天井裏に、長辺800mmの長方形ダクトが2本ある。1本は低圧ダクト、もう1本は高圧ダクトだ。外から見れば同じ大きさなのに、公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編。以下「仕様書」)が求める板厚は同じだろうか。
どちらのダクトにも、ダンパーが付く。風量を調節するものと、火災のときに閉まるものだ。どちらも羽根を回して空気の通り道をふさぐが、動かす合図は違う。
(1) 長辺800mmの板厚は、低圧と高圧で同じか。(2) 複数枚の羽根をもつ風量調節ダンパーで、仕様書は羽根をどう並べると定めているか。(3) 火災のときにダンパーを閉じる合図は何か。
このトピックを読み終えるころには、区分と長辺から板厚と補強を表で引き、ダンパーを「閉じる合図」で見分けられるようになっている。
まず一言で
ダクトと附属品の規定は、4つの問いで読み分けられる。
- どの圧力か 常用圧力で低圧・高圧1・高圧2に分ける。同じ長辺でも、高圧は板厚が同じかそれ以上になり、補強の表は小さいダクトから始まる
- 何でできているか 空調・換気ダクトは亜鉛鉄板製。排煙ダクトは亜鉛鉄板製か1.5mm以上の鋼板製。排気フードとグリス除去装置は、ステンレス鋼板が材質の中心になる
- どんな形か 長方形ダクトは長辺、スパイラルダクトは内径が、板厚を引く物差しになる
- 何のための附属品か 自動で閉まるダンパーは、閉じる合図(温度・煙・消火ガス・逆気流)で見分ける
典拠は、仕様書の令和7年版〔修補版〕の第3編 第1章 第14節(ダクト及びダクト附属品)と第15節(制気口及びダンパー)だ。番号は、とくに断らない限りこの章の項番号を指す。ダクトの吊り・接続・防火区画の貫通はダクト・附属品の施工、換気量は換気のトピックで扱った。
圧力で3つに分ける
仕様書は、ダクトを使用圧力で低圧ダクト・高圧1ダクト・高圧2ダクトに区分する(1.14.1(1)、表3.1.13)。基準になる常用圧力は、通常の運転時のダクト内圧だ。正圧・負圧は、大気圧との差と読める(当サイトの読み。流体の基礎①のゲージ圧。仕様書は基準を書いていない)。
高圧2は、正圧が+2,500Pa以下、負圧が−2,000Pa以内と、正負で上限が違う。区分はダクトだけの話ではない。排煙口とダンパーも、この区分のダクトに耐える強度を持つものとされている(1.15.1(2))。
板厚は、長辺と区分で引く
長方形ダクトの最小板厚は、長辺と区分で決まる(1.14.3.5、表3.1.14・表3.1.15)。ただし書きとなお書きが1つずつある。両端の寸法が異なるダクト(以下「変形ダクト」)は、その最大寸法による板厚を適用する(ただし書き)。厨房用排気ダクトの板厚は、特記による(なお書き)。特記とは、質問回答書・現場説明書・特記仕様・図面で指定された事項をいう(第1編 1.1.2(1)(シ))。
| 長辺 | 低圧ダクト | 高圧1・高圧2ダクト |
|---|---|---|
| 450mm | 0.5mm | 0.8mm |
| 800mm | 0.8mm | 1.0mm |
| 1,300mm | 0.8mm | 1.2mm |
| 1,800mm | 1.0mm | 1.2mm |
| 2,500mm | 1.2mm | 1.2mm |
なぜ、長辺と圧力で厚くなるのか
仕様書の表は、板厚の理由を書いていない。手がかりは、ダクトを「ダクトの内外差圧により変形を起さない構造」とする、という要求だ(1.14.1(4))。平らな板は、圧力の差を受けるとふくらむ(たわむ)。標準的な板の曲げの式では、同じ材料の同じ形の板が微小にたわむなら、たわみは圧力に比例し、板の幅の4乗に比例し、板厚の3乗に反比例する。この式は出典資料になく、筆者の説明だ。仕様書の表がこの式から作られたとは書かれていない。
