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アンフェノールC016シリーズ丸型コネクタの型番はどう読むのか|「10・20・30」はシェルサイズではなく接続方式、「D」はオスではなくメスだった

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

C016 20H003 110 12。この型式を見せられたら、たいていの人は数字の並びから規則を推測しようとする。「20」ときたら、たぶんシェルサイズだろう。丸型コネクタのシェルサイズは10・20・30・40というふうに区切りのよい数字で管理されている例が多いから、その連想は自然だ。続く「H」は、たぶん極数か配列の区分。「003」が具体的な極数で、3極なのだろう――型番を上から順に読み進めながら、そういう仮の地図を頭の中に描いてしまう。

ところが、Amphenol-Tuchel ElectronicsとAmphenol Sine Systemsの公式カタログを実際に開いて品番一覧表を突き合わせると、その地図は最初の分岐からして違っていた。「20」はシェルサイズではない。「H」も極数ではない。しかも、6つの型式のうち1つは、極数を示すはずの桁が、確認できた2冊のカタログのどこにも出てこなかった。

結論から言うと

アンフェノールのC016(eco|mate C16)シリーズ丸型コネクタの型番は、次の骨格で組み立てられている。

  • シリーズ名:C016
  • 接続方式(先頭2桁):10=圧着(クリンプ)、20=ねじ接続(スクリュー)、30=はんだ接続(ソルダー)
  • スタイル記号(1文字):性別(オス/メス)と取付形状の組み合わせ。H=オス・ケーブル取付(クランプ式)、K=オス・ケーブル取付(アングル)、C=オス・パネル取付(レセプタクル)、D=メス・ケーブル取付(クランプ式)、F=メス・ケーブル取付(アングル)、G=メス・パネル取付(レセプタクル)
  • 極数コード(3桁):003=3極+接地(PE)、006=6極+PE、019=19極+PEなど、実際の極数(+PE)をそのまま表す
  • オプションコード(3桁):接点メッキの系統(銀メッキ系/金メッキ系)とケーブルクランプ方式(標準/内部クランプ)の組み合わせ。圧着タイプは接点を別注文するため、この位置は接続方式ごとに固定の値になる
  • ハウジング色コード(2桁):10=青、12=黒(青は銀メッキ系、黒は金メッキ系の型番と対になって掲載されている)

一見すると「シェルサイズ―極数区分―配列番号―仕上げ」という、他の丸型コネクタでもよく見る骨格に見える。だが実際にカタログの品番一覧表が並べているグループ分けは「Screw(ねじ)」「Solder(はんだ)」「Crimp(圧着)」という接続方式であり、シェルサイズという単位でグループ分けされている場所はどこにもない。先頭の2桁が担っているのは、接続方式の情報だ。

型番の分解 ── 品番一覧表が並べているのは「シェルサイズ」ではなかった

公式カタログ「eco|mate Circular Connectors」の12頁には「eco|mate Standard | Male Cable Connectors | Male Receptacles」という見出しの品番一覧表がある。ここに載っている型式を上から拾うと、次のように並ぶ。

見出し極数ハウジング色品番(銀メッキ系)
Screw3 + PEC016 20H003 100 12
Solder6 + PEC016 30H006 100 12
Crimp6 + PEC016 10H006 000 12

表の見出しは「Screw」「Solder」「Crimp」であって「シェルサイズ1」「シェルサイズ2」ではない。そして、その見出しの下に並ぶ品番の先頭2桁は、Screwなら必ず20、Solderなら必ず30、Crimpなら必ず10になっている。極数がどれであっても、この対応は崩れない。13頁の「Female Cable Connectors」の表でも、D・F・Gという別のスタイル記号に対して、まったく同じ20/30/10の対応が繰り返されている。ここまで一貫していると、これは接続方式のコードだと考えるほうが自然だ。

