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東芝産業機器システム扱い・芝浦機械製ボード型PLC「TCmini」の型番はどう読むのか|TC12-0AとTC12-0Gを分けるのは数字ではなくアルファベット1文字だった

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

制御盤の点検で、名刺サイズの小さな基板を見つける。ラベルには「TC12-0A」とだけ印字されている。似たような型番の読み方を扱ってきた身としては、ここでもどこかの桁に規則が仕込まれているのだろうと当たりをつける。末尾の「0A」は、きっと何かの仕様値の略記に違いない——たとえば、この基板が積んでいるパワーリレーの定格電流と同じ「20A」の下2桁だろうか、と。

芝浦機械の公式サイトで仕様を確認すると、TC12-0Aは確かに20Aのリレー出力を8点搭載していた。予想は当たったように見える。ところが同じページの見出しをよく見ると、そこには「TC12-0A・TC12-0G」と、聞いたことのない型式が並んで書かれていた。

型番の骨格——シリーズ番号は世代を、ハイフン以降は仕様の組み合わせを運ぶ

TCminiは、東芝産業機器システムが取り扱い、製造は芝浦機械が行うボード型PLCである。型番は「TC」のあとに続く数字でシリーズが決まり、ハイフンのあとの数字・アルファベットで個別の機種が決まるという2階建ての構造を持つ。ここまでは他社のPLCとも共通する作りだ。

違うのは、シリーズ番号が運ぶ情報の中身である。芝浦機械の製品ラインナップページには、現行5シリーズがそれぞれ一言で性格づけされている。TC9シリーズは「超小型安価型」で名刺サイズ、TC13シリーズは同じく「超小型安価型」だが「TC9シリーズの上位機種」、TC5シリーズは「統合型」、TC11シリーズは同じく「統合型」だが「TC5シリーズの上位機種」でネットワーク機能を強化、TC12シリーズは「機械制御における必要機能をコンパクトに搭載した安価型」——つまり汎用型。数字が大きいほど高機能というより、9→13、5→11という組でそれぞれ世代が進み、12は12で独立した安価路線を保っている。

この世代関係は、モデルチェンジのたびに型番をリセットする方式ではなく、旧シリーズを残したまま上位シリーズを並走させる方式でもある。事実、2026年4月にリリースされたばかりのTC13-00は、TC9-00と同じ90×60mmの名刺サイズを保ちながら、Modbus RTUマスター機能を標準搭載して最大16台のスレーブ機器を制御できるようになった。TC9シリーズはそのまま販売が続いており、TC13は「置き換え」ではなく「上位の選択肢が増えた」という関係にある。

一方、ハイフンのあとの「-00」「-02」「-03」「-01」「-0A」には、この手のシリーズ横断の規則は見当たらない。TC9シリーズには00と03しかなく、01・02は存在しない。TC11シリーズには00・02・03があるが01がない。TC12シリーズには01・02・0Aがあるが00も03もない。もし末尾の数字が「00=標準、01=通信強化、02=カレンダー追加、03=温度強化」のような共通コードだったなら、どのシリーズにも同じ並びが揃うはずだが、実際には各シリーズが必要になった構成だけを、その都度末尾に割り当てているように見える。

