在庫確認・見積は今すぐ フォームで依頼する 写真の添付もOK / 24時間受付
測定器具施工技術電気基礎

接地抵抗測定(E-P-C法)の正しいやり方|補助接地棒の配置間隔が測定値を左右する理由

読了目安: 11分 編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー

同じ接地極を、同じ接地抵抗計で測ったはずだった。午前中に測った値は35Ω。昼の休憩をはさんで、報告書に書く前にもう一度だけ確認したら、58Ωと出た。同じ棒、同じ計器、同じ現場。数字だけが違う。

計器が壊れたに違いない、とまず思う。実際、別の個体に交換して測り直した担当者もいるだろう。ところが結果は変わらない。値は測るたびにわずかに、時には大きく揺れる。計器を疑い終えた先にようやく目が向くのが、接地抵抗計から伸びる2本のリード線の先——補助接地棒を、そのつどどこに打っているかという一点だ。

E-P-C法とは何か——3本の棒がそれぞれ別の役目を持つ

接地抵抗計による測定は、被測定接地極(E)・電圧補助極(P)・電流補助極(C)という3つの電極を使う。共立電気計器の接地抵抗計ガイドブックによれば、EとCの間に交流電圧を印加して大地を通る閉回路を作り、そこに流れる電流Iと、EとPの間に生じる電位差Vpから、E単体の接地抵抗をRE=Vp/Iとして求める仕組みだ。

この式を見て、3本とも同じくらい丁寧に打たなければいけない棒だと思うなら、それは半分だけ正しい。日本電気技術者協会の解説では、電位測定電極(P極)は20cm以上地中に打ち込めば十分で、その接地抵抗が500Ω程度以下であれば誤差は生じないとされている。理由は単純で、電圧を測る回路の入力抵抗がきわめて大きいため、P極にはほとんど電流が流れない。P極自身の抵抗の良し悪しは、測定結果にほぼ影響しない。

一方、電流を実際に流すC極はそうはいかない。大規模な接地極を扱うサンコーシヤの資料では、C極の接地抵抗は10Ω以下に抑える必要があり、測定電流は20A以上を流すことが推奨されている。同じ「補助接地棒」という呼び方をしていても、P極とC極には別の役目があり、求められる条件も別物なのだ。

現場でこの非対称に気づかず、3本とも同じ丁寧さで(あるいは同じ雑さで)打ってしまうと、力の入れどころを間違える。P極の打ち込みが甘いことを気に病んでC極をおろそかにする担当者もいれば、逆にP極まで深く打ち込もうとして時間を浪費する担当者もいる。実際に効いてくるのは、3本それぞれの抵抗値そのものよりも、次に説明する「どこに打つか」のほうだ。

なぜ配置間隔が結果を左右するのか

3本の電極の役割が分かっても、まだ答えていない問いが残る。役目が違うのは分かった。では、なぜその3本を「どこに打つか」までが、これほど結果を揺らすのか。

接地極(E)に電流を流すと、その周囲の大地の電位は、接地極から離れるほど下がっていく。電流が大地に接地極から拡散していく以上、電位はどこでも一様ではない。C極の周囲にも同じことが起きる。電位補助極(P)を、この2つの電極の電位がまだ落ち着いていない範囲——つまりEやCに近すぎる位置——に置いてしまうと、Pが読み取る電圧はE単体の抵抗を反映したものではなく、EとCの双方の影響が混ざった、意味の薄い数値になる。

だからこそ、標準的な配置ではE・P・Cのあいだに十分な距離を空け、なおかつほぼ一直線に並べることが条件になる。距離が足りていれば、P極は電位が安定した領域に落ち着き、そこで読む電圧はE単体の接地抵抗を素直に反映する。逆に言えば、配置さえ守れていれば、あとは計器の性能の問題であって、配置を守れていなければ、どれだけ高精度な計器を使っても数値は信用できない。

標準的な配置——直線法の目安間隔

一般的な建物のD種・C種接地であれば、次の目安が公式資料でそろって示されている。

区間共立電気計器の目安日本電気技術者協会の目安
E~P間約5〜10m約10m
P~C間約5〜10m約10m
配置の形ほぼ一直線直線上が望ましい。障害物があっても角度30°程度までは許容

数値そのものに数mの幅があるのは、現場の広さによって取れる距離が変わるからで、絶対にこの数字でなければならないという意味ではない。押さえるべきは「E・P・Cが互いに十分離れていて」「ほぼ一直線に近い形で並んでいる」という2つの条件のほうだ。より高い精度を狙う場合の考え方として、P極をE-C間の距離のちょうど61.8%地点に置く、いわゆる62%則が現場で語られることもある(スリーセンス社の解説による)。ただしこれはE-P・P-C等間隔配置を土台にした精度向上の工夫であり、まずは表の等間隔配置を満たすことが先だ。

この目安が「約」という幅を持った書き方になっているのは、電位が落ち着く範囲そのものが土地ごとの大地の抵抗のありようで変わってくるからだ。表の数字を機械的な正解として覚えるより、「E・P・Cを互いに十分離し、直線に近づける」という条件のほうを軸に据え、数値は現場の広さに応じた目安として扱うのが実務的な受け止め方になる。

