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未来工業の露出スイッチボックスの型番はどう読むのか|SW1・SW2とFGが示す方出数・適合管、そして「無印の色」が入れ替わる理由

読了目安: 10分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

見積書に並んだ二つの品番を見比べる。「SW1-22」と「SW1-22FG」。どちらも未来工業の露出スイッチボックスで、同じ「22」という数字が入っている。前者はいつも通りの発注で問題なく届いた。ところが後者を同じ感覚で頼んだ現場から、「グレーを頼んだつもりなのにベージュが届いた」と連絡が入る。

品番のどこにも「ベージュ」とも「グレー」とも書かれていない。数字はどちらも22で同じ。違うのは末尾に付いた「FG」の2文字だけだ。この2文字が、品番に何も書かないときの色そのものを、グレーからベージュへとひっくり返している。

未来工業の露出スイッチボックス、SW1・SW2シリーズ(JIS C8435)の品番を、公式価格表に基づいて分解する。

型番の骨格——頭の数字が方出数、次の数字が適合管、色は末尾の記号

結論から言うと、この品番は「SW+方出数(1か2)+ハイフン+適合管の呼び径+色記号」という組み立てでできている。SW1-22であれば、1方出、適合管はVE16・22、色は末尾に何も付かないパターン。公式価格表の該当行を見ると、この読み方どおりの製品がそのまま並んでいる。

頭の「SW1」「SW2」は方出数(電線管を接続できる方向の数)を表す。1方出はボックスの一面だけに電線管の差込口があり、2方出は差込口が二面に分かれている。価格表を1方出・2方出で分けて見ると、この頭の数字以外はすべて共通の構成で並んでいるので、方出数だけがこの数字の役割だとわかる。

ハイフンの後ろの数字、14・16・22・28は、そのボックスが受け付ける電線管のサイズだ。ただし適合管の欄を見ると、SW1-14はVE14専用だが、SW1-16はVE14・16、SW1-22はVE16・22、SW1-28はVE22・28と、ひとつ下のサイズも同時に受け付けている。「1サイズ下のVE管も使用できるスリーブ付」という注記のとおり、サイズ14を除く全サイズに変換スリーブが同梱されているためだ。品番の数字は、そのボックス自体の呼び名であって、対応管のサイズを一つに絞り込むものではない。現場にひとつ小さい管が余っていても、多くの場合そのまま使えるという意味でもある。

末尾のアルファベットは色と個数(ヶ用)を表す。2ヶ用(スイッチプレート2枚分の横長ボックス)には色記号の前に「W」が挟まる。SW1-22の2ヶ用はSW1-22W、という具合だ。ここまでは素直な足し算の型番に見える。

品番のすぐ横には「高耐候性」「耐衝撃性 HI」という表示も添えられている。JIS C8435(配線用スイッチボックス及びこれに附属するプレート類)への適合マークとあわせて価格表に掲載されているもので、型番の記号そのものには現れないが、露出配管という屋外・準屋外の使用環境を前提にした性能表示だと読める。

分解——色記号だけ、VE管用とPF管用で意味が逆になる

ここで色の記号を、価格表の並びどおりに整理してみる。

シリーズ無印(記号なし)JMH
VE管用(SW1/SW2)グレーベージュミルキーホワイト(使用しない)
PF管用(SW1FG/SW2SFG、Gタイプ)ベージュ(使用しない)ミルキーホワイトグレー

Mはどちらのシリーズでもミルキーホワイトを指しており、ここは共通だ。ところが「無印」が指す色が、VE管用ではグレー、PF管用ではベージュとまったく逆になっている。ベージュを表す記号自体も違っていて、VE管用は「J」を付けて初めてベージュになるのに対し、PF管用は何も付けない状態がすでにベージュだ。グレーも同じ関係が裏返っていて、VE管用は無印、PF管用は「H」を付けて初めてグレーになる。

冒頭のSW1-22とSW1-22FGの食い違いは、まさにこの逆転が引き起こしたものだ。SW1-22(VE管用・無印)はグレー。SW1-22FG(PF管用・無印)はベージュ。「無印なら定番色のはず」という感覚のままシリーズをまたぐと、色がそっくり入れ替わる。