- 幅が2倍なら、たわみは 倍になる。長辺が大きいほど、板厚を上げ、補強で板を分ける理由が強くなる
- 板厚を0.8mmから1.0mmにすると、たわみは 倍で、ほぼ半分になる
- 圧力の上限は、低圧の+500Paから高圧2の+2,500Paまで5倍だ。たとえば長辺800mmで、低圧の上限から高圧2の上限に上げると、表の板厚は0.8mmから1.0mmに上がり、たわみは 倍になる
板厚を上げるだけでは足りない分を、補強が受け持つ。表の並びと合うので、そう読める(当サイトの読み)。
補強 — 板を分けて、たわみを抑える
- 補強リブ 保温を施さないダクトで、幅又は高さが450mmを超えるときは、間隔300mm以下のピッチで補強リブによる補強を行う(1.14.3.7(1))
- 形鋼補強(山形鋼) 山形鋼は、L字形の断面の鋼材だ。アングルフランジ工法ダクトの横方向の補強は、フランジ間隔(隣り合うフランジの間隔。当サイトの言い換え)が表3.1.19(低圧)・表3.1.20(高圧)の最大間隔を超える場合に行う。横方向の補強をしたダクトの長辺が1,500mmを超えるときは、縦方向の補強(表3.1.21)も行う。高圧1・高圧2のときは、表3.1.21の注により、この1,500を1,200に読み替える
- コーナーボルト工法 横方向の補強は、フランジ間隔が表3.1.22(低圧)の最大間隔を超える場合に行う(同(イ))
表の始まりが違う。低圧の表3.1.19は長辺750mm超から、高圧の表3.1.20は250mm超からだ。
やってみよう ①:板厚を引く
仕様書の表で、最小板厚を引く。
(1) 低圧ダクト、長辺1,300mm → 750を超え1,500以下の行で 0.8mm。
(2) 高圧1ダクト、長辺1,300mm → 1,200を超えるので 1.2mm。
(3) 低圧ダクト、一方の端が長辺400mm、他方の端が長辺1,000mm(短辺はどちらも300mm)の変形ダクト → 最大寸法の1,000mmで引くので 0.8mm。小さい側の400mmで引くと0.5mmで、薄すぎる。
(4) 低圧のスパイラルダクト、呼称寸法600mm → 450を超え710以下の行で 0.6mm(表3.1.23)。
やってみよう ②:形鋼補強は要るか
アングルフランジ工法で、横方向の形鋼補強が要るかを判定する。「最大間隔を超える場合に行う」ので、ちょうど最大間隔なら要らない。
(1) 低圧、長辺1,000mm、フランジ間隔1,820mm → 表3.1.19の750を超え1,200以下の行は最大間隔1,210mm。1,820 > 1,210 なので 要る。
(2) 低圧、長辺1,000mm、フランジ間隔1,200mm → 1,200 ≦ 1,210 なので 要らない。
(3) 高圧、長辺300mm、フランジ間隔1,820mm → 表3.1.20の250を超え750以下の行は最大間隔925mm。1,820 > 925 なので 要る。低圧の長辺300mmなら、表3.1.19に行がない。
これで、ダクトの区分と寸法から、板厚と補強の要否を、表から自分で引ける。
材料 — 何で作るか
- 亜鉛鉄板 空調・換気ダクトの材料(1.14.1(2))。めっきの付着量は、JIS G 3302「溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯」のZ18以上。溶接加工をしたときは、両面に有機質亜鉛末塗料(JIS K 5553「厚膜形ジンクリッチペイント」、第2編 3.2.2.7)で防錆処理をする(1.14.2.1)
