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品種ガイド

高圧CVケーブル・6600V CVT

キュービクル引込・構内高圧配電の6.6kVケーブル。低圧CVとの構造の違い、ET形とEE形(3層同時押出)の選び分け、許容電流・端末処理材・劣化診断まで

取扱メーカー
5社
掲載型番
13件
更新日

高圧CVケーブルは、キュービクル(高圧受電設備)への引込みと構内の高圧配電に使う6,600V級の 電力ケーブルで、JIS C 3606(高圧架橋ポリエチレンケーブル)が規定します。低圧CV(JIS C 3605)と 同じ「CV」の記号ですが、絶縁体の内外に半導電層があり、その外側に軟銅テープの遮へい層を持つ 別構造です。絶縁体厚さは4.0〜5.0mmと低圧の数倍あり、工場出荷時の耐電圧試験も17kVを10分間と 条件が違います。実務では単心3本をより合わせたCVT形が主流で、ケーブル本体だけでは使えず、 端末処理材・接続材と有資格者の施工がセットで必要になります。

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高圧CVケーブルとは

構造は、導体(JIS C 3102の電気用軟銅線による円形圧縮より線)→内部半導電層→架橋ポリエチレン 絶縁体→外部半導電層→遮へい(厚さ約0.1mmの軟銅テープを重ね巻き)→バインダ→ビニルシース(黒) の順です。半導電層は導体表面や遮へい層との境界をなめらかにして電界の集中を抑え、接地された 遮へい層がケーブル外周の電位を大地電位に保って電界を絶縁体の内部に閉じ込めます。低圧CVに この構造がないのは、600V以下では電界の不均一による絶縁破壊のリスクが実用上小さいためです。

記号は、6600V CV(ビニルシース)、6600V CVT(単心3本より合わせのトリプレックス形)、 6600V CE・CET(ポリエチレンシース)、CE/F・CET/F(耐燃性ポリエチレンシース、ノンハロゲン)が JIS C 3606で規定されています。構内配電で最も多く使われるのはCVTで、単心ごとに遮へいと シースがあるため端末処理を線心ごとに行えます。3心一括シースの6600V CVは、同じ断面積でも 仕上外径が大きくなります(100mm²で3心CVが約51mm、CVT形が約56mm)。

外部半導電層の作り方で、テープを巻くET形と、内部半導電層・絶縁体・外部半導電層を3層同時に 押し出すEE形(3層押出型、JCS 4395)に分かれます。現在の主流はEE形で、押出した外部半導電層は 「容易に剥ぎ取れるもの」と規格で決められ、剥離力39.2N/12.7mm以下という数値まで規定されて います。同じ断面積でもEE形は外部半導電層の厚さ約0.7mm分だけ外径と質量が増えるため、 管路の占積率や端末処理材の適合サイズを見るときは形式まで確認します。

高圧CVケーブルの選び方

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    低圧CV(JIS C 3605)か高圧CV(JIS C 3606)かを最初に確定する

    図面の「CV 60sq-3C」だけでは電圧区分が分かりません。キュービクルの一次側・構内の高圧幹線なら 6600V CV/CVT、変圧器の二次側から先なら600V CVです。同じ断面積でも高圧品は絶縁体が4mm以上 あるため外径・質量・価格が大きく変わり、取り違えると管路にも端子にも収まりません。 単線結線図で受電点からどちら側の配線かを確認してから見積に進みます。

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    CVT形か3心一括シースのCV形かを決める

    構内配電の主流はCVT形です。線心ごとに遮へいとシースがあるので端末処理を1本ずつ行え、 曲げ半径も多心より小さくできます。3心一括シースの6600V CVは、地中管路で外装が1本にまとまって いる利点がありますが、端末で介在を除いて線心を分ける手間がかかります。単心CVは3条布設で 大サイズの幹線に使われます。

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    ET形かEE形(3層同時押出)かを端末処理材とあわせて決める

    既設の更新や増設では、既設ケーブルの形式に端末処理材を合わせます。EE形は外部半導電層を 剥ぎ取る工法、ET形はテープを剥がす工法で、端末材のカタログも形式別に分かれています。 新設は流通の主流であるEE形(JCS 4395)が基本です。住電HSTケーブルは2025年6月末でETタイプの 在庫を廃止し受注生産品化すると公表しており、ET形は納期の確認が要ります。メーカーによっては 形式が型番の一部(6kV-CVT(EE)など)に表れるため、見積依頼に形式を書き添えると取り違えがありません。

