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安川電機GA700インバータの型番はどう読むのか|『CIMR-』ではなく『CIPR-』から始まる理由

読了目安: 9分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

冒頭の場面・会話は、内容の理解を助けるための例示です。特定の現場・企業・案件を指すものではありません。

銘板に「CIPR-GA70A2004ABAA-CAAAAA」とある。安川電機のインバータの型式といえばCIMR-から始まるはずだ——A1000やV1000の型式を見慣れた人ほど、そう思って読み始める。ところが4文字目まで読んだところで、その前提は崩れる。CIMRではなく、CIPRなのだ。

見間違いではないかと、公式の「形式の見方」ページを開き直してみる。型式図に描かれている記号の並びは、確かに「CIPR- GA70 A 2 004 A B A A - C A A A A A」。CIMR-という接頭辞は、GA700には存在しない。しかも記号の数を数えてみると、A1000・V1000ではハイフンなしの8個で完結していたところが、GA700ではハイフンを挟んで14個まで伸びている。同じメーカーの同じインバータ製品群のはずなのに、型式の骨格そのものが別物になっている。

安川電機公式の「形式の見方・カタログコードの見方」ページと、2025年12月発行のGA700カタログ(資料番号KAJP C710617 1TI<8>-0)に基づいて、CIPR-GA70という型式が何を確定させ、A1000・V1000から何を引き継ぎ、何を新しく積み増しているのかを分解する。

型式の骨格——8個から14個へ、ハイフンの先に新しい区画ができた

公式の形式説明図が示す型式は、CIPR-GA70A2004ABAA-CAAAAA。頭から順に、1文字目のGA70が製品シリーズ、2文字目のAが仕向地(記号表にはA=日本とだけ定義)、3文字目の2が入力電源電圧クラス(2=三相AC200V級、4=三相AC400V級)。ここまではA1000・V1000と役割の対応が取れる。

違いが出てくるのは4文字目からだ。GA700ではここに電流クラスが直接続き、A1000・V1000にあった「カスタマイズ仕様」という1文字分の枠がない。かわりに5文字目には、A1000・V1000のどちらにも存在しない記号——EMCノイズフィルタが割り当てられている。Aなら内蔵EMCフィルタなし(標準)、Bならカテゴリ C3のEMCフィルタを内蔵し、この場合はCEマーキング(EMC指令)対応品になる。フィルタの有無という、以前は型式の外で扱っていたはずの情報が、型式の中に組み込まれた格好だ。

6文字目が保護構造、7文字目が耐環境向上仕様、8文字目が設計順位——ここまでの8つは、名前も並び順もA1000・V1000とほぼ重なる。だが型式はここで終わらない。ハイフンをまたいだ先に、9文字目から14文字目までの6つの記号が続く。制御回路端子基板、オプションカード(接続コネクタCN5-A・CN5-B・CN5-C)、キーパッド、特殊用途。A1000・V1000の型式には対応する区画そのものが存在しない部分であり、GA700になって初めて型式の一部として明文化された6桁だ。

電流クラスと保護構造——桁数が減り、選べる幅は広がった

電流クラスの読み方自体は、A1000・V1000と共通のルールを引き継いでいる。「軽負荷(ND)定格の定格出力電流の小数点以下1桁を四捨五入した値」だ。200V級の形式一覧で確認すると、カタログコードGA70A2004のND定格出力電流は3.5A、四捨五入して4、表記は「004」。ここまではA1000のCIMR-AA2A0004と同じ理屈である。

ただし表記の桁数は違う。A1000・V1000の電流クラスは0004のような4桁表記だったのに対し、GA700は004のような3桁表記に変わっている。見た目の桁数が減っているぶん、型式全体の文字数はハイフン以降の6桁で相殺されて、むしろ長くなっている——という、ねじれた構図になっているわけだ。

保護構造も記号の意味自体はA1000に近い。Aが IP00/UL Openタイプ、Bが IP20/UL Openタイプ。ただし公式の注記には「IP20/UL Type1は、オプションで対応(IP20/UL OpenタイプにUL Type1キットを取付け)」とあり、A1000のように保護構造の記号として直接F(UL Type1)を選べるわけではない。IP20/UL Openタイプを選んだうえで、後付けのキットで対応するという2段構えになっている。

大容量帯だけ数字が壊れる——H11・H12という例外

400V級の形式一覧を上から追っていくと、カタログコードは002、004、005、007……と、電流クラスのルールどおり素直に数字が並ぶ。930まで来て、次も当然「1090」あたりの数字が続くのだろうと予測しながら表を見ていくと、そこにあるのは「H11」「H12」という見慣れない表記だ。