- 排煙ダクト 亜鉛鉄板製又は1.5mm以上の鋼板製で、特記による。特記がなければ亜鉛鉄板製(1.14.1(3))。亜鉛鉄板製の長方形ダクトは、アングルフランジ工法による高圧1又は高圧2ダクトなので、板厚は高圧の表3.1.15で引く。かどの継目はピッツバーグはぜ(1.14.5(1)(ア))。鋼板製のときは、板の継目は溶接、接続はフランジ接合(最大間隔3,640mm)、接合用フランジは山形鋼(40×40×5)、補強・支持金物の取付け間隔は1,820mm以下(1.14.5(2))。同じ数字の別の規定に注意(3,640mmは施工のトピックのアングルフランジ工法の横走りダクトの吊り間隔の上限、1,820mmはアングルフランジ工法のフランジの最大間隔)
- ステンレス 排気フードは、厚さ1.0mm以上のステンレス鋼板(SUS430又はSUS304)。グリス除去装置の材質は、ステンレス鋼板又は同等以上の耐熱性・耐食性・強度の不燃材料(1.14.8、1.14.11)。仕様書は理由を書いていない。グリス除去装置は調理で発生した油脂分等を含む蒸気を扱い(1.14.11(1))、その除去率は排気フード内の値とされるので、フードも同じ蒸気に触れる部材と読める(当サイトの読み)
形 — 長方形・スパイラル・フレキシブル
長方形ダクト は、アングルフランジ工法ダクトとコーナーボルト工法ダクトのどちらかで、適用は特記による(1.14.3.1)。コーナーボルト工法は長辺1,500mm以下に適用し、共板フランジ工法とスライドオンフランジ工法がある(1.14.3.2)。縦横比は原則として4以下(1.14.3.3)。アングルフランジ工法は、山形鋼を溶接加工したフランジをダクトに取り付ける工法。共板フランジ工法は、ダクト本体を成形してフランジにする工法。スライドオンフランジ工法は、成形したフランジをダクトに差し込む工法だ(1.14.3.6、標準図)。継目の規定(1.14.3.4)は次のとおり。
- かどの継目は2箇所以上。ただし、長辺750mm以下は1箇所以上とし、ピッツバーグはぜ又はボタンパンチスナップはぜによる(はぜは、板の端を折り曲げて組み合わせる継目)
- 面の継目は、原則として気流に直角方向のみ。内部甲はぜ継ぎ又は突合せ溶接で、平滑に仕上げる
スパイラルダクト は、亜鉛鉄板をスパイラル状に甲はぜ掛け機械巻きしたもの。呼称寸法は内径基準で、内径の公差は呼称寸法に対し0〜+2mm(1.14.4.1)。板厚は、この呼称寸法で引く(表3.1.23)。差込み継手の呼称寸法は外径基準で、公差はマイナス側だ(表3.1.25)。直管の内径は呼称寸法より小さくならず、継手の外径は呼称寸法より大きくならない。差し込める向きに公差が振ってあると読める(当サイトの読み)。直管の項には、長方形ダクトのような補強の表がない。円形は、圧力を板の引張りで受けるので、平らな板よりふくらみにくい(標準的な力学の見方。出典資料になく、筆者の説明)。ただし、亜鉛鉄板製の円形の排煙ダクトには、補強の表3.1.31がある(1.14.5(1)(イ))。
