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未来工業VE管の型番はどう読むのか|VE-16だけ内径が18mmと「呼び」より大きくなる理由

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

VE-16という品番を初めて見たとき、多くの人は「16mmの管」だと考える。呼び方の慣習からすればそれは自然な直感だ。ところが実際にノギスを当ててみると、内径は18mmある。16という数字はどこにも見当たらない。

これは測り間違いでも印刷ミスでもない。未来工業の公式価格表・JIS C8430の規格本文・施工要領PDF、性格の異なる3つの資料がそろって同じ値を示している。硬質塩化ビニル電線管(VE管)の型番は、内径をそのまま名乗っているわけではないのだ。ただし、その「ズレ方」は一様ではない。サイズによって内径が呼びより大きくなったり小さくなったりし、しかもその境目がVE-16というかなり手前のサイズに現れる。公式資料の数字を並べて、型番の読み方とそのクセを確認する。

結論——VE管の「呼び」は概略内径に近い名称だが、VE-16だけ逆向きにズレる

未来工業のVE管の品番は、「VE(材質記号)+ハイフン+呼び(mm)+色・付属記号」という組み立てでできている。JIS C8430:2019の6.1では、この規格が定める管の記号を「VE」と規定しており、続く数字は外径でも実測内径でもなく「呼び」と呼ばれる規格上の名称だ。

多くのサイズでは、呼びの数字は「概略内径(実測でおおよそこの値になる内径)」に近い。VE-14なら概略内径14mm、VE-22なら22mm、VE-28なら28mmと、呼びの数字がそのまま概略内径になっている。ここまでは素直に読める。

ところが、VE-36以上のサイズでは概略内径が呼びより小さくなっていき、その差はサイズが大きくなるほど開く。そして最も紛らわしいのが、逆方向にズレるVE-16だ。VE-16の概略内径は18mmで、呼びの16という数字より大きい。他のサイズとズレの向きが違う、つまり例外の中の例外がここにある。

型番の分解——「VE」が材質と規格を、ハイフン後の数字が呼びを、末尾記号が色を決める

VE管の型番の骨格はシンプルだ。先頭の「VE」はJIS C8430が定める硬質ポリ塩化ビニル電線管の記号で、材質と規格への適合を示す。ハイフンに続く数字が呼び、その後ろに付くアルファベット(無印・M・H・DBなど)が色を表す。未来工業の価格表PDFによれば、無印がベージュ、Mがミルキーホワイト、記号なしのVE-16のような品番がグレー、DBが濃紺だ。

呼びのラインアップは10・14・16・22・28・36・42・54・70・82・100の11サイズ。ただし価格表PDFには「JIS C8430(サイズ10、100は除く)」という注記があり、実際にJIS C8430:2019の表2にもVE10とVE100は載っていない。両端のサイズだけはJIS規格の対象外で、VE100については「VP管100サイズと寸法の互換性があります」と別途注記されている。つまりVE管の呼びの体系は、JISが正式に定義する14〜82の9サイズと、その外側にメーカー独自で用意された10・100という構成になっている。

実機への当てはめ——3つの公式資料を突き合わせる

呼びと実測値の対応を、実際に確認できた数字で並べてみる。

呼び外径(φD、mm)概略内径(mm)呼びとの差
VE1014100
VE1418.0140
VE1622.018+2
VE2226.0220
VE2834.0280
VE3642.035−1
VE4248.040−2
VE5460.051−3
VE7076.067−3
VE8289.077−5
VE1001141000

この数字は、未来工業の価格表PDF、JIS C8430:2019の規格本文(表2)、そして同社の施工要領PDF「硬質ビニル電線管(J管)&付属品の施設場所、施工要領」の3資料で完全に一致している。別々の目的で作られた資料が同じ数字を返している以上、単発の誤記ではなく、規格として定められた寸法だと見ていい。

表を上から追うと、VE10・VE14・VE22・VE28・VE100の5サイズは呼びと概略内径がぴったり一致する。ここだけを見ていれば「呼び=内径」という思い込みは強化される一方だろう。ところがVE16で符号が反転し、VE36以降は今度は呼びより内径が小さい方向にズレていく。しかもその差はVE36の−1からVE82の−5まで、サイズが大きくなるほど拡大する。呼びという数字は、内径の実測値をそのまま名乗る仕組みではなく、規格上の区分に付けられた名称に、たまたま小サイズ側で内径が近い値になっている、と理解したほうが実態に近い。

現場で間違えやすい点——VE-16の逆転、PF管との外径差、そしてドレンパイプとの名前のズレ

まず本題のVE-16。内径が呼びより大きい(18mm>16mm)という事実は、電線を通す容量の面では問題を起こしにくい。むしろ想定より余裕があるという方向のズレだからだ。危険なのは外径のほうである。VE-16の外径は22mmで、これはコネクタやボックスのノックアウト穴との適合を検討するときに効いてくる。未来工業の「2号コネクタ」仕様書を見ると、VE16に適合するノックアウト径は「φ27・22(25)兼用」という表記になっており、VE16自身の外径22mmとも、隣のVE14用のφ27とも単純には対応しない。呼びの数字だけで穴のサイズを類推しようとすると、ここでも一段階ズレることになる。

