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モレックスMicro-Fit 3.0/Mini-Fit Jr.の型番はどう読むのか|「43020」と「43025」を分けるのは、パネルマウント耳ではなく性別だった

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

43025-0400と43020-0400。手元の見積依頼書に、この2つの型番が並んでいるとする。末尾4桁はどちらも「0400」だ。品名にも「プラグハウジング」の文字が見える。違いといえば、片方の説明書きに「パネルマウント耳付き」と添えてあるくらい。だったら結論は簡単だ。同じプラグハウジングの、パネル取付タイプと標準タイプ。そう読んで、次の作業に進みたくなる。

その読み方には、実は見落としがある。モレックスの公式サイト(molex.com)で43025-0400と43020-0400、それぞれの部品詳細ページを開いてみると、片方は最初から「Plug」と書かれていない。

結論から言うと

モレックスの電線対基板コネクタ2系列(Micro-Fit 3.0・Mini-Fit Jr.)の型番は、次の骨格で読む。

  • 基本番号(4〜5桁):ハウジングの機能とGender(Plug/Receptacle)を一意に決める識別子。極数やパネルマウント耳の有無はこの番号だけでは決まらない
  • ハイフン後の桁のうち、先頭2桁:極数(サーキット数)。「0400」なら「04」で4極、「1200」なら「12」で12極
  • ハイフン後の残りの桁:色・難燃グレード・グロー線耐性(94V-0/94V-2)・パネルマウント耳の有無などを組み合わせた追加バリエーションコード。モレックス公式サイトの部品詳細ページからでないと、この部分だけで内容を確定させることはできない

そのうえで、今回いちばん確認しておきたい事実はこうだ。43025は35品番すべてがGender: Receptacle(レセプタクル)、43020は51品番すべてがGender: Plug(プラグ)である。パネルマウント耳は43020シリーズの内側で有無が分かれる属性であって、43020と43025を分ける軸ではない。Mini-Fit Jr.側も構造は同じで、5557シリーズは43品番全てがReceptacle、対になるプラグ側は5559シリーズという、別の基本番号を持つ。

型番の分解 ── 「43020」と「43025」を分けているのは何か

43025-0400の部品詳細ページを開くと、品名は「Micro-Fit 3.0 Receptacle Housing, Dual Row, 4 Circuits, UL 94V-0, Low-Halogen, Black」となっている。Part Detailsの表には、Component Type欄に「Receptacle」、Physical欄のGenderにも「Receptacle」。Panel Mountの欄は「No」。Mates with Part(s)には「Micro-Fit 3.0 Dual Row Plug Housings ― 43020」「Micro-Fit 3.0 Dual Row Headers ― 43045」の2つが並んでいる。

43020-0400のほうも見ておく。品名は「Micro-Fit 3.0 Plug Housing, Dual Row, 4 Circuits, UL 94V-0, Panel Mount Ears, Low-Halogen, Black」。Component Type・Genderはともに「Plug」で、Panel Mountは「Yes」。Mates with Part(s)には「Micro-Fit 3.0 Dual Row Receptacle Housings ― 43025」、Use with Part(s)には「Micro-Fit Male Crimp Terminals ― 43031」とある。

ここまでで、2つのページの記述はきれいに対応している。43025はレセプタクルで43020と嵌合し、43020はプラグでレセプタクル(43025)またはヘッダー(43045)と嵈合する。43031(オスのクリンプ端子)を使うのは43020側だけだ。43025側の相手はオスの端子ではなく、43045のようなPCBヘッダーになる。基本番号が変われば、Genderという最も基本的な属性そのものが変わっている。パネルマウント耳の有無どころの違いではない。

では、パネルマウント耳はどこで決まるのか。43020シリーズの品番一覧ページ(part-list/43020)を開くと、51件の内訳がフィルタ欄に集計されている。Genderは「Plug(51)」で全件一致、一方Panel Mountは「No(23)」「Yes(28)」と、シリーズの中で分かれている。一覧の実例を見ると、6極の「430200601」はPanel Mount: No、22極の「430202200」はPanel Mount: Yesだ。つまり耳の有無は、43020という基本番号の中でハイフン後の桁によって選べるオプションであって、43020という番号そのものが「必ず耳付き」というわけではない。たまたま今回yamlに載っている43020-0400は耳付きの品番だったにすぎない。

対する43025シリーズの品番一覧(part-list/43025)は、35件全てがGender: Receptacle、Panel Mountも35件全てがNo。レセプタクル側にはそもそもパネルマウント耳という選択肢自体が存在しない。基板やヘッダーに合わせて位置決めされる側だから、と考えれば筋は通る。