フレキシブルダクト・たわみ継手・グラスウール製ダクト 吹出口及び吸込口ボックスの接続用に使うフレキシブルダクトは、不燃材料で、可とう性・耐圧強度・耐食性をもち、有効断面が損なわれないもの。保温を施すダクトに使うときは、断熱材付きとする(1.14.9)。長さの上限(1.5m以下)は、施工のトピックにある。たわみ継手(一般用ダクト用。排煙用を除く)は、繊維系クロスを二重にし、内部にピアノ線を挿入するなど変形を抑える措置を施す(1.14.12)。グラスウール製ダクト(円形)は、風量調節ダンパー等より下流で、消音を考慮する低圧ダクトを、吹出口ボックスへ単独で接続する場合に使う。JIS A 4009により、ダクト内面の飛散防止処理を施したものとする(1.14.10)。
附属品 — 箱・フード・除去装置
- チャンバー 空気調和機・送風機・外壁ガラリ等とダクトの接続、またはダクトの分岐に使う箱形(1.14.6)。アングルフランジ工法ダクトの規定による。板厚は、3辺の最大寸法をダクトの長辺と読み替えて決める
- 吹出口及び吸込口ボックス 亜鉛鉄板製かグラスウール製で、特記による。特記がなければ亜鉛鉄板製。グラスウール製は、JIS A 4009により、厚さ0.6mm以上の亜鉛鉄板で補強する(1.14.7)
- 排気フード 厚さ1.0mm以上のステンレス鋼板(SUS430又はSUS304)を溶接加工した、フード囲いを設けた二重構造。下部に50mm以上の垂れ下がり部を設け、集気部分の傾斜角度は水平面に対し10°以上。内側周囲に、凝縮水等を捕捉するといを設ける(1.14.8)
- グリス除去装置 調理で発生した油脂分等を含む蒸気を分離・除去し、捕集した油脂分等が滴下しない構造(1.14.11(1))。2種類あり、適用は特記による
| 項目 | グリスエクストラクター | グリスフィルター |
|---|---|---|
| 分離の仕組み | 排気の気流を縮流加速し、遠心力で分離・除去 | 排気する際に分離・除去 |
| 除去した油脂分等 | 自動的に洗浄できる機能 | 自動的に回収でき、容易に取り外して清掃できる構造 |
| フード内の除去率 | 90%以上 | 75%以上 |
制気口 — 吹出口・吸込口・ガラリ・排煙口
第15節の制気口は、空気の出入口にあたる部材で、ガラリ・吹出口・吸込口・排煙口が並ぶ。
- 外気取入れガラリ・排気ガラリ 有効開口面積は正面面積の約30%。雨水の浸入を防止でき、浸入した雨水が屋外へ抜ける構造。厚さ1.0mm以上の鋼板又はアルミニウム材で、補強する(1.15.2)
- シーリングディフューザー 風量を調節でき、整流器とコーンで気流を拡散する構造。内コーンは落下防止機能を備える(1.15.3.1)。標準図の記号は、丸形がC2・CA・CD、角形がE2・EA・ED
- ユニバーサル形吹出口 シャッターで風量を、可動羽根で気流の方向を調節する。シャッターは対向形で、軸方向は短辺(1.15.3.2)
- 吸込口 風量の調節ができる構造(1.15.4)
- 排煙口 開放と同時に、制御器等へ排煙機起動用信号を発信する。排煙機が起動したあとも、排煙時の気流で閉まることのない構造。額縁・可動羽根・可動パネル・ケーシングは、厚さ1.5mm以上の鋼板(1.15.5)
標準図のCDは、吹出口では低温送風形の丸形シーリングディフューザー、ダンパーでは逆流防止ダンパーを指す。図面の凡例で見分ける。
ダンパー — 動く合図で見分ける
ダンパーは、羽根を回して空気の通り道を開閉する附属品だ。
| 種類(図示記号) | 動く・閉じる合図 | 復帰・備考 |
|---|---|---|
| 風量調節(VD) | 手動の操作ハンドル | 開度表示付き |
| 防火(FD) | 温度ヒューズ | 排煙ダクトに付けるものは280℃。標準図の記号は、排煙ダクト接続用がHFD |
| 防煙(SD) | 煙感知器 | 遠隔復帰式(電気式) |
| 防火防煙(SFD) | 防火と防煙の両方 | 双方の規定による |