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    断面積は受電容量・布設条件・回線数から決める

    6.6kV側の電流は受電容量から求まります(三相の場合、電流A=容量kVA×1000÷(√3×6600))。 そのうえで許容電流表を見ますが、高圧の許容電流は布設方法・回線数・損失率で大きく変わります。 管路布設の場合、22mm²は1回線で110A流せるのに対し3回線では92Aまで下がります(損失率1.0、 基底温度25℃)。将来の増設余地と短絡容量もあわせて、余裕を持ったサイズにするのが実務です。

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    端末処理材・接続材を同時に手配する

    高圧ケーブルはケーブル本体だけでは施工できません。終端接続部(ケーブルヘッド)には ストレスコーンを含む端末処理材が要り、途中接続には直線接続材が要ります。工法は テープ巻形・プレハブ形・がい管形に大別され、近年は常温収縮形・プレハブ差込形が 作業時間の短縮で選ばれています。ケーブルの形式(ET/EE)・断面積・屋内屋外の別で 適合品番が決まるため、ケーブルと同時に見積するのが確実です。

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    施工と維持管理の体制を確認する

    高圧(600Vを超え7,000V以下)の電気工作物にあたるため、設計・施工・維持管理には 電気主任技術者の関与が必要です。端末処理は外部半導電層の除去や遮へい層の接地処理を 伴い、加工不良が絶縁破壊に直結します。低圧CVと同じ感覚では扱えないため、 設計段階から電気主任技術者・専門施工業者と連携して選定します。

現場で間違いやすい点

  • 図面の「CV」だけでは低圧か高圧か決まりません。同じ断面積でも高圧品は絶縁体厚さが4mm以上あり、外径・質量・価格が別物です。電圧区分を確認してから見積します。
  • ET形とEE形(3層押出)で端末処理材の適合が分かれます。既設の更新では現物の形式を確認せずに端末材だけ先に手配すると使えないことがあります。
  • 遮へい層の接地を忘れると安全上の前提が崩れます。メーカー仕様書も「安全性確保のため、遮へい層は確実に接地を行うよう注意して下さい」と明記しています。
  • 許容電流は布設方法・回線数・損失率・基底温度の条件付きの値です。管路3回線では1回線より2割前後低い値になります。カタログの1回線の値をそのまま使わないようにします。
  • 曲げ半径の基準は低圧より厳しくなります。遮へい付ケーブルは単心が仕上外径の10倍以上、多心・トリプレックスが8倍以上で、低圧の6倍とは別の基準です。
  • シースに傷が付いて水が浸入すると、導体の腐食・絶縁抵抗の低下・水トリーの発生につながります。延線時の外傷と、端末部(保管時を含む)・接続部の防水処置に注意します。
  • 高圧ケーブルは、汎用高圧機器の更新推奨時期を示した調査報告の一覧(交流遮断器20年、変圧器20年など)に含まれていません。年数の目安だけで判断せず、絶縁抵抗・直流漏れ電流・部分放電などの診断結果とあわせて更新を検討します。
  • 6600V CVTの1条の質量は低圧CVTの2〜3倍になります(100mm²でEE形が約4,250kg/km)。ドラムの運搬・延線の段取りを軽く見ないようにします。
  • ET形は入手性が変わってきています。住電HSTケーブルは2025年6月末でETタイプ(22〜100SQ全サイズ)の在庫を廃止し受注生産品化すると公表しました。既設に合わせてET形を指定する場合は、納期を早めに確認します。