H11の内訳は、最大適用モータ容量がHD定格500kW・ND定格560kW、定格出力電流がHD 930A・ND 1090A。H12はHD定格560kW・ND定格630kW、定格出力電流がHD 1090A・ND 1200A。四捨五入のルールをそのまま当てはめれば、H11は1090、H12は1200という3桁超の数字になってもおかしくない。だが公式の形式一覧に載っているのはH11・H12という表記だけで、なぜこの最上位2機種だけアルファベットに切り替わるのかについての説明は、確認できた資料の中にはなかった。

「電流クラスは数字を見れば規模感がつかめる」という読み方は、GA700の400V級では930までしか通用しない。最大容量帯の2機種に限っては、型式の文字面から容量を逆算する手がかりが、数字ではなくH11・H12という記号そのものに移っている。

ハイフンの先の6桁——標準品は「CAAAAA」、その中身

9文字目以降の6桁を、標準品の並び「CAAAAA」から順に見ていく。9文字目のCは制御回路端子基板で、フォトカプラ出力・スクリュークランプ端子基板タイプ(標準)を意味する。もう一つの選択肢であるA(リレー出力・スクリュークランプ端子基板タイプ)も記号表には載っているが、標準品として型式に現れるのはCの方だ。

10文字目から12文字目は、CN5-A・CN5-B・CN5-Cという3つの接続コネクタに対応するオプションカードの有無で、標準品はいずれもA(オプションカードなし)。GA700にはCC-Link・DeviceNet・PROFIBUS-DP・EtherCAT・EtherNet/IPといった通信オプションカードが用意されているが、これらを装着した状態を示す記号は、確認できた形式一覧の中には載っていない。公式の注記どおり「No.9-14はCAAAAAが標準です。それ以外の組合せはご照会ください」という扱いになっており、通信プロトコルの種類は型式の文字列ではなく、別途の型式(例えばCC-Link通信オプションカードならTOBPC73060083)で管理されている。

13文字目はキーパッドだ。ここはA1000・V1000にはなかった選択肢が並ぶ。標準のLCDキーパッド(A)に加えて、耐湿・耐じん仕様(B)、耐ガス仕様(C)、そしてBluetooth内蔵LCDキーパッド(D、耐湿耐じん仕様はE)、LEDキーパッド(F、耐湿耐じん仕様はG)、ブランクカバー(L)。スマートフォンからインバータへ無線でアクセスするというGA700の特長の一つが、この13文字目の記号として型式に組み込まれている。

14文字目の特殊用途は、A(標準)とB(高周波)の2択。Bについては「輸出規制該当機種です。ご照会ください」という注記が付いており、記号表には載っていても一般に流通する型式ではないと読める。

CIPR-GA70A2004ABAA-CAAAAAを通しで読む

ここまでの内容を、公式の型式図に載っている型式そのもので通して読んでおく。CIPRは固定の接頭辞。GA70でGA700シリーズ。2文字目のAは仕向地で日本向け。3文字目の2は入力電源電圧クラスで三相AC200V級。4文字目の004が電流クラスで、200V級の形式一覧によればND定格出力電流3.5Aを四捨五入した値、最大適用モータ容量はHD定格0.4kW・ND定格0.75kW。5文字目のAはEMCノイズフィルタなし(標準)。6文字目のBは保護構造でIP20/UL Openタイプ。7文字目のAは耐環境向上仕様で標準。8文字目のAは設計順位で、意味までは公開資料からは確認できない。

ハイフンの先、9文字目のCは制御回路端子基板がフォトカプラ出力・スクリュークランプ端子基板タイプ(標準)。10〜12文字目のAAAはCN5-A・B・Cいずれのオプションカードも未装着。13文字目のAはLCDキーパッド(標準)。14文字目のAは特殊用途なし(標準)。14個の記号のうち、実際にはほとんどがA(標準)で埋まっている——裏を返せば、この型式が「特に変わった仕様を何も足していない、素の状態のGA700」を表しているということでもある。

現場で間違えやすい点

まとめると、GA700の型式で足を止めやすいのは次の3か所になる。一つめは、接頭辞をCIMR-だと思い込んで検索や照合を始めること。GA700の接頭辞はCIPR-であり、CIMR-では該当する型式が出てこない。二つめは、400V級の最大容量帯でH11・H12という表記に出会ったときに、それを型番の記載ミスや別シリーズの型式と誤認すること。930までの数字表記の延長線上にある、GA700公式の正規のカタログコードである。三つめは、ハイフン以降の6桁を見て通信プロトコルの種類まで読み取ろうとすること。この6桁が示すのはオプションカードの有無までで、CC-LinkかEtherNet/IPかといった具体的な種類は、別途の型式で管理されている。