驚きのある発見——2ヶ用のPF管対応ボックスには、ミルキーホワイトの設定そのものがない

色の逆転を確認していて、もうひとつ気づいたことがある。PF管用シリーズの2ヶ用の価格表を見ると、ミルキーホワイト(M)の列がすべての行で空欄になっている。SW1-16WFGにはベージュ(無印)とグレー(H)の品番はあるが、ミルキーホワイトに相当する「SW1-16WFGM」は表のどこにも存在しない。1ヶ用のPF管対応ボックスにはSW1-16FGMというミルキーホワイト品番がきちんとあるので、これは表の掲載漏れではなく、「PF管対応・2ヶ用」という組み合わせにはミルキーホワイトという選択肢自体が用意されていない、ということになる。

念のため2ヶ用のVE管用シリーズも確認したが、こちらはSW1-16WJ(ベージュ)・SW1-16WM(ミルキーホワイト)・SW1-16W(グレー)と3色ともそろっている。ミルキーホワイトが欠けるのは、PF管対応かつ2ヶ用という、この組み合わせのときだけだった。

なぜそうなっているのか——推測できる部分と、資料が答えない部分

色記号が逆転している理由を、価格表そのものから読み取ることはできない。ただし挙動から逆算すると、ひとつの見方はできる。VE管用シリーズはおそらくグレーを標準色として設計され、そこにベージュ(J)とミルキーホワイト(M)を追加色として後から記号で足していった。PF管用シリーズはおそらくベージュを標準色として設計され、そこにミルキーホワイト(M)とグレー(H)を追加色として足していった。同じ会社の同じ用途の製品でも、シリーズが立ち上がった時点でどちらの色を「標準」に置くかが違っていた、という筋書きは成り立つ。ただし、これはあくまで型番の並びから逆算した推測であって、なぜ標準色をシリーズごとに変えたのかという理由は公式資料のどこにも明記されていない。

もうひとつ気になる符号が、PF管用の品番に見える「S」だ。SW1-22FGSとSW1-22FGを見比べると、どちらも適合管はPF管22・外径39.3mmで共通なのに、高さ(H)だけがSW1-22FGSは41mm、SW1-22FGは49mmと8mm違う。サイズ16(SW1-16FG、H41mm)にはS付きの品番が存在せず、サイズ28(SW1-28FG、H49mm)にも存在しない。つまりSが付くのはサイズ22だけで、しかも高さの低いほうに付いている。この並びから見る限り、Sは浅型(高さの低いタイプ)を指す記号だと考えるのが自然だ。ただし、これも価格表の数字を突き合わせて導いた推測であって、「S=浅型」という説明そのものが公式資料の文章として書かれているわけではない。

現場での実務的な注意点

見積書や現物の品番を見るとき、まず末尾に「FG」が付いているかどうかを確認したい。付いていればPF管対応、付いていなければVE管対応で、そもそも接続できる電線管の種類が違う。次に、色を無印の品番だけで判断しないことも重要になる。同じ「無印」でも、FGが付くかどうかでグレーとベージュが入れ替わるという、ここまで見てきた逆転がそのまま当てはまるからだ。

2ヶ用でPF管対応のボックスをミルキーホワイトで揃えたい場合は、その組み合わせの品番自体が存在しない点にも注意したい。現場の配色を統一したいときに、1ヶ用はミルキーホワイトで発注できたのに2ヶ用だけ色がそろわない、という事態が起こり得る。色・個数(ヶ用)・適合管の3条件をまとめて品番表と突き合わせておくと、この行き違いを防げる。

適合管の欄がVE14・16のように2つのサイズをまたいで書かれている品番は、購入した時点でスリーブが同梱されている点も覚えておきたい。現場にVE14の余りがあるときにSW1-16を選んでも、多くの場合そのまま接続できる。

入数(1箱あたりの入り数)にも1ヶ用と2ヶ用で差がある。価格表を見ると、1ヶ用は20個入、2ヶ用は10個入とちょうど半分になっている品番が多い。最小入数はどちらも1と表示されているためバラでの取り寄せ自体は可能だが、まとまった数量を発注する際は、この入数の違いを踏まえて箱単位の必要数を計算しないと、想定より多めに発注してしまうことがある。

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冒頭のSW1-22とSW1-22FGに戻る。前者はグレー、後者はベージュ。同じ数字、同じメーカー、同じ用途のボックスでありながら、無印の色がシリーズをまたいだだけで入れ替わっている。この逆転を知らずに品番だけで発注すると、現場に届いてから色の食い違いに気づくという場面は、今後も起こり得る。

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