高圧CVケーブルの規格・サイズ表

低圧CV(JIS C 3605)と高圧CV(JIS C 3606)の違い

項目600V CV・CVT(低圧)6600V CV・CVT(高圧)
適用規格JIS C 3605(600Vポリエチレンケーブル)JIS C 3606(高圧架橋ポリエチレンケーブル)。3層押出型はJCS 4395も適用
適用電圧600V以下6,600V以下
半導電層なし内部半導電層・外部半導電層あり(絶縁体の内外)
遮へい層なし(CV-Sなど遮へい付は別品種)厚さ約0.1mmの軟銅テープを重ね巻き。バインダを施す
絶縁体厚さ0.8mm(2〜3.5mm²)〜3.0mm(500・600mm²)4.0mm(14〜150mm²)・4.5mm(200〜500mm²)・5.0mm(600mm²)
絶縁体の伸び(規格値)200%以上200%以上
工場出荷時の耐電圧試験付表の試験電圧に水中で1分間(空中はその2倍の電圧)付表の試験電圧17kVに10分間
最小絶縁抵抗(20℃)2mm² 2500MΩ・km、100mm² 1500MΩ・km、325mm² 900MΩ・km以上14・22mm² 2500MΩ・km、100〜325mm² 1500MΩ・km、500・600mm² 900MΩ・km以上
線心の識別絶縁体の色(黒・白・赤・緑)遮へい上に挿入するテープの色(白・赤・青)
曲げ半径の目安多心・トリプレックス6d、単心8d(dは仕上外径)多心・トリプレックス8d、単心10d
端末処理圧着端子・キャップなどストレスコーンを含む端末処理材が必須。外部半導電層の除去と遮へい層の接地が要る
関わる資格電気工事士電気主任技術者の関与が必要。端末処理は専門施工業者

絶縁体厚さ・試験電圧・絶縁抵抗はSWCC・古河電工グループの仕様書(低圧はSF-0001C、高圧はSF-0005・ SF-0006)の付表値です。曲げ半径はSWCCの技術資料(遮へいなしケーブルは単心8d・多心/トリプレックス6d、 遮へい付ケーブルは単心10d・多心/トリプレックス8d)によります。低圧CVでも遮へい付(CV-S)は 遮へい付の基準を使います。

出典: JIS C 3605、JIS C 3606、SWCC 仕様書 SF-0001C・SF-0005・SF-0006、SWCC 技術資料「電線・ケーブルの許容曲げ半径」

ET形(テープ)とEE形(3層同時押出)の違い

項目ET形(外部半導電層=半導電性テープ)EE形(3層同時押出型)
適用規格JIS C 3606、JIS C 3005JIS C 3606、JIS C 3005 に加えてJCS 4395(6600V架橋ポリエチレンケーブル 3層押出型)
外部半導電層半導電性テープ押出半導電層(厚さ約0.7mm)。内部半導電層・絶縁体・外部半導電層を3層同時押出しし、架橋方法は乾式
剥ぎ取りの規定規定なし(テープを剥がす)「押出外部半導電層は容易に剥ぎ取れるものとする」。外部半導電層剥離力39.2N/12.7mm以下
線心外径(100mm²)約26mm約27mm
より合わせ外径(100mm²)約56mm約58mm
概算質量(100mm²)4,040kg/km4,250kg/km
電気特性試験電圧17kV・最小絶縁抵抗1500MΩ・km(100mm²)同じ(試験電圧17kV・最小絶縁抵抗1500MΩ・km)
端末加工接続時・端末加工時に絶縁体上の外部半導電層を除去する同じ。あわせて「剥ぎ取り時に絶縁体を傷つけないよう注意」と明記されている
ケーブルの表示記号(6600V CV)・製造業者略号・製造年など記号に(EE)が付く(SWCCは2022年1月受注分より6600V CV(EE)と導体公称断面積を表示)

SWCCの仕様書 SF-0006(ET形の6600V CVT)とSF-0008C(EE形の6600V CVT(EE))の記載を突き合わせた ものです。外径・質量の差は外部半導電層の厚さ約0.7mm分にあたります。矢崎エナジーシステムの 6kV-CVT(EE)は適用規格をJCS 4395とし、外部半導電層の剥ぎ取り方法を別資料で案内しています。 既設の更新では、現物がどちらの形式かで端末処理材の適合が分かれます。なお住電HSTケーブルは 2025年6月に、水トリー耐性に優れたEEタイプへ生産体制を強化するため、ETタイプ(22〜100SQ全サイズ)の 在庫を2025年6月末で廃止し受注生産品化すること、エコタイプのETは廃止しEEタイプの使用を案内すること を公表しています。形式を指定するときは、メーカーごとの最新の案内を確認してください。