では、シェルサイズという概念自体は存在しないのか。そちらは、より大型の「C|16-3 / C|16-L」シリーズの公式カタログに、はっきりと書かれていた。10頁の「Coding system」には「Shell size 1」「Shell size 2」という2つの区分があり、それぞれが扱える極数が表になっている。シェルサイズ1は3+PE・8+PE・14+PE・17+PE・12+3+PEの5構成、シェルサイズ2は4+PE・5+PE・14+PE・12+PE・19+PEの5構成だ。さらに25頁には「C16-3 Part No. syntax」という、まさに型番の構成図そのものが掲載されている。そこでは型番は、シリーズ・接続方式(1桁)・偏心角度(1桁)・スタイル記号・極数(3桁)・接点メッキ(1桁)・ケーブルグランド径(1桁)・シェルサイズ(1桁)・特殊仕様、という8つのフィールドに分解されており、シェルサイズはここでは末尾寄りの独立した1桁として定義されている。つまり、シェルサイズという情報は確かに型番の中に存在するのだが、それは先頭の2桁とは別の場所にあり、しかもこの詳細な構成図が対象としているのは、eco|mate C16の小型標準品(3+PE・6+PEのみを扱う12〜13頁の系列)ではなく、より大きな極数まで対応する別冊のC16-3/C16-L系列だった。

見た目の同じ「C016」という接頭辞を共有していても、実際には2つの異なる号数体系が存在する。小型のeco|mate標準品は3極・6極の2構成しか持たず、独自の簡略な品番一覧表(12〜13頁)で管理されている。大型のC16-3/C16-L系列は2極から19極まで、シェルサイズ1・2という枠組みと、25頁の詳細な構成図に基づいて管理されている。同じ「10」「20」という先頭2桁が、どちらの系列でも接続方式を意味している点は共通しているが、その後ろに続くオプションコードの意味は系列によって違う。小型標準品側の3桁(100/110/200/210など)は接点メッキ系統とケーブルクランプ方式の組み合わせを表すのに対し、大型C16-3/C16-L側で同じ位置に来る3桁(103/104/105など)は、ケーブル引出し部の外径(Ø12-14/Ø14-16/Ø19-21)という、まったく別の情報を表している。同じ桁位置だからといって、同じ意味だと決めつけるのは危うい。

スタイル記号についても、25頁の構成図がすべての選択肢を書き出している。I=オス・ケーブル取付(内部ひずみ除去)、H=オス・ケーブル取付(クランプ式)、K=オス・ケーブル取付(アングル)、E=メス・ケーブル取付(内部ひずみ除去)、D=メス・ケーブル取付(クランプ式)、F=メス・ケーブル取付(アングル)、C=オス・パネル取付(フランジ)、P=オス・パネル取付(スルーホール)、G=メス・パネル取付(フランジ)、N=オス・パネル取付(リングナット)、V=メス側の保護キャップ、U=オス側の保護キャップ。極数とはまったく関係のない、性別と取付形状だけの記号だ。12頁・13頁の外観図を見比べても、H・K・Cの3つはいずれもピンコンタクトが並ぶオス側の写真、D・F・Gの3つはソケットコンタクトが並ぶメス側の写真として、明確に描き分けられている。

実機への当てはめ ── 6つの型式を分解する

ここまでの読み方を、実際に取り扱う6つの型式に当てはめてみる。

C016 10D006 000 12(メス・ケーブル取付・6極+PE)は、eco|mate標準品の12〜13頁品番一覧表に、Crimp(圧着)・黒・6+PEの行として実在する型式そのものだ。10(圧着)・D(メス・ケーブル取付クランプ式)・006(6極+PE)・000(圧着タイプにつき接点メッキは別注文)・12(黒)という構成で、公式カタログの品番と一致を確認できた。

C016 10D010 000 12(10極+PEを想定)は、確認した2冊のカタログのどこにも極数コード「010」が見当たらなかった。eco|mateの小型標準品は3・6極のみ、大型C16-3/C16-L系列も2・3・4・5・8・12・14・17・19極+PEに限られており、10極+PEという構成自体が資料上で確認できない。品番の骨格(先頭2桁・スタイル記号・末尾の色コード)は他の型式と揃っているだけに惜しいが、この型式に限っては、極数の裏付けが取れないまま資料を離れることになる。

