海外製の制御機器の配線図に「AWG18」「AWG24」と書いてある。手元の在庫は0.75sqと1.25sq。AWG18は何sqなのか、0.75sqで足りるのか。換算表を探すのは、たいていこの場面です。
AWG18は約0.823sqで、0.75sqより太い。では、なぜAWGは番号が大きいほど細く、換算すると0.823のような半端な数字になるのか。手がかりは、換算式に入っている0.127・92・39という3つの数字にあります。
AWGからsq・導体径への換算早見表
以下はAWG12〜30の主なサイズです。「単線相当径」は、導体を1本の円形の線として計算した直径です。絶縁被覆を含むケーブル外径ではありません。
| AWG | 断面積 mm²(sq) | 単線相当径 mm |
|---|---|---|
| 12 | 3.309 | 2.053 |
| 14 | 2.081 | 1.628 |
| 16 | 1.309 | 1.291 |
| 18 | 0.823 | 1.024 |
| 20 | 0.518 | 0.812 |
| 22 | 0.326 | 0.644 |
| 23 | 0.258 | 0.573 |
| 24 | 0.205 | 0.511 |
| 26 | 0.129 | 0.405 |
| 28 | 0.081 | 0.321 |
| 30 | 0.051 | 0.255 |
出典:太陽ケーブルテック「AWG規格の単位や計算式について」の次の2式から算出。各値は計算途中を丸めず、小数第3位で表示しています。AWGの公称直径と断面積を定める米国規格ASTM B258も、計算は最終値でのみ丸めるとしています。メーカーが示す公称断面積・導体構成・外径とは丸め方や構成で差が出るため、製品の仕様値はそのメーカーの資料を優先してください。
- AWG番号をnとした直径:d(mm)=0.127 × 92^((36−n)/39)
- 断面積:A(mm²)=π × d² ÷ 4
導体断面積・導体外径・仕上外径を分けて読む
- 導体断面積:電気を流す金属部分の面積。より線では各素線の金属断面積を合計します。
- 導体外径:より線の束の外側の寸法。素線の構成や圧縮の有無などで変わるため、上表の単線相当径をそのまま使いません。
- 仕上外径:絶縁体やシースを含む外側の寸法。コネクタのケーブル挿入口やグランドを確認するときに必要です。
AWG18と0.75sqは同じではない
AWG18の計算断面積は約0.823mm²です。0.75sqはそれより小さく、「0.75sqへ切り上げる」という説明は誤りです。
国内のsqは「公称断面積」で、実際の導体は細い素線の本数で決まります。住友電工のキャブタイヤの仕様書にある導体構成から素線の面積を足すと、AWGとの位置関係がよく見えます。
| 公称断面積 | 導体構成(本/mm) | 素線から計算した断面積 | 計算上で前後するAWG |
|---|---|---|---|
| 0.75sq | 30/0.18 | 約0.763mm² | AWG19(0.653)とAWG18(0.823)の間 |
| 1.25sq | 50/0.18 | 約1.272mm² | AWG17(1.038)とAWG16(1.309)の間 |
| 2sq | 37/0.26 | 約1.964mm² | AWG15(1.650)とAWG14(2.081)の間 |
| 3.5sq | 45/0.32 | 約3.619mm² | AWG12(3.309)とAWG11(4.172)の間 |
| 5.5sq | 70/0.32 | 約5.630mm² | AWG10(5.261)とAWG9(6.634)の間 |
※導体構成は住友電工 VCTF・VCT標準仕様書より。断面積は素線径から計算した値で、メーカーの保証値ではない。AWGの値は上の計算式による。
どの公称サイズも、AWGの2つの番手の間に落ち、どの番手とも一致しません。0.75sqはAWG18より約7%細く、2sqはAWG14より約6%細い(いずれも計算値の比較)。「近いから同じ」と読むと、指定より細い電線を選ぶことになります。逆に1.25sqは面積としてAWG16に近くても、端子に収まるか、機器の指定電線や必要な規格を満たすかは別途確認が必要です。
| 確認するもの | 見る項目 |
|---|---|