出典: SWCC 仕様書 SF-0006・SF-0008C、JCS 4395、矢崎エナジーシステム 6kV-CVT(EE)/EM-6kV-CET(EE) 製品ページ、住電HSTケーブル「6KV高圧ケーブルETタイプ在庫廃止について」(2025年6月)

6600V CVT の寸法・質量・電気特性(ET形/EE形)

公称断面積絶縁体厚さ絶縁体外径より合わせ外径 ET形より合わせ外径 EE形概算質量 ET形概算質量 EE形最大導体抵抗20℃最小絶縁抵抗
14mm²4.0mm12.4mm約37mm約39mm1,190kg/km1,300kg/km1.34Ω/km2500MΩ・km
22mm²4.0mm13.5mm約40mm約42mm1,510kg/km1,630kg/km0.849Ω/km2500MΩ・km
38mm²4.0mm15.3mm約44mm約46mm2,100kg/km2,230kg/km0.491Ω/km2000MΩ・km
60mm²4.0mm17.3mm約49mm約52mm2,770kg/km2,950kg/km0.311Ω/km2000MΩ・km
100mm²4.0mm20.0mm約56mm約58mm4,040kg/km4,250kg/km0.187Ω/km1500MΩ・km
150mm²4.0mm22.7mm約62mm約65mm5,810kg/km5,930kg/km0.124Ω/km1500MΩ・km
200mm²4.5mm26.0mm約70mm約73mm7,570kg/km7,690kg/km0.0933Ω/km1500MΩ・km
250mm²4.5mm28.0mm約75mm約78mm9,170kg/km9,210kg/km0.0754Ω/km1500MΩ・km
325mm²4.5mm30.7mm約82mm約84mm11,400kg/km11,500kg/km0.0579Ω/km1500MΩ・km
400mm²4.5mm33.1mm約87mm約90mm13,500kg/km13,800kg/km0.0471Ω/km1000MΩ・km
500mm²4.5mm35.9mm約94mm約97mm16,300kg/km16,700kg/km0.0376Ω/km900MΩ・km
600mm²5.0mm39.5mm約103mm約106mm19,800kg/km20,200kg/km0.0314Ω/km900MΩ・km

絶縁体厚さは内部半導電層の厚さを含みます。銅テープ遮へいの巻厚さはどちらの形式も約0.1mmです。 試験電圧はすべてのサイズで17kV、静電容量は14mm²の0.24μF/kmから600mm²の0.71μF/kmです。 質量は参考値で、100m当たりはこの値の1/10になります(100mm²のEE形100mで約425kg)。 ケーブルグランドやパッキンで完成品外径に公差指定が必要な場合は、メーカーへの事前相談が要ります。

出典: SWCC・古河電工グループ 6600V CVT 仕様書 SF-0006(ET形)・SF-0008C(EE形・3層押出型)の付表

6600V CV(単心・3心一括シース)の寸法・質量

公称断面積絶縁体厚さ単心 シース厚さ単心 仕上外径単心 概算質量3心 シース厚さ3心 仕上外径3心 概算質量
14mm²4.0mm1.8mm約17.0mm385kg/km2.5mm約34mm1,240kg/km
22mm²4.0mm1.9mm約18.5mm490kg/km2.5mm約36mm1,550kg/km
38mm²4.0mm2.0mm約21mm685kg/km2.7mm約40mm2,170kg/km
60mm²4.0mm2.0mm約23mm900kg/km2.9mm約45mm2,890kg/km
100mm²4.0mm2.1mm約25mm1,310kg/km3.1mm約51mm4,200kg/km
150mm²4.0mm2.3mm約29mm1,890kg/km3.3mm約58mm6,420kg/km
200mm²4.5mm2.4mm約32mm2,450kg/km3.6mm約66mm8,160kg/km
250mm²4.5mm2.5mm約34mm2,970kg/km3.8mm約70mm9,840kg/km
325mm²4.5mm2.6mm約37mm3,720kg/km4.0mm約77mm12,200kg/km
400mm²4.5mm2.7mm約40mm4,350kg/km
500mm²4.5mm2.8mm約43mm5,340kg/km
600mm²5.0mm2.9mm約46mm6,380kg/km