C016 10D019 000 12(メス・ケーブル取付・19極+PE)は、極数とスタイルの組み合わせとしては大型C16-3/C16-L系列に実在する。同系列のカタログ19頁「Shell size 2 Female cable connectors」には、C016 10D019 003 2(ケーブル引出し外径Ø10-12)、C016 10D019 004 2(同Ø12-14)という2つの型式が掲載されている。10(圧着)・D(メス・クランプ式)・019(19極+PE)という骨格は一致するが、末尾のオプションコードは「000 12」ではなく「003 2」または「004 2」であり、末尾の「2」は25頁の構成図によれば金メッキを表す。つまりこの型式は、極数・性別・取付形状までは公式資料で裏付けが取れる一方、末尾のオプション表記だけは現行カタログの表記と一致しない。発注前に現物型番か最新のディストリビューター掲載品番との突き合わせを勧めたい。

C016 20H003 110 12(オス・ケーブル取付・3極+PE)は、eco|mate標準品12頁の「Male cable connector straight | with internal cable clamping and clamping ring」の行に、黒・3+PEの銀メッキ系品番として文字どおり掲載されている。20(ねじ接続)・H(オス・クランプ式)・003(3極+PE)・110(銀メッキ系・内部クランプ方式)・12(黒)という構成で、外観図もケーブル取付タイプとして描かれている。「レセプタクル」という呼び方をされることがあるが、公式カタログの分類ではケーブル取付のプラグに当たる。

C016 30H006 110 12(オス・ケーブル取付・6極+PE)も同じ12頁の表に実在し、30(はんだ接続)・H(オス・クランプ式)・006(6極+PE)・110(銀メッキ系・内部クランプ方式)・12(黒)という構成で一致した。

C016 20D003 100 12(メス・ケーブル取付・3極+PE)は13頁の表に実在し、20(ねじ接続)・D(メス・クランプ式)・003(3極+PE)・100(銀メッキ系・標準クランプ方式)・12(黒)という構成で一致した。

現場で間違えやすい点

一つめは、ここまで見てきた「先頭2桁=シェルサイズ」という思い込みだ。10・20・30という区切りのよい数字が並んでいると、シェルサイズや世代番号のように読みたくなる。だが実際は接続方式(圧着・ねじ・はんだ)のコードであり、極数やハウジングの外形寸法とは別の情報である。互換品や代替品を探す際、この桁を外形サイズの手がかりとして扱うと、探す条件そのものを間違える。

二つめは、スタイル記号の性別の取り違えだ。H系はオス、D系はメスという対応は固定されているが、販売サイトや社内資料での呼び方(「レセプタクル」「プラグ」といった通称)が、公式カタログのスタイル区分と一致しているとは限らない。今回もC016 20H003 110 12という、公式にはケーブル取付のオス品を指す型式に、レセプタクルという呼称が添えられている例があった。型番のスタイル記号と、通称としての呼び方は別々に確認する必要がある。

三つめは、同じ「C016」という接頭辞を見て、すべてが1つの号数体系に従っていると思い込んでしまう点だ。小型のeco|mate標準品(3・6極)と、大型のC16-3/C16-L系列(2〜19極)は、先頭2桁の接続方式コードこそ共通しているが、その先のオプションコードが指す内容(メッキ系統+クランプ方式なのか、ケーブル引出し外径なのか)が系列によって違う。型番の桁数や見た目が似ているからといって、片方の系列で覚えた読み方をもう片方にそのまま当てはめると、オプションの意味を取り違える。

四つめは、型番として渡された数字の並びが、必ずしも現行カタログに存在する実在の品番とは限らない点だ。C016 10D010 000 12のように、骨格は他の型式とそろっているのに、肝心の極数コードが資料上で裏付けられない型式もある。型番の「読み方」が分かることと、その型番が現行品として存在することは、別の話として扱ったほうがよい。