次に、系列をまたいだときの落とし穴だ。同じ未来工業の製品でも、PF管(ミラフレキSS)とVE管では、同じ呼びの数字でも外径が違う。仕様書によれば、PF管のMFS-22は外径30.5mm、VE管のVE-22は外径26mmで、4.5mmの差がある。興味深いのは呼び16の扱いで、PF管のMFS-16は外径φ23・近似内径φ16と、16という数字が近似内径にきれいに一致する。ところが同じ「16」でもVE管のVE-16は内径18mmとズレる。同じ会社の同じ「16」という数字が、製品系列によって「ぴったり合う16」と「合わない16」の両方の顔を持っている。

もうひとつ、製品カテゴリをまたいだ名前のズレもある。未来工業の公式FAQによれば、ドレンパイプ(DP-14・16・20)は硬質ビニル電線管(VE-14・16・22)の代用として使用可能で、その理由は「外径が同じ」だからだと説明されている。ここで対応しているのはDP-20とVE-22だ。同じ外径の管に、電線管側では「22」、ドレンパイプ側では「20」という別の呼び方が付いている。呼びという数字は製品カテゴリごとの命名規則であって、物理的な外径そのものを表す共通言語ではない。

実務上の注意点

発注前にまず確認したいのは、呼びが指しているのが「概略内径に近い名称」であって、外径でもなければ全サイズで内径と一致する保証もない、という前提だ。通線予定の電線本数から呼びを選定する際は、未来工業の施工要領PDFに電線太さ・本数ごとの必要な管の呼びを示した表があり、内線規程3115節-4に準拠しているとされている。太い電線を複数本まとめて通す設計では、この表を都度確認したほうがいい。

コネクタやボックスとの適合を検討する場面では、外径基準で図面が指示されているのか、呼び基準で指示されているのかを先に切り分ける。VE16のように、呼びの数字・概略内径・適合ノックアウト径の3つがそれぞれ違う値を取るサイズでは、どの基準で会話しているかがずれるだけで発注ミスにつながりやすい。

現場で曲げ加工を行う場合は、公式施工要領が示す加熱温度120〜130℃を目安に、管を回しながらトーチを管長手方向にゆっくり上下させて均一に炙る。炙りすぎると管表面が融解して泡状の盛り上がりが出るとされ、曲げ半径は管内径の6倍以上を確保する必要がある。また、VE管の熱膨張係数は金属管の約6倍とされ、直線8m程度ごとに伸縮カップリングを設ける施工要領になっている。金属電線管との比較では、未来工業の公式FAQが軽量・接地工事不要・錆びないという利点と、金属管より強度に弱いという弱点の両方を挙げている。材質はポリ塩化ビニル(PVC)で難燃性があるとされるが、耐燃性の詳細な等級については個別の説明資料を確認したほうがいい。

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冒頭のVE-16に戻る。内径18mm、外径22mm、呼びは16。3つの数字のうち、品番に現れているのはどれでもない。呼びという言葉が指しているのは、規格が割り振った区分の名前であって、現物のどの寸法とも完全には一致しない。VE-14・VE-22・VE-28あたりまでは呼びと内径がたまたま重なるため、この事実に気づく機会は少ない。だからこそ、VE-16の発注書を前にしたときだけは、呼びの数字をそのまま信じず、公式資料の概略内径・外径の欄を一度開いてみる価値がある。

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よくある質問

VE-16の「16」はミリ単位の何を表していますか?

外径でも内径でもなく、JIS C8430が定める「呼び」という規格上の名称です。公式資料によればVE-16の外径は22mm、概略内径(管内径)は18mmで、どちらも16という数字とは一致しません。VE-14やVE-22・VE-28では呼びの数字が概略内径とほぼ一致するため紛らわしいのですが、VE-16だけ内径のほうが呼びより大きくなる例外です。

VE-36の概略内径が35mmなのは誤植ではないのですか?

誤植ではありません。未来工業の価格表・施工要領PDFとJIS C8430:2019の規格本文(表2)の3点とも、VE-36の概略内径をφ35と記載しています。同様にVE-42はφ40、VE-54はφ51、VE-70はφ67、VE-82はφ77というように、サイズが大きくなるほど呼びの数字と概略内径の差も開いていきます。

PF管とVE管で同じ「22」という数字は同じ太さを意味しますか?

いいえ。未来工業の仕様書によれば、PF管(ミラフレキSS)のMFS-22は外径30.5mm、VE管のVE-22は外径26mmで、4.5mm差があります。呼びの数字が同じでも、製品系列が違えば外径は別物です。ボックスのノック穴やコネクタとの適合を外径基準で検討する場合は、系列をまたいで数字だけを揃えないよう注意が必要です。

VE管は現場で曲げ加工できますか?

できます。未来工業の公式施工要領によれば、加熱温度は120〜130℃とし、管を回しながらトーチを管長手方向にゆっくり上下させて広範囲を均一に炙ります。炙りすぎると管表面が融解して泡状の盛り上がりが出るため注意が必要です。曲げ半径は管内径の6倍以上を確保します。

参考文献・出典

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