地絡・漏電とは
地絡(ちらく)および漏電(ろうでん)とは、電線の被覆の損傷や、電気機器の内部トラブルなどにより、本来電気が流れるべき「電路」から外れて、大地(地球の地面)や電気機器の金属製フレーム(筐体)などを通じて電気が逃げてしまう現象のことです。
厳密には、以下のように使い分けられます。
- 漏電: 一般家庭や店舗などの比較的低圧な電路において、絶縁不良などによって電気の一部が外部へ「漏れる」現象全般を指す。
- 地絡: 電線や充電部が地面・鉄骨・樹木・接地された金属製外箱などに接触し、大地へと電流が逃げる現象を指す。高圧・低圧どちらでも起こる。電技解釈第36条は低圧の機械器具に接続する電路にも「地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置」の施設を求めており、地絡は電圧区分に依存しない概念だ。短絡(ショート)と並ぶ二大電気事故の一つです。
主な発生原因
地絡・漏電が起きる主たる原因は、電路の「絶縁劣化(ぜつえんれっか)」です。
- 経年劣化: 電線や機器を長年使用することで、被覆のプラスチックやゴムが熱・紫外線で硬化し、ひび割れて導体が露出する。
- 浸水・結露: 雨水や湿気、汗などの水分が電気機器の内部に侵入し、電気の通り道を形成する(水は不純物を含んでいるため高い電気導電性があります)。
- 機械的破損: 工事中のネジの打ち込み、ネズミなどの小動物による電線かじり、配線の無理な挟み込みによる被覆の裂け。
漏電・地絡がもたらす危険性
① 感電事故
漏電している電気機器の金属部分に人間が触れると、人間の体を電気の通り道として電流が大地へ流れようとするため、感電します。人間の体に数十mA以上の電流が流れると、心室細動(心停止)を引き起こし致命傷となります。
② 漏電火災
建物の鉄骨やラスモルタル(金属網の入った壁)に漏電電流が流れると、金属接触部の高い電気抵抗によって熱(ジュール熱)が発生し、柱の木材が徐々に炭化、最終的に自然発火する「漏電火災」を引き起こします。
防護のための安全対策
地絡・漏電から人命と建物を守るために、以下の2つの対策が電気設備技術基準で義務付けられています。
① 漏電遮断器(ELCB / GFCI)の設置
漏電遮断器は、行き(電圧側)と帰り(接地側)の電線に流れる電流の「差」を常に監視しています。 正常な回路であれば、行きと帰りの電流は完全に同じです。しかし、どこかで漏電が発生すると、漏れた分だけ帰りの電流が減るため、その差(一般に30mA以内、0.1秒以内)を零相変流器(ZCT)で検知し、瞬時にブレーカーをトリップさせて電路を切り離します。
② 接地(アース)の工事
電気機器の金属製外箱にアース線(接地線)を接続しておきます。 万が一機器の内部で漏電が発生した際、人間の体(抵抗値が約数百〜数千Ω)よりも、アース線(抵抗値が100Ω以下など極めて低い)のほうが電気が流れやすいため、漏電電流は人間の体を避けてアース線を通じて大地へ逃げます。同時に、これにより漏電遮断器が確実に動作します。
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