変形して電流を求める
  12. 電圧計の測定範囲を拡大するには、電圧計と直列に倍率器(抵抗器)を接続する。測定範囲をn倍に拡大したいとき、倍率器の抵抗値Rmは電圧計の内部抵抗Rvを使ってRm=Rv×(n-1)で求まる。電流計の測定範囲を拡大する場合は、電流計と並列に分流器を接続する(倍率器とは逆に並列接続になる点に注意)
  13. 電流計の測定範囲を拡大する分流器の抵抗値Rsは、電流計の内部抵抗Raを使ってRs=Ra/(n-1)で求まる。倍率器(電圧計・直列接続)は掛け算Rv×(n-1)、分流器(電流計・並列接続)は割り算Ra/(n-1)と、接続のしかたによって計算の形が逆になる
  14. ブリッジ回路のような特殊な形ではなく、抵抗が単純に直列・並列で混在している回路網の合成抵抗を求めるときは、まず回路図の中で直列につながっている部分どうしを1つの抵抗にまとめ、そのあとで並列につながっている部分を合成する、という順番で進めると整理しやすい。例えば10Ωの抵抗2個を直列にした枝(合成20Ω)と、単独の20Ωの抵抗の枝を並列に接続した回路では、まず直列部分の10Ω+10Ω=20Ωを求め、次にこの20Ωと、もう一方の枝の20Ωを並列合成する。並列合成は1/R=1/20+1/20=2/20よりR=10Ωとなり、回路全体の合成抵抗は10Ωになる
  15. 4つの抵抗をひし形(ブリッジ状)に接続し、対角線に検流計を挿入した回路をブリッジ回路という。検流計に電流が流れない状態を『ブリッジが平衡している』といい、このとき対辺(向かい合う2辺)どうしの抵抗の積が等しくなる(平衡条件)。この関係を使うと、3辺の抵抗値から残り1辺の未知抵抗を計算できる。平衡時は検流計の枝(対角線)に電流が流れないため、この枝上のスイッチを開いても閉じても回路の抵抗値は変化しない。『スイッチを開閉しても回路の特定区間の抵抗値が変化しない』という設問は、この平衡条件の言い換えとして出題される
  16. 無限に長い直線状導体に電流I〔A〕が流れているとき、導体の中心から距離r〔m〕離れた点における磁界の強さH〔A/m〕は、アンペアの周回積分の法則によりH=I/(2πr)で求まる。距離rの1乗に反比例する点が、距離の2乗に反比例するクーロンの法則(電界)とは異なる
  17. 指示電気計器は動作原理によって、直流専用の可動コイル形、交流専用の誘導形(主に電力量計に使われる)・整流形(整流回路と可動コイル形を組み合わせ、正弦波を前提に実効値を指示する)、交流・直流どちらにも使える可動鉄片形・電流力計形(電力計に使われる)に分かれる
  18. 熱電効果には向きが逆の2つの現象がある。異なる2種類の金属導体を接続して閉回路を作り、2つの接合点に温度差を与えると熱起電力(電流)が生じるのがゼーベック効果(熱電対の原理)。逆に、この閉回路に電流を流すと、一方の接合点で発熱し他方の接合点で吸熱するのがペルチェ効果(電子冷却素子の原理)。ホール効果(半導体に電流と磁界を加えると両者に垂直な方向に電圧が生じる現象)、ピエゾ効果(結晶に圧力を加えると電圧が生じる現象)とは別の現象
  19. 平衡三相回路の線電流を求めるときは、まず結線方式(Y結線かΔ結線か)によって相電圧・線間電圧、相電流・線電流の関係が変わる点を区別する。Δ結線では相電圧=線間電圧、線電流=√3×相電流。Y結線では相電圧=線間電圧/√3、線電流=相電流(線電流と相電流が同じ値になる)
  20. 磁力線には、N極から出てS極に入り途中で分岐したり交わったりしない、磁力線が密な場所ほど磁界が強い(磁力線の密度=磁界の強さ)、磁力線上の任意の点での接線方向がその点の磁界の向きを表す、という基本性質がある。同種の磁極どうしは反発し、異種の磁極どうしは引き合う
  21. デジタル計器はアナログ計器と比べ、入力インピーダンス(内部抵抗)が高く測定回路への影響が小さい、数値表示のため個人差による読み取り誤差がない、内部でA-D変換(アナログ→デジタル変換)を行っている、デジタル信号のためコンピュータに接続してデータ処理できる、という特徴を持つ。『電圧の測定で内部抵抗が低い』はデジタル計器ではなくアナログ計器側の特徴
  22. コンデンサを複数接続したときの合成静電容量は、抵抗の合成公式とちょうど逆の関係になる。並列接続は各静電容量をそのまま足し合わせるだけ(C=C1+C2+…)、直列接続は逆数の和の逆数(1/C=1/C1+1/C2+…)で求まる。直列接続では各コンデンサに蓄えられる電気量(電荷)が等しくなる点も、抵抗の直列接続(各素子を流れる電流が等しい)との対比で押さえておくとよい
  23. 磁界の中に置かれた導体に電流を流すと、導体には電磁力(F=BIL)が働く。この力の向きは、フレミングの左手の法則(左手の中指=電流の向き、人差し指=磁界の向き、親指=力の向き、を互いに直交させる)で求める。導体を磁界中で動かしたときに生じる起電力の向きを求めるフレミングの右手の法則(親指=運動、人差し指=磁界、中指=起電力)とは、使う場面(モーターか発電機か)も指の意味も異なる
  24. 力率改善(進相コンデンサの設置等)には、配電設備容量に余裕ができる・系統の電圧変動を抑制できる・送電損失を軽減できるという効果がある。ただし短絡電流の大きさは電源側のインピーダンスや事故点までの回路条件で決まるものであり、力率改善によって短絡電流を軽減する効果はない
  25. 物質は磁界に対する反応で、強磁性体(外部磁界に強く磁化され、磁界を除いても磁気が残る。鉄・コバルト・ニッケルなど)、常磁性体(磁界の方向に弱く磁化される。アルミニウムなど)、反磁性体(磁界と逆方向にごくわずかに磁化される。銀・銅など)の3種類に分類される
  26. 誘導形の電力量計(積算電力計)の計器定数K〔rev/kWh〕は、1kWhの電力量を計測する間に円板が何回転するかを表す値。ある負荷を時間t〔h〕流したときの消費電力量W〔kWh〕=VIcosφ×t/1000が分かれば、その間の円板の回転数nはn=K×Wで求まる
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