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配線図 ・ 12 / 13

単線結線図の図記号一覧 — 4択に並んだ記号を『1点の決め手』で見分ける

読み終えると、こうなる

4択に並んだ図記号を見たとき、全体の印象で選ぶのをやめて、『他の選択肢には絶対に無い1点』を探しに行けるようになる。

  • 断路器・負荷開閉器・PF付きLBS・遮断器を、線の先端の印と可動接点の形という1〜2点だけで仕分けられる
  • VT・CT・ZCTを、円の重なり方と貫通する導体の本数から見分けられる
  • 避雷器と断路器のように縦に落ちる枝を、末端が接地で終わるか回路が先へ続くかで判別できる
  • 接地記号E_A〜E_Dの下付き文字から、工事種別と対象機器を言い当てられる
考えてみよう

過去問の配線図問題で、こういう落とし方をすることがある。接地の種別は完璧に覚えている。それなのに、E_A・E_B・E_C・E_Dの4つの記号が並んだ選択肢を前にして、誤ったものを選ぶ。避雷器断路器の違いも説明できるのに、図の上の2つの記号を取り違える。

知識は正しい。それでも点にならない。何が足りないのか。

足りないのは知識ではなく、見る場所だ。4つ並んだ記号を全体の印象で見比べると、どれも合っているように見えてくる。このトピックを読み終えるころには、記号を見る場所を最初から1カ所に絞る方法——『他の3つには絶対に無い1点』の探し方が、なかまごとに手に入っている。

このトピックは、開閉する機器計器と変成器保護の各トピックで学んだ記号を、試験の4択で見比べるための一覧として1枚にまとめ直す。個々の記号の背景はそれぞれのトピックに譲り、ここでは「見分けの決め手」だけに絞る。

まず、なかま分け — 記号は4つの形の部品でできている

一覧に入る前に、1つだけ法則を持っておく。単線結線図の記号は30種近くあるが、使われている「形の部品」は数えるほどしかない。

記号を作っている4つの形の部品 V 丸=計器(中に量記号) 円2個のだるま形=変成器 斜めの線=開閉するもの 長方形の枠=継電器・コイル 足りない情報は傍記の文字(SC・PAS・ZCTなど)で補う 円・だるま形・斜めの線・長方形の枠という4つの部品と、それぞれのなかま(自作、JIS規格票の形状記述に基づく)

丸は計器のなかまで、中の量記号が測るものを教える。円2個のだるま形は変成のなかま。斜めの線は開閉のなかまで、先端の印が機能を教える。長方形の枠は継電器やコイルのなかまで、中の文字が見張っている量を教える。だから初見の記号でも、まずどの部品でできているかを見れば、なかまの見当がつく。細部の見比べはそのあとだ。

以下、なかまごとに一覧を並べる。それぞれの記号に付けた「決め手」は、同じなかまの他の記号には無い1点を選んである。

開閉・遮断のなかま — 決め手は先端の印と可動接点の形

開閉・遮断のなかまの図記号 断路器(DS) 遮断器(CB/VCB) 負荷開閉器(LBS) PF付きLBS 高圧限流ヒューズ(PF) 電磁接触器(MC)主接点 B 配線用遮断器(MCCB) E 漏電遮断器(ELCB) 四角のB・EはJIS C 0303(構内配線用)の記号。PC・PAS・UGSは本文参照 開閉・遮断のなかまの図記号一覧(自作、JIS C 0617-7およびJIS C 0303の形状記述に基づく)