型番の分解 ── 極数を表す4桁、そしてその先にある変数

基本番号の違いを押さえたところで、残る疑問はハイフン後の4桁だ。43025-0400の「0400」、43025-0600の「0600」、43025-0800の「0800」――先頭2桁を並べると「04」「06」「08」。これは部品詳細ページの実データと突き合わせても揺るがない。43025-0400は「4 Circuits」、43020シリーズの一覧にある「430200601」は「6 Circuits」、「430202200」は「22 Circuits」。ハイフン後の先頭2桁が、そのまま極数を表しているという読み方は、少なくとも今回確認した範囲では一貫して成立している。

残る2桁(「00」「01」「10」など)は一枚岩ではない。43020シリーズの一覧では、同じ22極でも「430202200」(Panel Mount: Yes、94V-0、動作温度-40〜+105℃)と「430202210」(Panel Mount: Yes、Glow-Wire Capable: Yes、動作温度-40〜+125℃)が別品番として並んでいる。末尾の2桁が、パネルマウント耳・難燃グレード・グロー線耐性・動作温度レンジといった複数の属性の組み合わせを一括りにコード化しているらしい、というところまでは読み取れる。ただし、どの数字がどの組み合わせに対応するかを網羅した凡例ページそのものは、今回のアクセスでは見つけられなかった。極数だけは型番の桁から読めるが、それ以外のスペックは部品詳細ページで実際に確認する必要がある、という線引きで扱うのが安全だろう。

実機への当てはめ ── 9つの型式を分解する

ここまでの読み方を、実際に取り扱う9つの型式に当てはめる。

43025-0400(Micro-Fit 3.0 レセプタクルハウジング、4極)は、基本番号43025(レセプタクル・デュアルロウ)・04(4極)・00(標準バリエーション、パネルマウント耳なし)という構成だ。相手側は43020(プラグ)または43045(ヘッダー)。

43025-0600(6極)・43025-0800(8極)も基本番号は同じ43025で、先頭2桁が06・08に変わるだけの構成だ。極数以外の属性(色・難燃グレードなど)は末尾の桁次第で変わりうるので、発注時は型番全体を照合したい。

43020-0400(Micro-Fit 3.0 プラグハウジング、4極、パネルマウント耳付き)は、基本番号43020(プラグ・デュアルロウ)・04(4極)・00という構成。43025-0400と末尾4桁が同じ「0400」でも、基本番号が違うので中身は別物になる。相手側は43025(レセプタクル)、使用する端子は43031。

43031-0001(Micro-Fit 3.0 クリンプ端子、オス)は、基本番号43031(オス端子)・0001(バリエーション:スズメッキりん青銅コンタクト・AWG24-20・リール梱包)という構成。部品詳細ページのUse with Part(s)には「Micro-Fit 3.0 Dual Row Plug Housings ― 43020」と明記されており、この端子が組み合わさるのは43020側であって、43025側ではない。

5557-04R(Mini-Fit Jr. レセプタクルハウジング、4極)は、現行のモレックス公式サイトでは「39012045」という10桁の現行カタログ品番として管理されている。この品番の部品詳細ページを開くと、SERIES NUMBER欄に「5557」、ENGINEERING PART NUMBER欄に「5557-04R-210」と表示される。つまり「5557-04R」はエンジニアリング型番(旧来の呼び方)であり、現行カタログ品番は別に存在する。Mates with Part(s)には「Mini-Fit Jr. Plug Housings ― 5559」「Mini-Fit Jr. Vertical Headers ― 5566」「Mini-Fit Jr. Right-Angle Headers ― 5569」、Use with Part(s)には「Mini-Fit Female Crimp Terminals ― 5556」とある。

5557-06R(6極)・5557-12R(12極)も、同じ5557シリーズの中で先頭2桁が06・12に変わる構成だと読める。5557シリーズの品番一覧43件は、フィルタ集計上すべてGender: Receptacleで統一されている。

5556T(Mini-Fit Jr. クリンプ端子、メス)は、5556シリーズの品番一覧で確認する限り、シリーズ全体がGender: Femaleのクリンプ端子群(39件)で、Wire Size (AWG)は16〜28まで、電流はCurrent - Maximum per Contact 9.0A、電圧はVoltage - Maximum 600Vという括りに収まる。ただし「5556T」という具体的なエンジニアリング型番については、5557-04Rと同様、molex.comの部品詳細ページを個別に特定することはできなかった。AWG18〜24という具体的な範囲は、5556シリーズ全体の対応レンジ(16〜28)には収まっているが、5556Tという個体そのものの仕様として公式一次資料で裏付けることは、今回はできていない。

現場で間違えやすい点

一つめは、ここまで見てきた通り、基本番号の末尾4桁が一致していることに引きずられて、Genderの違いを見落とすことだ。43025-0400と43020-0400は「0400」という並びが完全に一致するせいで、パッと見の型番だけでは「同じハウジングの派生違い」に見える。だが実際には、基本番号(43025/43020)そのものがReceptacle/Plugという別のGenderを表しており、末尾4桁の一致は偶然の一致にすぎない。代替品や互換品を探すときにこの2つを混同すると、そもそも嵌合しない部品を並べて比較することになる。