| 機器の配線仕様 | 指定電線、AWG範囲、単線・より線、必要な認証・規格 |
| 電線の仕様書 | 導体構成、定格電圧・温度、用途、使用環境 |
| 回路と布設条件 | 負荷電流、長さ、電圧降下、周囲温度、束ね方に応じた許容電流 |
| 接続部品 | 端子・コネクタの適合電線範囲、被覆外径、指定工具 |
圧着端子はメーカーのAWG欄も確認する
端子の適合確認では、換算値がsq欄に入るかだけでなく、単線・より線の区分、AWG欄、適用規格の注記、指定工具まで照合します。
例えばニチフの R 0.3-2 は、製品表により線0.2〜0.5mm²・AWG24〜20と掲載されていますが、UL・CSA指定範囲は0.3〜0.5mm²・AWG22〜20と注記されています。同じ端子でも、必要な規格によって確認する範囲が変わる例です。AWG24を約0.2sqへ丸めたことだけでは、UL・CSA条件まで満たすとは判断できません。ニチフの製品表で、使用する品番の欄を確認してください。
PoEはAWGだけで利用可否を決めない
PoE給電では、ケーブルの導体抵抗や発熱に加え、配線全体の構成を確認します。「AWG23・24だけが使用可能」「AWG26・28はすべて不可」と一律には区切れません。
Panduitの技術資料には、28AWGを含む配線について長さや束ね方を考慮した設計例があります。同資料は2017年版なので、現在購入する製品の適合は最新の製品仕様書・施工要領で確認してください。Panduit技術資料 p.4〜6
確認するのは、ケーブルとコネクタの対応するPoE方式、カテゴリ、固定配線・パッチコードの区分と長さ、周囲温度、束ね本数です。細いパッチコードの対応例を、長い固定配線へそのまま当てはめることもできません。
一段深い理解:AWGは「0.46インチと0.005インチの間を39段に刻んだ」等比の目盛り
計算式の0.127と92と39には、意味があります。0.127mmは0.005インチで、式にn=36を入れるとちょうどこの値になります。0000番(4/0)は式の上ではn=−3で、直径は0.127×92=11.684mm、つまり0.46インチ。太陽ケーブルテックの直径表でも、4/0は11.68mm、36番は0.127mmです。
AWGは、0.46インチと0.005インチという2つの太さを決め、その比92を、0000番から36番までの39段に等しい比率で割り振った目盛りだと読めます(式からの計算)。
番号が大きいほど細いのは、番号が太さそのものではなく、0000番から数えて何段細くしたかを表しているからです。1段あたりの比は92の39乗根で、直径は1番手ごとに約1.123倍変わります。これを重ねると、覚えやすい関係が出てきます(いずれも計算)。
| 番号の差 | 直径 | 断面積 | 上の表で確かめる例 |
|---|---|---|---|
| 3番手 | 約1.41倍 | 約2倍 | AWG20(0.518)とAWG23(0.258) |
| 6番手 | 約2倍 | 約4倍 | 直径はAWG24(0.511mm)とAWG30(0.255mm) |
| 10番手 | 約3.19倍 | 約10倍 | AWG12(3.309)とAWG22(0.326) |
換算表が手元にないときでも、「3つ違えば面積が倍、10違えば10倍」と覚えておけば、AWG18(約0.82)からAWG21(約0.41)、AWG28(約0.08)まで暗算で見当がつきます。sqの公称サイズが0.75・1.25・2・3.5・5.5と独自の刻みで並ぶのに対し、AWGは等比の刻みなので、両者がぴったり重なるサイズはほとんどありません。換算値が半端な数字になるのはこのためです。
仕様の相談に用意するとよいもの
電線の印字や型番、機器の配線仕様、端子・コネクタの品番、必要な長さ、使用電圧・電流をそろえると、換算後の太さだけで判断する行き違いを減らせます。分からない項目は未確認のまま、写真や仕様書と一緒に伝えてください。
あわせて確認する
- VVF・CV・CVT・CVV・CVVSの違いと確認条件
- CVVとCVVSの違い(制御ケーブルの遮へいとノイズ)
- VCTとVCTFの違い(導体構成と使える場所)
- 許容電流とは(電流減少係数の使い方)
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