見分けの決め手を1つずつ挙げる。どれも、同じなかまの他の記号には無い特徴だ。

  • 断路器(DS) — 先端の印が横棒1本だけ。丸も×も付かない。
  • 遮断器(CB/VCB) — 先端に×。×が付くのはこのなかまで遮断器だけ。
  • 負荷開閉器(LBS) — 横棒の下に小さい丸。丸の有無がDSとの唯一の差。
  • PF付きLBS可動接点そのものがヒューズ形(細長い長方形+中心線)。先端の印はLBSと同じ。
  • 高圧限流ヒューズ(PF)細長い長方形を導体がまっすぐ貫通するだけ。斜めに開く接点が無い。
  • 電磁接触器(MC)主接点 — 先端の印が小さい半円。横棒・丸・×のどれでもない。
  • 配線用遮断器(MCCB)四角の中にB。低圧側で使うJIS C 0303(構内電気設備の配線用図記号)の記号で、高圧側の接点系の記号とは体系が違う。
  • 漏電遮断器(ELCB)四角の中にE。過負荷保護付はBEと書かれることもある。

そして、このなかまで最重要の注意がある。高圧カットアウト(PC)・柱上気中開閉器(PAS)・地中線用ガス開閉器(UGS)には、JIS C 0617に専用の図記号が無い。 PCはヒューズ付きの開閉器系の記号に「PC」と傍記され、PAS・UGSは負荷開閉器の記号(ZCT・GRを併記した形が多い)に「PAS」「UGS」と傍記される慣用表現で示される。つまりこの3つは、形ではなく傍記の文字が決め手になる。

変成のなかま — 決め手は円の重なりと貫通本数

変成のなかまの図記号 変圧器(T)・VT 変流器(CT) 3 ZCT 零相変流器(ZCT) VT CT VCT(VT+CTの一体枠) JISに単独記号なし・慣用の描き方 変成のなかまの図記号一覧(自作、JIS C 0617-6の形状記述に基づく。VCTの点線枠は慣用表現の概念図)
  • 変圧器(T)・計器用変圧器(VT)円2個が上下に重なるだるま形。導体は円を貫通しない。TとVTは同じ様式の記号で、どちらかは傍記と図中の位置で決まる。
  • 変流器(CT)導体1本が円の中心を貫通し、円から横へ二次側の線が出る。だるま形と違い、円は1個。
  • 零相変流器(ZCT) — 同じ貫通形だが、3本の導体を一括して貫通させる(斜線に3の注記)。JISに「零相変流器」という名の独立記号は無く、この3導体一括貫通の変流器記号に「ZCT」と傍記する描き方が実体だ。
  • 計器用変圧変流器(VCT/MOF)JISに単独の図記号が無い。VTとCTを一体の枠で描いて「VCT」と傍記する慣用表現で、二次側に取引用の電力量計(Wh)がつながる。
  • 零相電圧検出装置(ZPD/EVT系) — こちらは対応するJIS図記号自体が確認できない。実務図では独自の描き方に「ZPD」と傍記するのが慣例で、本一覧でも図は載せず、DGRの項で「ZCTと組み合わさる相手」として扱う。

保護のなかま — 決め手は枠の中の文字と、末端の接地

保護のなかまの図記号 避雷器(LA) I> 過電流継電器(OCR) I 地絡継電器(GR・DGR) 直列リアクトル(SR) SC 高圧進相コンデンサ(SC) ZPD(零相電圧検出装置)は対応する図記号が確認できず、傍記のみ(慣用) 保護のなかまの図記号一覧(自作、JIS C 0617-4・6・7の形状記述に基づく)
  • 避雷器(LA)長方形の内側に下向きの黒塗り矢じりがあり、末端が必ず接地記号で終わる。枝がその先の回路へ続かないのはこのなかまでLAだけ。
  • 過電流継電器(OCR) — 長方形の枠の中にI>。枠は継電器共通で、中の文字だけが違う。
  • 地絡継電器(GR・DGR) — 枠の中がIに接地記号を添えた表記。GRかDGRかは枠では区別できず、ZCTだけにつながっていればGR、ZCT+ZPDの両方につながっていればDGRという、接続相手が決め手になる。
  • 直列リアクトル(SR)円周の約4分の3だけの弧。完全な円で描かれるCTや変圧器とは、円が閉じているかどうかで見分ける。
  • 高圧進相コンデンサ(SC)間隔を空けた平行な横線2本。進相専用の飾りは無く、「SC」の傍記が決め手。回路の並びは高圧母線側からSR→SCの順。