| ピストン(PD) | 消火ガス | 復旧弁による遠隔復帰式 |
| 逆流防止(CD) | 逆気流(ウエイト) | 開閉が円滑で、開放時の抵抗が少ない |
| 避圧 | 消火用ガス放出時の圧力 | 設定値以上で開放、未満で閉鎖 |
防火・防煙・防火防煙・ピストンのダンパーは、開放時の気流の抵抗が少なく、閉鎖時に確実な防火又は防煙の機能をもつものとされる(1.15.1(3))。防煙ダンパーは、仕様書で「煙感知器と連動する防火ダンパー」と定義されている(1.15.1(1))。温度ヒューズは、一定の温度で溶けて羽根を閉じさせる部品だ。
法令の側では、閉じる条件はどう書かれているか。建築基準法施行令112条21項は、換気・暖房・冷房の設備の風道が準耐火構造の防火区画を貫通するとき(国土交通大臣が防火上支障がないと認めて指定する場合を除く)、貫通する部分又は近接する部分に、特定防火設備(建築基準法2条9号の2ロに規定する防火設備によって区画すべき準耐火構造の防火区画を貫通する場合は、同号ロに規定する防火設備)を設けるよう求める。設ける設備は、次の要件を満たすものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は大臣の認定を受けたものとし、大臣が定める方法により設ける。火災により煙が発生した場合又は火災により温度が急激に上昇した場合に、自動的に閉鎖すること。閉鎖した場合に、防火上支障のない遮煙性能をもつこと。仕様書に、温度ヒューズの防火ダンパー、煙感知器の防煙ダンパー、両方の防火防煙ダンパーと、合図の違う名前が並ぶのは、閉鎖の条件に煙と温度の2つを並べた条文と関係があると読める(当サイトの読み)。ただし、どの設備が21項の要件を満たすかは、条文にも仕様書にも書かれていない(告示・認定による)。令和8年11月1日施行の版で確認。
風量調節ダンパー — 複数枚なら対向翼
構成は、ケーシング・可動羽根・軸・軸受けで、開度表示付き操作ハンドルによる手動式(1.15.6(1))。長方形の可動羽根は、ダクトの高さ250mm以内につき1枚とする。2枚以上になるときは、対向翼で羽根相互の重なりは15mm程度とする。軸方向は長辺と平行にする(同(2))。円形は単翼(同(3))。
仕様書は、対向翼を選ぶ理由を書いていない。メーカーの技術資料は、平行翼を全開・全閉(ON-OFF)用、対向翼を風量調整用に分け、理由に偏流(気流の片寄り)を挙げる。平行翼は下流に偏流が出やすく、対向翼はそれが少ない。防火・防煙を目的とするダンパーは、完全な閉鎖を最重視して平行翼で作るという。これは1社の資料で、仕組みの説明に使った。仕様書の規定ではない。仕様書の防火ダンパーの項で羽根の型に触れるのは、「平行翼連結金具」の1語だけだ(1.15.7(1))。
やってみよう ③:合図からダンパーを当てる
次の記述は、どのダンパーの規定か。
(a) 温度ヒューズが溶けて、自動的に閉まる。→ 防火ダンパー(1.15.7)
(b) 煙感知器の信号で閉まり、復帰は離れた場所から電気で行う。→ 防煙ダンパー(1.15.8)
(c) 消火ガスと連動して閉まり、復帰は復旧弁で遠隔から行う。→ ピストンダンパー(1.15.10)
(d) 逆向きの気流で、ウエイトの助けで羽根が閉まる。→ 逆流防止ダンパー(1.15.11)
これで、自動で閉まるダンパーの記述を、合図・復帰・板厚で仕様書と照らせる。最後に、主な品目の板厚の下限をそろえる。
| 主な品目と部位 | 板厚の下限 | 材質 |
|---|---|---|
| 風量調節ダンパー(ケーシング・羽根) | 1.2mm以上 | 鋼板 |