実機への当てはめ——現行9機種の仕様表と、消えたTC02V

東芝産業機器システムの製品ページと、芝浦機械の仕様比較表を突き合わせて、現行機種の主要仕様を一覧にする。

型式シリーズの位置づけ電源電圧使用温度範囲外部入力外部出力アナログ入力通信機能カレンダー機能外部寸法(W×H×D)
TC9-00TC9(超小型安価型)DC5V0~55℃接点入力8点トランジスタ出力8点サーミスタ2点/0-5V 2点RS485 1chなし90×60×15mm
TC9-03TC9DC5V0~60℃接点入力8点リレー出力8点サーミスタ2点/0-5V 2点RS485 1chなし130×80×37mm
TC13-00TC13(TC9の上位機種)DC5V0~55℃接点入力8点トランジスタ出力8点サーミスタ2点/0-5V 2点RS485 1ch(Modbus RTUマスタ標準)なし90×60×13.5mm
TC11-00TC11(TC5の上位機種)DC24V0~60℃―(CUnet経由のリモートI/O前提)RS232C 1ch/RS485 1ch/CUnet 1ch/Ethernet 1chなし115.2×72×18mm
TC11-02TC11DC5V0~60℃フォトカプラ入力16点リレー出力16点サーミスタ4点+切替式4点RS232C 1ch/RS485 3ch/CUnet 1ch(※)/Ethernet 1chあり220×135×40mm
TC11-03TC11(熱電対対応)DC24V-10~60℃フォトカプラ入力8点リレー出力8点+トランジスタ出力4点熱電対5点ほかRS232C 1ch/RS485 1ch(※)なし200×150×20mm
TC12-01TC12(汎用安価型)DC5V0~60℃フォトカプラ入力12点リレー出力12点サーミスタ4点+0-5V 2点RS232C 1ch/RS485 1chなし180×100×37mm
TC12-02TC12DC5V0~55℃フォトカプラ入力16点リレー出力(AC250V,3A)16点サーミスタ4点+0-5V 2点RS232C 1ch/RS485 1chあり220×135×39mm
TC12-0ATC12(パワーリレー20A)DC5V0~60℃接点入力8点リレー出力(AC250V,20A)8点サーミスタ2点+0-5V 2点オプション(RS485 1ch)※標準は通信機能なしなし125×75×45mm

(※印はオプション実装可能な項目。出典:芝浦機械「仕様比較表」、東芝産業機器システム「TCmini」製品ページ)

表を眺めていて意外だったのは、TC11-00の外部入力・外部出力・アナログ入力の欄が軒並み「なし」になっていることだ。TC11シリーズは「TC5の上位機種」でネットワーク機能を強化したモデルという説明だったから、上位機種なら入出力も豊富だろうと思い込んでいた。ところが実際のTC11-00は、CUnet・Ethernet・RS485・RS232Cという通信インタフェースに特化した「ネットワークのハブ」で、デジタルI/Oもアナログ入力も自前では持たない設計になっている。芝浦機械の製品ページにも「リモートI/Oや拡張ボードを接続することでお客様のシステムにマッチしたI/O構成を安価に実現」とあり、TC11-00は単体で動く制御器というより、他のI/Oモジュールをぶら下げるための親機として位置づけられている。

もう一つ気になったのが、東芝産業機器システムのカタログに載っている「TC02V」だ。寸法190×135×28mm、フォトカプラ入力12点とパルス入力1点、RS232C 1ch・RS485 2ch——この仕様は表の9機種のどれとも一致しない。ところが芝浦機械の現行ラインナップ(TC5・TC9・TC11・TC12・TC13の各シリーズ一覧)にも、販売終了モデルの一覧(TC3-00・TC3-01・TC7-00・TC7-01/02)にも、TC02Vという名前は出てこなかった。掲載されている以上、現時点で取り寄せ自体はできると思われるが、型式の位置づけ(どのシリーズの派生なのか)は芝浦機械のサイト上では確認が取れなかった、というのが正直なところである。

現場で間違えやすい点

一つ目は、冒頭で自分がやってしまった「末尾のアルファベットは仕様値の略記だろう」という早合点だ。TC12-0Aの「0A」は確かに20Aのリレー出力と符合して見える。だが、この20Aリレーを変えずに通信機能(RS485)だけをオプションで追加した機種は、「TC12-0A」のまま拡張されるのではなく、「TC12-0G」という独立した型式に切り替わる。数字とも仕様値とも対応しない「G」が採用されている以上、末尾の記号は仕様を計算式のように運ぶものではなく、構成の組み合わせごとに振られた管理番号だと考えたほうが実態に近い。

二つ目は、開発ツールをひとまとめに「TC-WORX」と思い込むことだ。ラダー編集ソフトそのものはTC-WORXで全機種共通だが、東芝産業機器システムのFAQには「TCminiとPCを接続する変換器SI595U(TC11シリーズは市販USBケーブル)」という注記がある。芝浦機械の仕様比較表でも、TC13・TC11シリーズの開発ツール欄は「TC-WORX」、TC12・TC9シリーズの欄は「SI595Uパック」と書き分けられていた。古い世代のTC12・TC9をPCにつなぐには、市販USBケーブルではなく専用の変換器(SI595U)をセットで用意する必要がある。

三つ目は、TC12-0Aの通信機能を標準搭載だと思い込むことだ。表のとおり、TC12-01・TC12-02はRS232C・RS485を標準搭載しているのに対し、TC12-0Aは通信機能そのものがオプション扱いで、標準構成では通信ポートを持たない。パワーリレー(20A)という目立つ機能を優先した分、通信インタフェースは削られている。

