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スミチューブAの呼称サイズ表示はどう読むのか|「3×0.2」が実測内径3.6mmとズレる理由

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

制御盤の端末処理で、発注書に「スミチューブA 3×0.2」と書いてある。届いた現物を測ってみると、内径は3.6mmある。発注書の数字は3のはずなのに、なぜ0.6mmもズレているのだろう。検品担当者がノギスを当て直し、型番の見間違いを疑い、それでも数字は動かない——そんな戸惑いに一度でも出会ったことがあれば、この記事はその答え合わせになる。

結論——「3×0.2」の3は呼び名、0.2は肉厚の参考値

住友電工ファインポリマーが公開するスミチューブAの製品仕様書(仕様書番号R4-0180)のサイズ表を確認すると、答えは単純だ。「呼称サイズ3×0.2」の「3」は、収縮前の実測内径(3.60±0.30mm)とは別に付けられた製品の呼び名の数字であり、実測値そのものではない。そして「0.2」は、収縮前の肉厚の参考値(mm)を指す。つまり「呼称サイズ」という表示は「内径の呼び名×収縮前肉厚(参考値)」という組み合わせであって、そこに書かれた数字を現物のどこかの寸法として直接測ろうとすると、必ず食い違いにぶつかる仕組みになっている。

検品でノギスが3.6mmを指すのは、間違いでも不良品でもない。仕様書のサイズ表が最初からそう規定しているからだ。

表示を分解する——仕様書のサイズ表が持つ4段組

仕様書のサイズ表は、4つの列グループでできている。左から「呼称サイズ(mm)」、「収縮前サイズ(mm)」(内径・肉厚(参考値)の2列)、「収縮後サイズ(mm)」(内径(最大値)・肉厚の2列)、「単長(最小値)(m)」(切断品・リール巻の2列)という並びだ。

このうち「呼称サイズ3×0.2」の行を実際に抜き出すと、次のような数値が並ぶ。

  • 呼称サイズ:3×0.2
  • 収縮前サイズ 内径:3.60±0.30mm/肉厚(参考値):0.20mm
  • 収縮後サイズ 内径(最大値):1.80mm/肉厚:0.40±0.10mm
  • 単長(最小値) 切断品:1m/リール巻:200m

呼称サイズの「3」は収縮前サイズ内径の列とは別の列に立てられた見出しの数字であり、実測の内径(3.60mm)はその隣の独立した列に記載されている。同じ表の他の行を見ても、この構造は一貫している。呼称「6×0.25」の実測内径は6.5±0.3mm、呼称「12×0.3」は12.4±0.4mm、呼称「25×0.3」は25.5±0.5mmだ。yamlデータに記載されている4つの代表サイズ(3×0.2・6×0.25・12×0.3・25×0.3)はいずれも、この仕様書の数値とそのまま一致する。

数字が食い違って見えるのは検品のミスではなく、呼称サイズという表示方式そのものの設計だ、とここでいったん飲み込んでおきたい。

なぜ呼び名と実測値がズレるのか——ズレ幅はサイズごとに縮んでいく

ではなぜ、呼び名の数字は実測値より小さいのか。仕様書には理由の説明こそないが、全22サイズの数値を並べると、ズレ幅に規則性が見えてくる。

呼称1.5〜5の帯では、収縮前内径は呼称の数字より一律0.60mm大きい(例:呼称5×0.2→実測5.60mm)。呼称6〜11の帯ではズレ幅が0.50mmに縮み(例:呼称10×0.25→実測10.5mm)、呼称12〜22の帯ではさらに0.40mmまで縮む(例:呼称20×0.3→実測20.4mm)。最大サイズの呼称25だけはズレ幅が0.50mmに戻り、実測25.5mmとなる。