| 防火ダンパー(ケーシング・羽根) | 1.5mm以上 | 鋼板 |
| 逆流防止ダンパー(ケーシング) | 1.2mm以上 | 鋼板 |
| 排煙口(額縁・羽根・ケーシング等) | 1.5mm以上 | 鋼板 |
| 外気取入れ・排気ガラリ | 1.0mm以上 | 鋼板又はアルミニウム材 |
| 排気フード | 1.0mm以上 | ステンレス鋼板 |
現場とつなぐ — 合図は、電気につながる
排煙口は、開放と同時に制御器等へ排煙機起動用信号を発信する。定風量ユニットの風速センサー形は、風速を検知して電動ダンパーを調節し(1.15.13)、変風量ユニットは外部からの制御信号で風量を調節する(1.15.14)。
仕様書は、関連工事の1つとして電気設備工事を挙げ、電気設備工事編などの当該事項によると定める(第2編 第4章 第7節 4.7.1(1))。感知器の信号をダンパーまで引く配線や電源が、どちらの工事の範囲かは、この節からは読み取れない。図面と特記で確かめる。
同じ「ダクト」でも、電気設備の「金属ダクト」は別物だ。電線を通す部材で、低圧屋内配線の工事の種類の1つとして、低圧屋内配線の施設場所と工事の種類のトピックで扱った。
| 項目 | 空調のダクト | 電気の金属ダクト |
|---|---|---|
| 通すもの | 空気 | 電線 |
| 材料・仕上げ | 亜鉛鉄板(Z18以上) | 溶融亜鉛めっき等。それ以外は塗装 |
| つなぎ方 | フランジ接合など | 本体相互はカップリング方式 |
| 防火区画等の貫通部 | すき間にモルタル又はロックウール保温材を充塡 | すき間にモルタル等の不燃材料を充てん |
試験での出方とワナ
令和8年度の第一次検定では、問題Aの No.42で、ダクト及びダクト附属品の記述から「適当でないもの」を1つ選ぶ問題が出た。必須問題の1問だ。主題は、継目・グリス除去装置・ダクトの区分・羽根の型などだった。選択肢4つのうち、2つは仕様書の本文で確かめられ、1つ(継目)は本文と標準図の記述と矛盾しない。残る1つは、羽根の型の性能の優劣で、仕様書に優劣の記述がなく、仕様書が選んだ型(複数枚は対向翼)から読む。
ワナは、次の3点にまとめられる。出題の分析ではなく、仕様書の規定から当サイトが挙げた。
- 板厚を引く長辺の取り違え 両端の寸法が違うときは最大寸法。小さい側や平均で引くと、薄すぎることがある
- 附属品の板厚の取り違え 主なものでは、風量調節ダンパー1.2、防火ダンパーと排煙口1.5、ガラリと排気フード1.0。部位と材質もセットで言う
- 性能の優劣の判定 仕様書にない優劣は、仕様書が選んだ型と逆のことを言っていないかで見る。確かめられる肢から先に判定する
冒頭の問いの答え合わせ
- (1) 違う。 長辺800mmは、低圧で0.8mm、高圧で1.0mm(表3.1.14・表3.1.15)。理由は表に書かれていない(「なぜ、長辺と圧力で厚くなるのか」の節)
- (2) 対向翼。 2枚以上になるときは、対向翼で、羽根相互の重なりは15mm程度(1.15.6(2))
- (3) 温度と煙。 温度ヒューズと連動する防火ダンパーと、煙感知器と連動する防煙ダンパーがある
答え合わせは、理解度チェックの問1(区分)・問6(高圧の板厚)・問3(羽根)・問4と問11(防煙・防火ダンパー)でしてみよう。
次の問い
冷たい空気を運ぶダクトの外側に、水滴がつくことがある。では、保温材は何のために巻き、どの順に重ねるのか。結露と防露、保温・保冷の材料、保温・保冷と防振の施工のトピックで、仕組みと仕様書の規定を読む。