ET形(外部半導電層が半導電性テープ)の付表値です。単心は3心一括シースより1条あたりの外径が 小さく、3条布設で使います。3心一括シースは付表に325mm²までの掲載です。同じ断面積で比べると、 3心CVの仕上外径はCVT形のより合わせ外径よりやや小さく(100mm²で約51mm対約56mm)、 管路の占積率では有利ですが、端末で介在を除いて線心を分ける手間がかかります。

出典: SWCC・古河電工グループ 6600V CV 仕様書 SF-0005 の付表

管路布設の連続許容電流(6600V CVT・CET、基底温度25℃)

公称断面積1回線 Lf0.61回線 Lf0.81回線 Lf1.02回線 Lf0.62回線 Lf0.82回線 Lf1.03回線 Lf0.63回線 Lf0.83回線 Lf1.0
22mm²120A115A110A115A105A100A105A98A92A
38mm²165A160A155A155A145A140A140A130A120A
60mm²215A210A200A205A190A180A180A170A160A
100mm²295A280A270A275A255A240A245A225A210A
150mm²375A355A340A345A325A305A305A280A260A
200mm²445A420A400A410A380A360A360A330A305A
250mm²505A475A450A465A430A405A405A370A345A
325mm²595A560A530A545A505A475A475A435A400A
400mm²665A625A590A610A565A530A530A480A445A

矢崎エナジーシステムの許容電流表の値です。布設条件は基底温度25℃、土壌の固有熱抵抗 100℃・cm/W、導体許容最高温度90℃、1孔1条。Lfは損失率(負荷率にあたる係数)で、値が小さいほど 発熱が少なく許容電流が大きくなります。連続して定格で使う想定ならLf1.0の列を見ます。 基底温度が25℃以外のときは補正係数(20℃で1.04、30℃で0.96、35℃で0.92、40℃で0.88、 45℃で0.83、50℃で0.78)を掛けます。気中・直埋の値は条件が異なるため、布設方法が決まったら メーカーの該当する許容電流表で確認します。

出典: 矢崎エナジーシステム「管路布設 連続許容電流 6600V トリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(6600V-CVT・6600V-CET)」

受電容量から見た6.6kV側の電流とCVTサイズの目安

受電容量6.6kV側の電流管路1回線・Lf1.0で足りるCVTの最小サイズ
100kVA約8.7A22mm²(110A)
300kVA約26.2A22mm²(110A)
500kVA約43.7A22mm²(110A)
750kVA約65.6A22mm²(110A)
1,000kVA約87.5A22mm²(110A)
1,500kVA約131.2A38mm²(155A)
2,000kVA約175.0A60mm²(200A)
3,000kVA約262.4A100mm²(270A)
5,000kVA約437.4A200mm²(400A)は不足、250mm²(450A)

電流は三相の式(電流A=容量kVA×1000÷(√3×6600))で計算した値、サイズは上の管路布設の 許容電流表(1回線・損失率1.0・基底温度25℃)と突き合わせた目安です。実際の選定では、 回線数・布設方法・基底温度による低減、短絡電流に対する熱的強度、将来の増設余地、 電力会社との協議事項を加えて決めます。この表だけでサイズを確定しないでください。