なお、この5〜10mという感覚をそのまま持ち込めない現場もある。工場や変電所クラスの大規模接地極では話がまったく変わる。サンコーシヤの資料では、接地極から300〜600m離れた位置にP極を、接地極一辺の4〜5倍離れた位置にC極を設けるとされている。接地極そのものが大きくなれば、その周囲に電位の影響が及ぶ範囲も広がるからで、配置間隔は接地極の規模に応じて決まるものだと分かる。

現場でよくある誤った配置

配置の理屈を知っていても、現場では別の力学が働く。敷地が狭い、時間がない、隣の建物の基礎がすぐそこにある——そうした制約のなかで、次のような配置が起きやすい。

  • 補助棒同士を近づけすぎる。スペースが足りず、E-P間・P-C間を2〜3mまで詰めてしまう配置。電位が安定していない範囲にP極が入り込み、値が本来の抵抗からずれる。
  • 一直線を諦めて建物の角を挟んで打つ。障害物を避けるために大きく折れ曲がった配置にすると、30°の許容角を超えやすい。
  • 既設の接地線や埋設金属のすぐそばに打つ。水道管、鉄筋、他の接地極が近くに埋まっていると、そこを通じて電流が回り込み、見かけ上の抵抗が本来の値からずれる。地中に何が埋まっているか分からない敷地では、事前に図面を確認するか、少なくとも複数方向で配置を試して値が大きく変わらないかを見ておきたい。
  • 乾燥した砂地やコンクリート上にそのまま打ち込む。共立電気計器の資料では、乾燥地や小石の多い場所・砂地では補助接地棒を打ち込んだ部分に水をかけて湿気を持たせること、コンクリート上でやむを得ず打ち込めない場合は補助接地棒を寝かせて水をかけるか濡れ雑巾をかけて測定することが案内されている。この一手間を省くと、補助棒と土の接触自体が不安定になり、配置間隔が正しくても値が安定しない。

測定値が安定しない場合のチェックポイント

配置を整えたつもりでも数値が揺れる場合、次の順で確認する。

  1. 表示電圧(地電圧)を確認する。共立電気計器のガイドブックでは、精密測定時に表示される電圧が3V以上ある場合、大きな誤差が生じる可能性があるとされている。被測定接地体につながる機器の電源を切り、地電圧を下げてから測り直す。
  2. P極の接触状態を確認する。20cm以上の打ち込み深さと、500Ω程度以下という条件を満たしているか。乾燥や小石でうまく刺さっていない場合は、前述の湿潤対策を行う。
  3. 配置の直線性と距離を確認する。角度が30°を超えていないか、E-P・P-C間の距離が目安を下回っていないか。
  4. 周辺の埋設物を確認する。補助棒の直下や近傍に金属配管・鉄筋・他の接地極がないか。

季節・土壌水分による測定値の変動

配置と手順をすべて正しく整えても、同じ接地極が季節によって違う値を示すことがある。これは異常ではない。共立電気計器の資料によれば、日本は四季があるため地表近くの接地抵抗は季節によって変化し、夏は低く冬は高くなる傾向があり、寒冷地では地表近くの土壌が冬季に凍結することでさらに抵抗が高くなるとされている。大地の抵抗そのものが土質・温度・含水率で大きく変わる以上、接地抵抗の測定値も土壌の状態を映す数字だと考えたほうがいい。

だからこそ、測定記録には数値だけでなく、測定した季節や天候、直近の降雨の有無まで残しておく価値がある。半年後に値が上がっていたとき、それが接地極の劣化なのか、単に乾燥した時期に測っただけなのかを、記録がなければ区別できない。

接地抵抗計・補助接地棒の調達について

現場でE-P-C法を正しく実施するには、精度の出るデジタル接地抵抗計に加えて、地質に応じた補助接地棒(連結型・湿潤対策込み)を必要な本数そろえておくことが前提になる。「共立電気計器・日置電機の接地抵抗計を比較して選びたい」「敷地の広さに応じた補助接地棒の本数・長さを相談したい」といったご相談は、現物の型番が決まる前の段階からお気軽にお問い合わせください。

見積もり依頼をする →

あわせて読みたい

関連する接地抵抗測定・E-P-C法・補助接地棒・配置間隔の品種・型番をお探しですか?
電材サーチでは、メーカー横断で目的の型番を素早く見つけ、そのまま見積もりを依頼できます。

対象の電材・品種を検索する →

参考文献・出典

この内容は、第二種電気工事士ではこう問われる

接地抵抗の測り方は第二種・第一種電気工事士の検査方法分野で頻出です。E→P→Cの手順そのものと、補助接地極の配置間隔という数値が、そのまま出題の中心になります。

第二種電気工事士の対策コンテンツをすべて見る →
QUOTATION SIGNAL

電設資材・FA部品の無料見積もり

仕入れコスト削減、廃盤代替品の選定、お急ぎの在庫確認まで。型番や数量を送っていただくだけです。 手書きメモや型番リストの写真・PDFでも依頼できます。

SPONSOR / AD

Google AdSense 広告配信エリア

(AdSense管理画面で広告ユニットを作成し、実際のslot値に差し替えるとここに本番広告が挿入されます)

AIと状況を整理してから相談する

普段お使いのChatGPT・Gemini・Perplexity等に貼り付けられる質問文をコピーできます。 自分の状況を伝えて相談すると、最後に電材サーチへの見積依頼文もまとめてもらえます。