計器のなかま — 決め手は円・四角の中の文字

計器のなかまの図記号 A 電流計(A) V 電圧計(V) W 電力計(W) cosφ 力率計(cosφ) Wh 電力量計(Wh) AS 電流計切換開閉器(AS) VS 電圧計切換開閉器(VS) 試験用端子(CTT・VTT) 試験用端子は端子記号(丸)を並べて文字を傍記する慣用表記 計器のなかまの図記号一覧(自作、JIS C 0617-7・8の形状記述に基づく。CTT・VTTの描き方は慣用表記)
  • 電流計(A)・電圧計(V)・電力計(W)・力率計(cosφ) — 指示計器は円の中に量記号を書く一般則。円の中の文字がすべてで、形の差は無い。
  • 電力量計(Wh) — 積算計なので円ではなく縦長の長方形。上部に区切り線が1本入る。丸か四角かが、指示計器との唯一の差。
  • 電流計切換開閉器(AS)・電圧計切換開閉器(VS)正方形の枠に文字と切換接点線。記号は同形で文字だけが違うが、中身は別物だ。ASはCTの二次側を開放しないよう短絡させながら切り換える特別な構造を持つ。
  • 試験用端子(CTT・VTT) — 継電器試験のときに試験器をつなぐ端子。専用のJIS図記号は確認できず、端子記号(小さい丸)を並べて「CTT」「VTT」と傍記する慣用表記で描かれる。CTT(電流側)は短絡してから切り離す、VTT(電圧側)は開放してから印加するという操作の違いが、CT・VTの性質をそのまま引き継いでいる。

CTTとVTTは記号が同じなので、傍記が読めないときは「どちらの回路に居るか」で決まる。 小さい丸が並んだ端子記号を単線結線図の上で見つけたら、そこから左(電源側)へ線を辿る。 行き着いた変成器がCT(導体1本が円を貫通)ならCTT、VT(円2個のだるま形)ならVTTだ。 CT二次回路には電流計・OCRが、VT二次回路には電圧計・VS・UVRがつながるので、右(負荷側)に何が 居るかでも裏を取れる。たとえばV結線のVT(V2Vと傍記される2台のVT)の二次側から電圧計へ向かう 線上に端子記号があれば、それはVTTと確定できる。記号が同じ組は、記号の中ではなく回路の中に 答えがある——PF付きLBSとPCの関係と、まったく同じ構造の問題だ。

接地のなかま — 形は全部同じ、決め手は下付きの1文字

冒頭で挙げた、実際に点を落とした4択がこれだ。E_A・E_B・E_C・E_Dは、記号の本体(縦線に横線3本)が完全に同一で、違いは下付き文字だけ。だから見るべき場所は最初から1カ所しかない。

接地記号E_A〜E_Dの対応 E_A 避雷器・高圧機器の外箱 A種・10Ω以下 E_B 変圧器の低圧側中性点 B種・150/Igなどの計算値 E_C 300V超の低圧機器 C種・10Ω以下 E_D 300V以下の低圧機器 D種・100Ω以下 形はすべて同じ。違いは下付きの1文字だけ A種とC種は抵抗値が同じ10Ω以下。対象の電圧区分で分かれる 接地記号E_A〜E_Dの種別・対象機器・抵抗値の対応(自作。種別と抵抗値は電技解釈第17条に基づく)

下付き文字を読んだら、そのまま「種別→対象機器」に変換する。設問が「避雷器の接地」ならE_A、「変圧器の低圧側中性点」ならE_B。逆に、図中のE_Cを見たら「この機器は300Vを超える低圧機器のはずだ」と機器側を検算できる。1文字が、工事種別・対象機器・抵抗値の3つを同時に運んでいる。