二つめは、パネルマウント耳の有無を43020と43025を見分ける軸だと思い込むことだ。43020-0400はたしかにパネルマウント耳付きだが、これは43020シリーズの中の一部の品番が持つ属性であって、43020という基本番号自体の定義ではない。43020シリーズの一覧を見れば、耳なしの品番(430200601など)も同じ基本番号の中に存在する。逆に43025シリーズには、そもそも耳付きの品番自体が存在しない。「耳があるかないか」で2つの基本番号を仕分けようとすると、43020シリーズの内側にある別の分岐と、43020・43025間の分岐を混同してしまう。

三つめは、5557-04Rのようなハイフン付きの型番を、現行のモレックス公式サイトにそのまま打ち込んでも情報が出てこない点だ。part-detailページのURLにそのまま「5557-04R」を入れると、本文が空白のページが返ってくる。現行サイトは10桁の現行カタログ品番(この場合は39012045)を軸に構成されており、ハイフン付きの旧型番は、現行品番の部品詳細ページ内の「ENGINEERING PART NUMBER」欄を確認して初めて紐づく。図面や手配履歴に古い型番しか残っていない場合、まず現行品番への読み替えが必要になる。

実務上の注意点

Micro-Fit 3.0とMini-Fit Jr.のどちらでも、型番から即断できるのは極数(ハイフン後の先頭2桁)までだと考えておきたい。基本番号でGender(Plug/Receptacle)が決まり、末尾の残りの桁で色・難燃グレード・グロー線耐性・パネルマウント耳の有無といった複数の属性が組み合わさる。この末尾部分を推測で埋めず、都度モレックス公式サイトの部品詳細ページで実際の仕様を確認する運用が安全だ。

とくに43020と43025のように、末尾4桁が同じで基本番号だけが違う組み合わせは、見積書や図面上で見比べる際に読み飛ばしやすい。基本番号の3桁または5桁の部分こそが、Plug/Receptacleという最も基本的な区分を担っていることを、まず先に確認する習慣をつけたい。

また、Mini-Fit Jr.のようにハイフン付きの旧エンジニアリング型番と、10桁の現行カタログ品番が併存しているシリーズでは、図面上の表記がどちらの体系かを確認したうえで手配する必要がある。同じ部品を指していても、検索に使う番号を間違えると、モレックス公式サイト上では該当ページ自体が見つからない、という事態になりかねない。

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よくある質問

43025-0400と43020-0400は、どちらも「プラグハウジング」ですか?

いいえ。モレックス公式サイトの部品詳細ページで確認すると、43025-0400は「Micro-Fit 3.0 Receptacle Housing」でComponent Type・Genderともに「Receptacle」、43020-0400は「Micro-Fit 3.0 Plug Housing」でComponent Type・Genderともに「Plug」となっている。43025シリーズは品番一覧で35件すべてがGender: Receptacle、43020シリーズは51件すべてがGender: Plugであり、両者は性別(勘合の凹凸)が違う別部品である。

パネルマウント耳の有無は、43020と43025を見分ける手がかりになりますか?

ならない。43025シリーズは品番一覧の35件全てがPanel Mount: Noで、そもそもパネルマウント耳付きの品番を持たない。一方、43020シリーズはPanel Mount: Noが23件、Yesが28件と混在しており、耳の有無は43020シリーズの内側だけで分かれる別軸になっている。43020-0400はたまたま耳付き(Panel Mount: Yes)の品番だが、これは43020シリーズの一部にすぎず、43025との違いを説明する軸ではない。

Mini-Fit Jr.の「5557-04R」の「R」はレセプタクルを意味しますか?

モレックス公式サイトに「Rの文字がReceptacleの略」と明記した凡例ページは見つからなかった。ただし部品詳細ページでは、エンジニアリング型番「5557-04R-210」に対応する現行カタログ品番39012045が「Mini-Fit Jr. Receptacle Housing」(Gender: Receptacle)であること、5557シリーズの品番一覧43件が全てGender: Receptacleであることは確認できた。RはReceptacle系列を示す位置に置かれた記号だが、公式の凡例そのものによる文言確認はできていない、という前提で扱ってほしい。

5557-04Rや5556Tを、モレックスの公式サイトでそのまま検索できますか?

できない。part-detailページに5557-04Rや5556Tをそのまま入力すると、本文が表示されない空白のページが返ってくる。これらはハイフン付きの旧エンジニアリング型番で、現行のモレックス公式サイトは10桁の現行カタログ品番(5557-04Rなら39012045)を軸に部品詳細ページを構成している。エンジニアリング型番は、現行品番の部品詳細ページ内の「ENGINEERING PART NUMBER」欄でのみ確認できる。

参考文献・出典

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