実務上の注意点

型番から仕様を読み取る際は、まず先頭2桁を接続方式(圧着/ねじ/はんだ)として確認し、続く1文字のスタイル記号で性別と取付形状(ケーブル取付かパネル取付か)を確認したい。極数は3桁のコードがそのまま極数+PEを表しているが、この対応は小型のeco|mate標準品(3・6極)と大型のC16-3/C16-L系列(2〜19極)で扱える構成そのものが異なるため、手元の型式がどちらの系列に属するかを先に切り分けたほうが、以降の読み違いが減る。

オプションコードとハウジング色の対応は、圧着タイプでは接点を別途手配する都合上、メッキ系統の情報を持たない点にも注意したい。接点の銀メッキ・金メッキを指定する必要がある場面では、ハウジング本体の型番だけでなく、別途注文する接点側の型番(公式カタログでは(1)=銀メッキ、(2)=金メッキという記号で管理されている)まで確認する必要がある。

また、極数コードが今回のように資料上で確認できない型式に出会った場合は、型番の骨格が読めることと実在性の確認は切り離して考えたい。図面や手配履歴に残る型番が現行品かどうか分からない場合は、電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)にて品番の確認を承る。

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よくある質問

C016 20H003 110 12の「H」はオス・メスどちらを表しますか?

オスである。Amphenol-Tuchel Electronics / Amphenol Sine Systems公式カタログ「eco|mate Circular Connectors」25頁相当の型番構成図(C16-3系列)によれば、スタイル記号Hは『Male cable connector cable clamp』(オス・ケーブル取付・クランプ式)を表す。同カタログ12頁の品番一覧表と外観図でも、H・K・Cの各スタイルはいずれもピンコンタクトを持つオス側の外観として掲載されている。一方、D・F・Gはソケットコンタクトを持つメス側で、13頁に別掲されている。型番の性別記号は極数とは無関係に固定された記号であり、H系はオス、D系はメスと覚えておく必要がある。

型番の先頭にある「10」「20」「30」はシェルサイズ(コネクタの外形サイズ)を表していますか?

いいえ。公式カタログ「eco|mate Circular Connectors」12〜13頁の品番一覧表を見ると、同じ3+PEや6+PEという極数構成の中で、Screw(ねじ接続)の品番だけ先頭が『20』、Solder(はんだ接続)は『30』、Crimp(圧着接続)は『10』になっている。つまり先頭の2桁は接続方式(端末処理方法)を示すコードであり、コネクタの外形サイズとは別の情報である。ちなみにC16-3/C16-L系列の公式型番構成図(25頁)では、シェルサイズは末尾寄りの別の1桁(1=Size 1、2=Size 2)として独立に定義されており、先頭の桁とは重ならない。

C016 20H003 110 12は『レセプタクル』(パネル取付型)ですか?

いいえ、ケーブル取付型のプラグ(オス)である可能性が高い。公式カタログ「eco|mate Circular Connectors」12頁の品番一覧表では、C016 20H003 110 12は『Male cable connector straight | with internal cable clamping and clamping ring』という見出しの下に掲載されており、外観図もケーブル引出し・カップリングリング付きのケーブル取付タイプとして描かれている。同カタログでレセプタクル(パネル取付・フランジ付)に該当するのはスタイルC(オス)またはG(メス)であり、Hはそこに含まれない。取扱説明や販売ページの呼称と型番のスタイル記号が食い違っている場合は、型番のスタイル記号を優先して確認したい。

C016 10D010 000 12という10極品は実在しますか?

少なくとも今回確認した2つの公式カタログの範囲では、極数コード『010』(10+PE)に該当する品番は見つからなかった。eco|mateの小型シリーズ(12〜13頁)が扱う極数は3+PEと6+PEのみで、大型のC16-3/C16-L系列(10頁『Coding system』)が扱う極数もシェルサイズ1が2・3・8・14・12+3・17+PE、シェルサイズ2が4・5・14・12・19+PEに限られており、いずれにも10+PEの構成は掲載されていない。品番の骨格(先頭2桁が接続方式、続く1文字が性別・取付形状)自体は他の型式と共通しているとみられるが、極数の桁だけは公式資料で裏付けが取れなかった。発注前に、メーカーまたは商社経由で現行の型番であることを確認することを勧める。

参考文献・出典

型番不明でもOK

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