出典: 計算式は三相電力の関係式、許容電流は矢崎エナジーシステム 管路布設 連続許容電流表

サイズ選定に使える計算ツール

施工・保管で気をつけること

  • 遮へい層は確実に接地します。メーカー仕様書は「電気設備の技術基準の解釈にて、被覆金属体の接地を定めています。安全性確保のため、遮へい層は確実に接地を行うよう注意して下さい」と明記しています。接地の種別・接地線の太さは設計図書と電気主任技術者の指示に従います。
  • 接続時・端末加工時には、絶縁体上の外部半導電層を除去します。EE形(3層押出型)の仕様書は、剥ぎ取り時に絶縁体を傷つけないよう注意することを明記しています。半導電層の削り残しや絶縁体の傷は、そのまま絶縁破壊の起点になります。
  • 端末処理(ケーブルヘッド)は、テープ巻形・プレハブ形・がい管形に大別されます。テープ巻形は材料費が安い一方で熟練を要し、プレハブ形・常温収縮形は性能の安定性と作業時間短縮に優れます。ケーブルの形式(ET/EE)・断面積・屋内屋外の別で適合品番が決まります。
  • 曲げ半径は、遮へい付ケーブルとして単心が仕上外径の10倍以上、多心・トリプレックスがより合わせ外径の8倍以上が目安です(SWCC技術資料)。低圧の6倍とは基準が違います。曲げの影響を最も受けるのは金属遮へい層です。
  • 水の浸入を防ぎます。ケーブル内に水が浸入すると、導体の腐食、絶縁抵抗の低下、水トリーの発生などケーブル寿命の低下につながります。延線時のシース外傷、端末部(保管時を含む)・接続部の防水処置に十分な配慮が要ります。
  • 地中は電技解釈第120条により管路式・暗きょ式・直接埋設式のいずれかで施設します。直接埋設の深さは、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所で1.2m以上、その他の場所で0.6m以上とし、堅ろうなトラフなどの防護物に収めます。高圧では埋設表示シートを敷きます(JIS C 3653)。
  • 管路の許容電流は1孔1条・回線数ごとの値です。矢崎の布設条件では、ケーブル外径80mm以下で管中心間隔d200mm・条間S300mm、80.1〜100mmでd250mm・S350mm、100.1mm以上でd300mm・S400mmを前提としています。管路の配置が違えば値も変わります。
  • 延線の張力・側圧はSWCCの技術資料の目安(CVTの側圧2450N/m以下、CVの側圧2940N/m以下)に従います。1条あたりの質量が低圧CVTの2〜3倍あるため、ドラムの据付・けん引経路・曲がり部のローラー配置を事前に計画します。
  • 竣工時と定期点検で絶縁性能を確認します。停電して行う方法には絶縁抵抗測定・直流漏れ電流測定(漏れ電流の大きさと時間特性から判定)・誘電正接(tanδ)測定・部分放電測定があり、通電したまま行う活線診断には直流成分法・直流電圧重畳法・低周波重畳法・活線tanδ法があります。どれを使うかは設備の重要度と停電可否で決めます。
  • 更新の判断は年数だけで行いません。汎用高圧機器の更新推奨時期を示した調査報告の一覧(交流遮断器20年、高圧配電用変圧器20年、避雷器・保護継電器15年など)に高圧ケーブルは含まれていないため、診断結果・布設環境(水の影響の有無)・事故履歴とあわせて判断します。

取扱メーカー5社の比較

品種名を押すとメーカー別の詳細ページへ移動します。「メーカー情報」は当社が一次情報(公式サイト・沿革)で確認した内容です。

メーカー 品種 型番数 規格・特徴 メーカー情報(当社確認)
GBP 高圧アルミケーブル3300V 3 JET認証取得、定格電圧3300V対応 3300V級のアルミ導体高圧ケーブル(AL-CV・AL-CVD・AL-CVT)でJET認証を取得し、38〜500mm²を展開しています(公式サイト記載)。
LSケーブル&システム・ジャパン 高圧CVケーブル 5 架橋ポリエチレン絶縁による高い耐熱性と絶縁性能、ビニルシースによる耐候性・耐油性の確保 6.6kV受変電設備・地中配電線路向けに、単心CV(60〜150mm²)と三心よりCVT(60・100mm²)を揃えています。
西日本電線 CVケーブル 3 架橋ポリエチレン絶縁による優れた耐熱性、2心・3心・4心の各種心数に対応 6600V CV 3心をJIS C 3606準拠として公式サイトに掲載しています(22・38・60mm²、仕様書PDFあり)。
住友電工 CVTケーブル 1 架橋ポリエチレン絶縁による優れた耐熱・耐電圧特性、単心3本撚り構造による高い可とう性 6600V CVTはETタイプ(外部半導電層テープ式)です。低圧CVTと同じ製品ページに載るため、電圧区分の指定が要ります。
SWCC 電力ケーブル 1 架橋ポリエチレン絶縁による優れた耐熱性(90℃連続)、ビニルシースによる耐候性・耐薬品性 600V・6kV・22kVなどの電圧クラスに対応し、6600V CVTを掲載しています。仕様書SF-0005・SF-0006・SF-0008Cで構造と付表を公開しています。

メーカー横断の型番一覧(13件)