小さいサイズほど呼び名に対する実測値の上乗せ幅が相対的に大きく感じられ、太いサイズに近づくほど誤差として気にならない水準に収束していく——という並びだ。この上乗せ幅がどのような製造上の理由で段階分けされているのかまでは仕様書に記載がなく、ここから先は仕様書の数値を超える推測になるため踏み込まない。事実として押さえておくべきは「呼称サイズの数字は実測内径そのものではなく、しかもそのズレ幅はサイズ帯によって変わる」という一点だ。

2:1収縮比という表現の実態——「ちょうど半分」になるのは一部のサイズだけ

スミチューブAの基本特性欄には「収縮率/内径収縮率 約40%」という記載がある。これとは別に、業界では「2:1収縮比」という表現もよく使われる。加熱すると内径がおおむね半分になる、という意味合いだ。

だが仕様書のサイズ表を実測値で追うと、この「半分」が正確に成り立つのは一部のサイズに限られることがわかる。呼称3×0.2は収縮前内径3.60mmに対し収縮後内径(最大値)が1.80mmで、これはきっちり半分だ。ところが呼称6×0.25は収縮前6.5mmに対し収縮後(最大値)3.50mmで、比率は約54%。呼称12×0.3は収縮前12.4mmに対し収縮後(最大値)7.6mmで、比率は約61%まで開く。太いサイズに向かうほど、収縮後内径(最大値)は「ちょうど半分」よりゆるい——つまりあまり縮まなくても仕様を満たす——値に設定されている。

「収縮後内径(最大値)」という列名が示す通り、これは収縮後の内径がこの値以下に収まることを保証する上限値であって、平均的にどこまで縮むかの目安ではない。基本特性欄の「約40%」は製品全体を代表する数値であり、実際に選定に使うべきはサイズごとのこの上限値の方だ。太い電線を通す用途で「2:1だからだいたい半分になるはず」と暗算で見積もると、収縮後の締め付けを過大評価してしまう可能性がある。

実機への当てはめ——現物合わせは呼称サイズの列を跨いで見る

現場で呼称サイズを選ぶときの実務的な手順は、次のようになる。

まず、チューブを通したい電線や端子の外径を実測する。次に、仕様書のサイズ表で「収縮前サイズ 内径」の列を見て、その実測外径よりわずかに大きい値を持つ行を探す。この時点ではまだ呼称サイズの数字(表の一番左の列)を見る必要はない。収縮前内径が決まったら、同じ行の「呼称サイズ」列を読んで、それが発注時の型番表記になる。最後に「収縮後サイズ 内径(最大値)」の列を確認し、その値が電線・端子の外径より確実に小さいこと——つまり収縮後にしっかり締まること——を確かめる。

呼称サイズの数字から先に発注しようとすると、途中で「呼び名の3と実測の3.6のどちらを電線の外径と比べればいいのか」という混乱が起きやすい。比較の起点は常に「収縮前サイズ 内径」の実測値であり、呼称サイズはその実測値に付けられた発注用のラベルだと割り切ると迷いが減る。

現場で間違えやすい点

検品時にノギスで実測した内径が呼称サイズの数字と一致しないことを不良と判断してしまう例は、この表示方式を知らないと起こりやすい。呼称3×0.2の実測内径3.6mmは仕様通りであり、クレームの対象にはならない。

もう一つ間違えやすいのが、呼称サイズの右側の数字を「収縮後の肉厚」と読み違えるケースだ。呼称サイズの「0.2」は収縮前の肉厚(参考値)であり、収縮後の肉厚は表の別欄に0.40±0.10mmのように独立して記載されている。肉厚を基準に絶縁性能を見積もる場合は、参考値である収縮前の数字ではなく、収縮後の肉厚欄を確認する必要がある。

そして、太いサイズになるほど「2:1収縮比だからおおよそ半分になる」という感覚的な見積もりがずれやすい点も、選定段階で見落とされがちだ。仕様書の「収縮後内径(最大値)」の列を必ず確認し、対象物の外径との大小関係を数値で比べることが、締め付け不足を避ける確実な方法になる。