図記号は共通の土台に少数の部品を足し算して作られている。だから、**似た記号同士の違いは、必ず1〜2カ所に集中する**。出題者はまさにそこだけを入れ替えて4択を作る。全体の印象で見比べるほど「どれも合っている」ように見えて迷い、違いの1点——先端の印、貫通する本数、末端の接地、下付き文字、傍記——に絞るほど、速く確実に決まる。**4択を前にしたら、記号を眺めるのではなく、差分を探す。**

まぎらわしい組だけ、もう一度並べる

一覧で全体を見たら、最後に、実際に取り違えやすい組だけを隣に並べて差分を確認する。

開く記号4つ — DS・LBS・PF付きLBS・PC

開く記号4つ、決め手は先端と可動接点 DS:印は横棒だけ LBS:横棒+丸 PF付きLBS:接点がヒューズ形 PC PC:記号は同形、傍記で決まる 丸が無ければDS。丸があればLBS。可動接点がヒューズ形ならPF付き。 PF付きLBSかPCかは、記号でなく傍記と設置場所で見分ける DS・LBS・PF付きLBS・PCの見比べ(自作。PCはJISに専用記号が無く、傍記による慣用表現)

DSとLBSの差分は丸1個だけ。LBSとPCは「どちらもヒューズを持ちうる」ため印象が近いが、そもそもPCには専用記号が無いので、形での区別は不可能だ。傍記(PC)と、図中の位置(PCは小容量変圧器やコンデンサ回路の開閉に使われることが多い)で決める。

傍記が無いときは、変圧器の容量が決める

ここが実際に点を落とす場所だ。「PCと傍記されていないのだから、ヒューズの無いLBSだろう」—— この推論は逆向きに間違っている。傍記が無いなら、その機器はPCではない。PCでないなら、 変圧器の一次側に置ける機器はPF付きLBSかCB(遮断器)になる。

なぜなら、変圧器の一次側にヒューズ無しのLBSを単独で置くことはできないからだ。LBSは負荷電流を 開閉できるが、短絡電流を遮断する能力を持たない。変圧器の内部短絡を切れる機器が要る。 その役目を、PCなら内蔵のヒューズが、PF付きLBSなら限流ヒューズ(PF)が、CB形なら遮断器が担う。

そしてPCと PF付きLBSの境目は容量で決まっている。高圧カットアウト(PC)が使えるのは 変圧器なら300kV·A以下、高圧進相コンデンサなら50kvar程度まで。これを超える変圧器には PCを使えず、PF付きLBSまたはCBになる。

変圧器の容量一次側に置く開閉装置図の上の見え方
300kV·A以下高圧カットアウト(PC)ヒューズ形の可動接点+PCの傍記
300kV·A超PF付きLBS(またはCB)ヒューズ形の可動接点、傍記は無い

だから単線結線図で、小容量の変圧器には「PC」と傍記が付き、大容量の変圧器には傍記が無い、 という並びになる。同じ図の中に傍記付きと傍記無しが混在していたら、それは出題者が 容量の違いを見せている。500kV·Aの変圧器の一次側に置く記号を選べと言われたら、 300kV·Aを超えているのでPCは消え、答えは可動接点がヒューズ形のPF付きLBSになる。

見るべき順序はこうなる。①ヒューズ形の可動接点があるか → ②傍記があるか → ③無いなら 変圧器の容量を見る。記号の中で完結させようとすると、この問題は解けない。

円のなかま3つ — VT・CT・ZCT

円のなかま3つ、決め手は重なりと貫通本数 VT:円2個が重なる CT:導体1本が円を貫通 3 ZCT ZCT:3本一括で貫通(斜線に3) 重なれば変圧(VT)、貫通すれば変流(CT)、3本一括なら零相(ZCT) VT・CT・ZCTの見比べ(自作、JIS C 0617-6の形状記述に基づく)