複数メーカーの型番をまとめて見積リストに入れ、1回の依頼で相見積ができます。

メーカー 型番 備考 見積
GBP 3300V AL-CV 単心。JET認証取得、公称断面積38〜500mm2のサイズ展開
GBP 3300V AL-CVD 2心。JET認証取得、公称断面積38〜500mm2のサイズ展開
GBP 3300V AL-CVT 3心。JET認証取得、公称断面積38〜500mm2のサイズ展開
LSケーブル&システム・ジャパン CV 60mm² 単心
LSケーブル&システム・ジャパン CV 100mm² 単心
LSケーブル&システム・ジャパン CV 150mm² 単心
LSケーブル&システム・ジャパン CVT 60mm² 三心より
LSケーブル&システム・ジャパン CVT 100mm² 三心より
西日本電線 6600V-CV-3C-22 JIS C 3606準拠。公式サイトで6600V CVとして製品ページ・仕様書PDFが確認できる(低圧600V向けの独立した型番ページは公式サイト上で確認できず、要問合せ)
西日本電線 6600V-CV-3C-38 JIS C 3606準拠、幹線配線用
西日本電線 6600V-CV-3C-60 JIS C 3606準拠、大容量幹線用
住友電工 6600V CVT 廃番 6600V CVTケーブル(ETタイプ、外部半導電層テープ式)
SWCC 6600V CVT 60mm² 高圧受電設備の幹線配線向け(公式の電線・ケーブル一覧表で6600V CVT品種の実在を確認)

価格・納期・発注のしかた

見積・発注は「電圧区分・品種・形式・断面積・心数・長さ・数量」で伝える

「6600V CVT(EE) 60mm² 3心 120m」「6600V CV 100mm² 単心 3条×80m」のように書けば取り違えません。 電圧区分(600V/3.3kV/6.6kV)、シースの種類(CV/CE/CE-F・CET-F などのエコ仕様)、 外部半導電層の形式(ET/EE)を明記してください。既設の更新なら、現物のシース表示 (記号・導体公称断面積・製造業者略号・製造年)を写真で送っていただくのが確実です。

端末処理材・接続材をケーブルと同時に見積る

高圧ケーブルは本体だけでは施工できません。終端接続部(端末処理材)と、必要なら直線接続材・ 分岐接続材を同時に手配します。屋内用か屋外用か、耐塩害仕様が要るか、工法(常温収縮・ プレハブ差込・レジン注入)の指定があるかで品番が変わります。ケーブル形式と断面積が決まれば 適合品番を絞り込めるので、あわせてご相談ください。

価格は銅建値に連動する

主材料が銅のため、電線メーカーが公表する銅建値に連動して価格が改定されます。高圧品は 絶縁体・遮へい層の分だけ低圧品より材料構成が複雑で、同じ断面積でも単価が上がります。 見積の有効期限は短めに設定されるため、発注の直前に取り直してください。

長尺・特殊仕様は納期がかかる

高圧ケーブルは1条ずつドラム巻き(またはたば巻き)で出荷されます。ルート1本を継目なしで 通すための長尺、耐燃性ポリエチレンシース(CE/F・CET/F)、アルミ導体、外径公差の指定などは 受注生産・取り寄せになることがあります。停電作業の日程が決まっている案件では、 工期から逆算して早めに引き合いをお願いします。

既設の更新・増設で確認したいこと

既設ケーブルの記号と断面積、製造年、布設方法(気中・ラック・管路・直埋)、こう長、 端末の工法、直近の絶縁診断の結果があると、同等品の選定と端末材の適合確認が早く進みます。 停電可能な時間帯と作業範囲も、工法(常温収縮かレジン注入か等)の提案に影響します。

見積に必要な情報

電圧区分、品種(CV/CVT/CE/CET)、形式(ET/EE)、断面積、心数または条数、長さと数量、 布設方法と回線数、端末処理材・接続材の要否と屋内屋外の別、希望納期、納品先を教えていただければ、 複数メーカーで見積します。受電容量(kVA)とこう長、布設条件が分かれば、許容電流表と 突き合わせたサイズのご提案もあわせて行います。

端末処理材・接続材・高圧引下用電線(ケーブルと同時に手配するもの)

廃番・後継品の情報

廃番・後継品ナビで他の品種も確認できます。

高圧CVケーブルについてよくある質問

図面に「CV 60sq」とだけありました。低圧と高圧のどちらですか?