四つ目は、「TC3」という型番を古い記憶のまま検索してしまうことだ。芝浦機械の販売終了モデル一覧によれば、旧「TC3-01」の後継機種は現行の「TC12-01」であり、旧「TC3-00」には後継機種がないと明記されている。ところが現行の型番一覧に立ち返ると、「TC3」はいまPLC本体ではなく、TC12シリーズなどに接続する操作パネルの型式(TC3-P01・TC3-P02)として使われている。同じ「TC3」という文字列が、世代によって指すものが違う。

実務上の注意点——機種変更はソフトの互換性頼みにできる範囲が決まっている

東芝産業機器システムのよくあるご相談には「TCminiシリーズのソフトには機種間で互換性があります。ご使用中の機種が製造中止となった場合でも、一部I/O・レジスタのアドレス修正(お客様プログラムで使用している分のみ)のみで、容易に移植が可能です」とある。旧型のTC12・TC9系から現行のTC11・TC13系へ更新する場合、ラダープログラムを一から書き直す必要はなく、使用しているアドレスの読み替えで済む可能性が高い。

ただし、これはあくまで「ソフト側の言語・命令体系」が共通だという話であって、ハードウェアの仕様まで同じという意味ではない。表で見たとおり、TC11-00は自前のI/Oを持たない設計であり、TC12-0Aは通信機能がオプション扱いだ。移行先の機種を決める前に、必要な入出力点数・通信インタフェース・電源電圧(DC5VかDC24Vか)が現行機種でどう配分されているかを、芝浦機械の仕様比較表で確認しておく必要がある。特に電源電圧はTC9・TC12・TC13がDC5V、TC11-00とTC11-03がDC24Vと機種によって分かれているため、電源回路をそのまま流用できるとは限らない。

東芝産業機器システム扱いTCminiの型番確認・見積りについて

電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、制御盤に組み込まれたTCmini基板の型番から、シリーズの位置づけ、必要な入出力・通信機能、後継機種の有無までの確認に対応している。ラベルの型式表記が薄れて読み取りにくい場合や、TC02Vのように現行ラインナップとの対応が定かでない型式については、基板の写真を添えてもらえると照合が早い。

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よくある質問

TC9-00とTC13-00はどちらも名刺サイズだが、何が違うのですか?

外形寸法はTC9-00が90×60×15mm、TC13-00が90×60×13.5mmとわずかに薄くなっています。それ以上に違うのは通信機能で、芝浦機械の製品ページによればTC13-00はModbus RTUマスター機能を標準搭載しており、最大16台までのスレーブ機器を1台のTCminiから制御できます。芝浦機械はTC13シリーズを「TC9シリーズの上位機種」と明記しており、2026年4月1日にTC13-00をリリースしたばかりの新しい系列です。

型番末尾の「-0A」はパワーリレーの20Aを表す記号ですか?

そう見えますが、確認は取れませんでした。芝浦機械のTC12-0A製品ページの見出しは「TC12-0A・TC12-0G」となっており、TC12-0Aと同じ20Aリレー出力を持ちながら通信機能(RS485)をオプションで追加した機種は、末尾を保ったまま拡張されるのではなく「TC12-0G」という別の型式番号になります。数値と無関係な「G」が割り当てられている以上、末尾の英数字は仕様の値を直接表す記号ではなく、構成の組み合わせごとに振られた識別番号だと考えたほうが安全です。

TC02Vという型式は今も購入できますか?

東芝産業機器システムの製品ページ(2025年10月27日公開、2026年8月17日更新)にはTC02Vの仕様が「TCmini本体」の比較表に掲載されています。ただし製造元である芝浦機械の公式サイト(2026年7月時点で確認)の現行ラインナップ(TC5・TC9・TC11・TC12・TC13の各シリーズ)にも、販売終了モデルの一覧にもTC02Vという型式は見当たりませんでした。型式名だけで在庫・仕様を判断せず、現物のラベル表記と合わせてお問い合わせいただくことをおすすめします。

制御盤の更新でTCminiの機種が変わっても、ラダープログラムは使い回せますか?