実務上の注意点

型式を照合するときは、まず接頭辞がCIPR-であることを確認したうえで、ハイフンの前後を分けて読みたい。前半8桁は電圧クラス・電流クラス・EMCフィルタ・保護構造・耐環境仕様という、容量や設置環境に直結する情報。後半6桁は、標準品であればCAAAAAで固定されているはずの区画で、ここが標準以外の並びになっている場合は、制御盤端子基板の種類や通信オプションカード、Bluetooth内蔵キーパッドなど、個別にカスタマイズされた1台である可能性が高い。耐環境向上仕様については、カタログコードGA70A4810〜4H12の大容量帯だけM仕様が標準扱いになるという例外もあるため、容量帯をまたいで型式を比較する際は、この注記も含めて確認しておくと手戻りが少ない。

安川電機GA700インバータの型式確認・見積りについて

電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)では、現物の銘板に残ったCIPR-GA70系列の型式から、電圧クラス・電流クラス・EMCノイズフィルタ・保護構造の読み解き、ハイフン以降の6桁が標準品かカスタム品かの確認までのご相談を見積フォームで受け付けている。銘板の型式が判読しにくい場合や、H11・H12のような見慣れない表記に不安がある場合は、写真を添えていただければ照合を含めて確認する。

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よくある質問

GA700の型式はなぜ「CIMR-」ではなく「CIPR-」で始まるのですか?

安川電機公式の「形式の見方」ページに掲載されている型式図が、実際に「CIPR- GA70 A 2 004 A B A A - C A A A A A」という並びになっています。姉妹機種のA1000(CIMR-AA2A0004FAA)・V1000(CIMR-VA2A0001BAA)がどちらもCIMR-から始まるため、同じ安川電機のインバータだからCIMR-のはずだと考えて銘板を読み始めると、最初の4文字で止まってしまいます。公式資料に接頭辞の由来についての説明はなく、確認できたのは「GA700シリーズはCIPR-、A1000・V1000はCIMR-」という表記上の事実だけです。型式を検索するときは、CIMR-で検索してもGA700はヒットしないという前提で臨む必要があります。

型式の後半、ハイフンの先にある「-CAAAAA」の6文字は何を表していますか?

安川電機公式の形式説明図によれば、ハイフン以降の6文字は9番目から14番目の記号で、順に制御回路端子基板・オプションカード(接続コネクタCN5-A)・オプションカード(CN5-B)・オプションカード(CN5-C)・キーパッド・特殊用途を表します。標準品ではC(フォトカプラ出力・スクリュークランプ端子基板タイプ)とA(オプションカードなし、標準品)が並び、キーパッドもA(LCDキーパッド標準)になるため「CAAAAA」という並びになります。公式の注記にも「No.9-14はCAAAAAが標準です。それ以外の組合せはご照会ください」とあり、CC-Link・EtherNet/IPといった通信オプションカードを実際にどの型式番号で表すかは、この6桁の一覧表だけからは分からず、個別確認が前提になっています。この6文字の存在自体が、A1000・V1000の型式(ハイフンなしの8個で完結)にはない、GA700固有の拡張部分です。

電流クラスの表記が、大容量帯だけ「H11」「H12」のようにアルファベットになるのはなぜですか?

安川電機のGA700 400V級形式一覧を確認すると、カタログコードGA70A4002からGA70A4930までは002、004、005……930という3桁の数字が規則どおり続きますが、最大容量帯の2機種だけH11・H12という表記に切り替わっています。H11はHD定格500kW/ND定格560kW(定格出力電流HD 930A/ND 1090A)、H12はHD定格560kW/ND定格630kW(同HD 1090A/ND 1200A)です。四捨五入した出力電流の値をそのまま3桁で表記するなら1090や1200になりそうなところですが、公式の形式一覧にはH11・H12としか記載がなく、なぜこの2機種だけ数字表記から外れるのかの説明はありません。少なくとも『電流クラスは常に数字で、桁数を見れば規模感がつかめる』という思い込みは、GA700の最大容量帯には通用しないという事実だけは確認できています。

安川電機GA700インバータの型式確認・見積りはどこに依頼すればいいですか?