VTとCTの差分は「一次側が円と別の線か、円を貫通するか」。だるま形の円2個には導体が入り込まないが、CTは導体そのものが円の中心を通る。CTとZCTはどちらも貫通形なので、差分は貫通する導体の本数(1本か、3本一括か)と、斜線に添えられた「3」の注記になる。

縦に落ちる枝 — LAとDS

縦に落ちる枝 — 末端を見る LA:長方形+矢じり、末端は接地 DS:開く接点、線は先へ続く 途中に長方形と黒い矢じりがあり、接地記号で終わればLA 斜めに開く接点があり、線が次の機器へ続いていればDS LAとDSの見比べ(自作、JIS C 0617-7の形状記述に基づく。DSの点線は回路が先へ続くことを示す説明用)

遠目のシルエットで最も取り違えやすい組がこれだ。どちらも図の上では縦の枝に見えるが、LAの枝は行き止まり(接地)で、DSの枝は通り道。枝の途中と末端という2点を見れば、シルエットの印象に引きずられずに確定できる。

記号だけでは決まらない — 最後は位置とつながる相手

ここまでの決め手で、4択に並んだ記号の差分は読めるようになる。だが本番の配線図問題では、もう一段先がある。TとVTは同じだるま形、GRとDGRは同じ枠、PF付きLBSとPCは同じ形——記号が同じでも機器が違う組が現実にあるからだ。それを分けるのは、傍記の文字と、その記号が図のどこに居て、何とつながっているかという文脈になる。

この「位置とつながりで機器を確定させる」練習は、単線結線図ドリル(9図・50問)で実際の図を使って積める。この一覧で差分の見方を仕込んでからドリルに戻ると、同じ図が別物のように読めるはずだ。

冒頭の話に戻る。知識が正しいのに4択で落とすのは、記号を「全体の絵」として眺めているからだった。図記号は部品の足し算でできていて、似た記号の違いは1〜2カ所に集中する。だから、見るべき場所を先に知っていれば、4つ並んだ記号は怖くない。試験の朝にこのページの一覧だけをもう一度眺めて、決め手の1点を指でなぞってから会場に向かう——この一覧は、そういう使い方のために作ってある。

出題者のワナ — ここで受験者を転ばせにくる

この論点は、知っているだけでは足をすくわれる。試験でよく仕掛けられる崩し方を、先に知っておこう。

  1. 形が完全に同じ記号を4つ並べ、下付き文字や傍記だけを変えて、全体の印象で選ばせる

    なぜ引っかかるE_A〜E_Dのように、記号の本体はどれも同一で違いが1文字しか無い選択肢は、『見た目はどれも合っている』ため、印象で選ぶと確率4分の1の勘になってしまう

    見破り方形が同じ選択肢が並んだら、見るべき場所は最初から1カ所(下付き文字・傍記)だけだと切り替える。E_A〜E_Dなら下付き文字→工事種別→対象機器の順に変換して、設問の機器と突き合わせる

  2. 避雷器(LA)と断路器(DS)のように、『縦に落ちる枝』という共通の印象だけで機器を選ばせる

    なぜ引っかかる単線結線図の上では、どちらも母線や引込線から縦に枝分かれして描かれることが多く、遠目のシルエットが似てしまう

    見破り方枝の末端を見る。長方形と下向きの矢じりを通って接地記号で終わっていればLA。斜めに開く接点があり、線がその先の機器へ続いていればDS。末端の1点だけで確定できる

  3. 先端の印の意味(×=遮断、丸=負荷開閉)を、視覚的なイメージで逆に覚えさせる

    なぜ引っかかる×は『激しく切る』、丸は『軽い』という印象に頼ると、機能の強さと印の対応が逆転して定着しやすい

    見破り方印を機能の強さの順で固定する。横棒(断路だけ)<丸(負荷電流を開閉)<×(短絡電流まで遮断)。印象ではなく、この不等号を思い出してから選択肢を見る

  4. PC・PAS・UGS・VCT・ZPDにJISで定められた専用の図記号があると思い込ませる

    なぜ引っかかるどれも試験に頻出する機器名のため、名前に対応する決まった記号が規格上あるように見える。もっともらしい『専用記号』を選択肢に混ぜられると疑えなくなる

    見破り方この5つはJIS C 0617に専用図記号が無く、既存の記号(開閉器系・変成器系)に文字を傍記した慣用表現で描かれると覚えておく。『専用記号はどれか』と問われたら、その前提自体を疑う