実務上の注意点

発注書や図面に呼称サイズだけを記載する場合、収縮前内径の実測値(例:3.60±0.30mm)まで併記しておくと、受け取った側が現物と照合しやすい。特に社内の検品基準に「内径◯mm以上◯mm以下」という数値基準を設けている場合は、呼称サイズの数字ではなく、仕様書に記載された実測値の範囲を基準にする必要がある。

また、この記事で扱ったサイズ表・数値はスミチューブAの一般用(非難燃)品種のものであり、仕様書の特性表では燃焼性が「非難燃」と明記されている。難燃仕様が必要な用途では別シリーズ(スミチューブB等)の仕様書を個別に確認する必要があり、サイズ表の数値がAシリーズと同一とは限らない点にも注意したい。

スミチューブAの呼称サイズ確認・見積りについて

電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、呼称サイズの型番からの手配はもちろん、電線・端子の外径寸法から適合する呼称サイズを選定する相談にも対応している。図面上の表記が呼称サイズなのか実測寸法なのか判断に迷う場合は、現物の外径を測ってお伝えいただくのが最も確実だ。

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よくある質問

「スミチューブA 3×0.2」の「3」は、収縮前の内径3.6mmのことですか?

いいえ、別の数値です。住友電工ファインポリマーの仕様書(R4-0180)のサイズ表を見ると、「呼称サイズ」欄の「3×0.2」に対応する「収縮前サイズ」欄の実測内径は「3.60±0.30」mmと記載されています。呼称サイズの「3」は製品を区別するための呼び名の数字で、実測の収縮前内径そのものではありません。同じ表では呼称「6×0.25」の実測内径が6.5±0.3mm、呼称「12×0.3」が12.4±0.4mm、呼称「25×0.3」が25.5±0.5mmとなっており、いずれも呼称の数字より実測値の方がわずかに大きい値になっています。

「3×0.2」の「0.2」は何を表していますか?

収縮前の肉厚(参考値)です。仕様書のサイズ表では、呼称サイズの右側の数字が「収縮前サイズ」欄の「肉厚(参考値)」列の数値と一致しています。呼称「3×0.2」なら肉厚参考値0.20mm、呼称「6×0.25」なら0.25mm、呼称「12×0.3」なら0.30mmという対応です。つまり呼称サイズの表示は「内径の呼び名×収縮前の肉厚(参考値、mm)」という組み合わせで、収縮後の肉厚(別欄に0.40±0.10mmなどと記載)とは別の数値です。

スミチューブAの2:1収縮比は、どのサイズでも内径が正確に半分になるということですか?

仕様書のサイズ表を実測値で追うと、正確に半分とは限りません。呼称「3×0.2」は収縮前内径3.60mmに対し収縮後内径(最大値)が1.80mmでちょうど半分ですが、呼称「6×0.25」は収縮前6.5mmに対し収縮後(最大値)3.50mmで約54%、呼称「12×0.3」は収縮前12.4mmに対し収縮後(最大値)7.6mmで約61%です。基本特性欄の「内径収縮率 約40%」は製品全体の代表的な目安であり、収縮後内径(最大値)は保証される上限値としてサイズごとに個別に規定されています。太いサイズほど、収縮後内径は「ちょうど半分」より緩めの値になる傾向があります。

スミチューブAの呼称サイズの見積・購入はどこに頼めますか?

電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)の見積フォームからご相談いただけます。呼称サイズ(例:3×0.2)または実際に通したい電線・端子の外径寸法をお伝えいただければ、適合するサイズの選定からお見積りまで対応します。

参考文献・出典

型番不明でもOK

この記事の内容で、製品選定から相談できます

「スミチューブAの呼称サイズ表示はどう読むのか|「3×0.2」が実測内径3.6mmとズレる理由」に関連する製品を、用途・仕様・写真からお探しします。リンク先には相談内容を入れた状態で用意するため、型番が分からなくてもそのまま進められます。 手書きメモや型番リストの写真・PDFでも依頼できます。

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