記号だけでは決まりません。単線結線図で受電点のどちら側かを確認してください。キュービクルの 一次側・構内の高圧幹線なら6600V CV(JIS C 3606)、変圧器の二次側から先なら600V CV (JIS C 3605)です。同じ60mm²でも、高圧品は絶縁体が4.0mmあり、3心の仕上外径が約45mmと 低圧品より大きくなります。電圧区分を教えていただければ、こちらで確認して見積します。

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6600V CVとCVTはどちらを選べばよいですか?

構内配電では単心3本をより合わせたCVT形が主流です。線心ごとに遮へいとシースがあるため 端末処理を1本ずつ行え、曲げ半径も多心より小さくできます。3心一括シースの6600V CVは 同じ断面積で仕上外径がやや小さく(100mm²で約51mm、CVT形は約56mm)、管路の占積率では 有利ですが、端末で介在を除いて線心を分ける手間がかかります。

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ET形とEE形はどう見分けますか?どちらを選ぶべきですか?

EE形(3層同時押出型、JCS 4395)は記号に(EE)が付くことが多く、外部半導電層が押出層 (厚さ約0.7mm)です。ET形は外部半導電層が半導電性テープです。新設は流通の主流である EE形が基本で、既設の更新は現物の形式に合わせます。端末処理材のカタログが形式別に 分かれているため、ケーブルの形式が分かると端末材の選定が早く進みます。なお住電HSTケーブルは 2025年6月末でETタイプ(22〜100SQ全サイズ)の在庫を廃止し受注生産品化すると公表しているため、 ET形を指定する場合は納期を確認してください。

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高圧ケーブルは何年で更新すればよいですか?

年数の公表された目安はありません。日本電機工業会の「汎用高圧機器の更新推奨時期に関する調査」 報告書に基づく一覧(交流遮断器20年、高圧配電用変圧器20年、避雷器・保護継電器15年など)に、 高圧ケーブルは含まれていません。絶縁抵抗・直流漏れ電流・誘電正接(tanδ)・部分放電などの 診断結果と、布設環境(水の影響の有無)、事故履歴をあわせて判断するのが実務です。

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高圧ケーブルはなぜ端末処理材が必要なのですか?

遮へい層を切り開いた端末部では、絶縁体表面に沿った電界が集中し、そのままでは沿面放電の 起点になるためです。ストレスコーンを含む端末処理材でこの電界を緩和し、あわせて外部半導電層の 除去部と遮へい層の接地処理を確実に行います。工法はテープ巻形・プレハブ形・がい管形に 大別され、近年は常温収縮形・プレハブ差込形が作業時間の短縮で選ばれています。

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許容電流はカタログの値をそのまま使ってよいですか?

使えません。高圧の許容電流は布設方法・回線数・損失率・基底温度の条件付きの値です。 管路布設の22mm²は1回線・損失率1.0で110Aですが、3回線では92Aまで下がります。基底温度が 40℃なら補正係数0.88を掛けます。布設条件が決まったら、該当するメーカーの許容電流表で 確認してください。

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遮へい層の接地はどうすればよいですか?

確実に接地します。メーカー仕様書は「電気設備の技術基準の解釈にて、被覆金属体の接地を 定めています。安全性確保のため、遮へい層は確実に接地を行うよう注意して下さい」と明記して います。接地の種別・接地線の太さ・片端接地か両端接地かは設計図書と電気主任技術者の 指示によります。施工は専門施工業者に依頼してください。

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型番が分からなくても見積できますか?

できます。受電容量(kVA)、こう長、布設方法(気中・ラック・管路・直埋)、回線数、 屋内か屋外か、端末処理材が要るかを教えていただければ、こちらで許容電流表と突き合わせて 断面積と品種を決め、複数メーカーの型番で見積します。既設の更新なら、シース表示の写真が あると形式まで確認できます。

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型番不明でもOK

高圧CVケーブルの見積・型番選定はお任せください

メーカー指定なしでも、電圧・用途・数量を教えていただければ、こちらで型番を提案し複数メーカーで見積します。写真や図面の添付でも構いません。 手書きメモや型番リストの写真・PDFでも依頼できます。

参考資料・出典

・編集: 電材サーチ編集部(編集・出典ポリシー)。 型番・仕様はメーカー公式情報に基づきます。選び方・注意点は松本電業株式会社の取扱実務に基づく記述です。

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