東芝産業機器システムのよくあるご相談によれば、TCminiシリーズはソフトウェアに機種間の互換性があり、使用中の機種が製造中止になった場合でも、使用しているI/O・レジスタのアドレスを修正するだけで移植できるとされています。ただし本体の入出力点数や標準搭載の通信機能は機種ごとに異なるため、移行前に芝浦機械の仕様比較表で新旧機種の仕様を照合しておく必要があります。

参考文献・出典

  • ボード型PLC(TCmini)|芝浦機械株式会社 (「TCminiとは」の説明、TC13・TC11・TC12・TC5・TC9各シリーズの一覧と一言説明、News「2026年4月1日 TCmini新シリーズTC13-00をリリースしました」(HTTPヘッダのLast-Modified: 2026年7月13日))
  • 仕様比較表|芝浦機械株式会社 (標準機仕様比較表①(TC13-00・TC11-00・TC11-02・TC11-03)、②(TC12-01・TC12-02・TC12-0A・TC9-00・TC9-03)の電源電圧・使用温度範囲・処理時間・プログラム容量・外部入力/出力・アナログ入出力・通信機能・カレンダー機能・内部リレー等・外部寸法・ソフトウェア開発ツールの一覧(Last-Modified: 2026年7月13日))
  • TC9シリーズ製品一覧|芝浦機械株式会社 (「超小型安価型のTCminiです。名刺サイズで組み込みやすい外形です」という位置づけの説明、TC9-00・TC9-03の一言紹介)
  • TC13シリーズ製品一覧|芝浦機械株式会社 (「超小型安価型のTCminiです。TC9シリーズの上位機種になります」という記載、TC13-00の紹介文)
  • TC13-00|芝浦機械株式会社 (「外形はわずか90mm×60mm(名刺サイズ)」「Modbus RTUマスター機能を標準搭載しており、最大16台までのスレーブ機器の制御が可能」という特長、仕様表(DC5V・0~55℃・RS485 1ch・寸法90×60×13.5mm))
  • TC11シリーズ製品一覧|芝浦機械株式会社 (「統合型のTCminiシリーズ(ボード型PLC)です。TC5シリーズの上位機種になります。ネットワーク機能を強化しており」という記載、TC11-00・TC11-02・TC11-03の一言紹介)
  • TC11-00|芝浦機械株式会社 (「ネットワーク接続に特化した超小型のボード型PLC」という特長説明、CUnet対応(最大64ノード・最速12Mbps・最長300m)の説明、仕様表(DC24V・0~60℃))
  • TC12シリーズ製品一覧|芝浦機械株式会社 (「機械制御における必要機能をコンパクトに搭載した安価型TCminiシリーズ」という位置づけ、TC12-01・TC12-02・TC12-0Aそれぞれの一言紹介(カレンダー機能、パワーリレー出力20Aなど))
  • TC12-0A|芝浦機械株式会社 (見出し「TC12-0A・TC12-0G」、仕様表の通信機能欄「オプション(RS485 1ch)※オプション型式「TC12-0G」」という記載、外部出力「リレー出力(AC250V,20A)8点」)
  • TC5シリーズ製品一覧|芝浦機械株式会社 (「統合型のTCminiシリーズです」という位置づけ、TC5-02・TC5-03の一言紹介)
  • TC5-03|芝浦機械株式会社 (「外形200mm×150mmと制御盤に組込やすいコンパクトサイズ」という記載(仕様比較表のTC11-03と同一寸法)、仕様表(DC24V・0~60℃))
  • 標準パネル|芝浦機械株式会社 (現行の標準パネル型式としてTC3-P01・TC3-P02・TC5-P00が並ぶこと(TC3という型番が現行ではPLC本体でなく操作パネルの型式名として使われている))
  • 販売終了モデル|芝浦機械株式会社 (TC3-00(後継機種なし)、TC3-01(後継機種TC12-01)、TC7-00(後継機種なし)、TC7-01・02(後継機種なし)という一覧)
  • 芝浦機械製 ボード型PLC TCmini|東芝産業機器システム株式会社 (標準機仕様比較表(TCmini本体:TC02V・TC11-00・TC11-02・TC11-03・TC12-01・TC12-02・TC12-0A・TC9-00・TC9-03の寸法・デジタル入出力・アナログ入出力・通信機能一覧)、よくあるご相談Q4「開発専用マシンや評価用ボードは無く、実機TCmini本体、TC-WORXをインストールしたWindows PC、TCminiとPCを接続する変換器SI595U(TC11シリーズは市販USBケーブル)があれば最低限の環境が整います」、Q5「TCminiシリーズのソフトには機種間で互換性があります」(News「2025年10月27日公開」、HTTPヘッダのLast-Modified: 2026年8月17日))
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