  5. 変圧器の一次側で『PCと傍記されていない』ことを根拠に、ヒューズの無い負荷開閉器(LBS)を選ばせる

    なぜ引っかかる傍記の有無を『ヒューズの有無』に読み替えてしまうため。同じ図の中でPC付きの変圧器を先に見ていると、傍記が無い側は別種の機器=ヒューズ無しだと感じてしまう

    見破り方変圧器の一次側にヒューズ無しのLBSを単独で置くことはできない、と先に確定させる。LBSは短絡電流を遮断できないので、変圧器の内部短絡を切る役目の機器が必ず要る。そのうえで容量を見て、300kV·A以下ならPC、超えるならPF付きLBSと決める。傍記が無いことは『PCではない』という意味であって、『ヒューズが無い』ではない

  6. CTTとVTTを、記号が同形であることを利用して入れ替えさせる

    なぜ引っかかるどちらも小さい丸を並べただけの端子記号で、傍記が読み取りにくい設問では形からは絶対に決まらない。写真を選ばせる形式だと、CT系の機器写真ばかり並べて誘導される

    見破り方端子から電源側へ線を辿り、CT(導体1本が円を貫通)に行き着けばCTT、VT(円2個のだるま形。V結線ならV2Vの傍記)に行き着けばVTT。負荷側に電圧計・VSがあればVT回路、電流計・OCRがあればCT回路という裏取りもできる

参考文献・出典

理解度チェック(8問)

このトピックの内容がどれくらい身についたか、8問で確認しよう。 内訳は基本3問・応用3問・ひっかけ2問。基本が解けたら、条件を足した応用と、本番で足をすくいにくるひっかけまで踏み込む。

/ 8 問正解

覚えておきたいポイント

  1. 図記号は少数の『形の部品』の組み合わせでできている。円は計器(中に量記号)、円2個のだるま形は変成器、斜めの線は開閉するもの、長方形の枠は継電器・作動装置。まずなかま分けをしてから細部を見る
  2. 開閉器系の決め手は固定側端子の先端の印。横棒だけなら断路器(DS)、横棒+丸なら負荷開閉器(LBS)、×なら遮断器(CB/VCB)、半円なら電磁接触器(MC)。可動接点がヒューズ形ならPF付きLBS
  3. 変成器系の決め手は円の使い方。円2個が重なれば変圧器・VT、導体1本が円を貫通すればCT、3本一括で貫通(斜線に3の注記)すればZCT
  4. 接地記号E_A〜E_Dは形が完全に同じで、違いは下付きの1文字だけ。E_A=避雷器・高圧機器の外箱(A種)、E_B=変圧器の低圧側中性点(B種)、E_C=300V超の低圧機器、E_D=300V以下の低圧機器
  5. PC・PAS・UGS・VCT・ZPDはJIS C 0617に専用の図記号が無く、既存の記号に文字を傍記する慣用表現で示される。記号だけでは機器は確定せず、傍記と『図のどこに居てどこへつながるか』で決まる
  6. PF付きLBSとPCは図記号が同形。傍記が無いときは変圧器の容量で決まる。PCが使えるのは変圧器300kV·A以下までで、これを超える変圧器の一次側はPF付きLBS(またはCB)になる。傍記が無いことは『ヒューズが無い』という意味ではない
  7. CTTとVTTも記号が同形。傍記が読めないときは、その端子から電源側へ線を辿り、行き着いた変成器がCT(導体1本が円を貫通)ならCTT、VT(円2個のだるま形)ならVTTと決まる
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