電設資材専門商社の松本電業株式会社(東京都台東区台東2-4-11)の見積フォームからご相談いただけます。GA700は型式の記号数が多く、特にハイフン以降の6桁(制御回路端子基板・オプションカード・キーパッド)は標準品以外の組合せが個別確認扱いになっているため、銘板の型式を写真で送っていただくか、CIPR-GA70から始まる型式の文字列をそのまま伝えていただけると照合が早くなります。

参考文献・出典

  • 形式の見方・カタログコードの見方|GA700|安川電機の製品・技術情報サイト (型式図「CIPR-GA70A2004ABAA-CAAAAA」の分解(①製品シリーズ:GA700シリーズ ②仕向地:記号A=日本 ③入力電源電圧クラス:記号2=三相AC200V級/4=三相AC400V級 ④電流クラス:軽負荷(ND)定格の定格出力電流の小数点以下1桁を四捨五入した値 ⑤EMCノイズフィルタ:記号A=内蔵EMCフィルタなし(標準)/B=カテゴリC3のEMCフィルタ内蔵 ⑥保護構造:記号A=IP00/UL Openタイプ/B=IP20/UL Openタイプ(IP20/UL Type1はオプションで対応) ⑦耐環境向上仕様:記号A=標準/K=耐ガス/M=耐湿,耐じん/N=耐油/P=耐湿,耐じん,耐振/R=耐ガス,耐振/S=耐振/T=耐油,耐振(注:カタログコードGA70A4810〜4H12のインバータはM仕様が標準で、その他の仕様はR仕様のみ対応可能) ⑧設計順位(記号表の掲載なし) ⑨制御回路端子基板:記号A=リレー出力・スクリュークランプ端子基板タイプ/C=フォトカプラ出力・スクリュークランプ端子基板タイプ(標準) ⑩〜⑫オプションカード(接続コネクタCN5-A/CN5-B/CN5-C):いずれも記号A=オプションカードなし(標準) ⑬キーパッド:記号A=LCDキーパッド(標準)/B=LCDキーパッド(耐湿,耐じん仕様)/C=LCDキーパッド(耐ガス仕様)/D=Bluetooth内蔵LCDキーパッド/E=Bluetooth内蔵LCDキーパッド(耐湿,耐じん仕様)/F=LEDキーパッド/G=LEDキーパッド(耐湿,耐じん仕様)/L=ブランクカバー ⑭特殊用途:記号A=標準/B=高周波(輸出規制該当機種) (注)No.9-14はCAAAAAが標準で、それ以外の組合せは要照会、という記載を確認)
  • 200 V級|仕様|GA700|安川電機の製品・技術情報サイト (カタログコードGA70A2□の形式一覧表(004〜415)。カタログコードGA70A2004=最大適用モータ容量HD 0.4kW/ND 0.75kW、定格出力電流HD 3.2A/ND 3.5A(四捨五入で004)を確認。200V級の最大容量帯は415(HD 90kW、ND欄は「-」で未設定)であることを確認)
  • 400 V級|仕様|GA700|安川電機の製品・技術情報サイト (カタログコードGA70A4□の形式一覧表(002〜930、H11、H12)。カタログコードH11=最大適用モータ容量HD 500kW/ND 560kW、定格出力電流HD 930A/ND 1090A、H12=HD 560kW/ND 630kW、定格出力電流HD 1090A/ND 1200Aを確認。930までは002・004・005…930という3桁の数字表記が続くのに対し、最後の2機種だけH11・H12というアルファベット表記に切り替わっていることを確認)
  • 安川インバータ GA700 高性能タイプ(安川電機カタログ、資料番号KAJP C710617 1TI<8>-0、旧No. KAJP C710617 00、掲載日2025/12/26) (p.25「形式の見方」「カタログコードの見方」がWeb版と同一の記号表であることを確認。p.25の耐環境向上仕様の注記は「カタログコードGA70A4810〜4H12のインバータはM仕様が標準です。その他の仕様は、R仕様のみ対応可能です」(Web版のカタログコード解説図にある「R仕様は計画中です」という古い注記より新しい表記であることを確認)。p.8でSIL3対応STO(Safe Torque Off)機能を標準搭載している旨を確認。表紙で200V級0.4〜110kW、400V級0.4〜630kWの容量範囲を確認)
  • 形式の見方|A1000|安川電機の製品・技術情報サイト(比較対象として確認) (型式図「CIMR-AA2A0004FAA」を確認。接頭辞がCIMR-であること、記号の数がハイフンなしの8個で構成され、GA700にあるEMCノイズフィルタの記号やハイフン以降の制御回路端子基板・オプションカード・キーパッドに相当する記号が存在しないことを確認)
型番不明でもOK

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